Last Updated on 2024-04-19 06:31 by 荒木 啓介
NeuroBraveとイスラエルのSourasky Medical Centerが、完全に麻痺した患者が他人と効果的にコミュニケーションを取り、コンピューターやモバイルデバイスを操作できるようにするため、AIを用いた思考と意図のリアルタイム翻訳を目指す研究協力を発表した。NeuroBraveは、感情や認知状態をリアルタイムで解読するAI搭載のNeuroSpeed OSプラットフォームを開発しているイスラエルの企業である。この協力により、イスラエルはElon MuskのNeuralinkやBill GatesとJeff Bezosが出資するSynchron Incと並ぶ「脳チップレース」に参加することになる。
昨年6月、NeuroBraveはGarmin Health solutionsとのパートナーシップを通じて、メンタルウェルネスと不安の治療と改善を目指した。また、昨年8月には、Tel Aviv Sourasky Medical Centerががんデータの安全かつ効果的な収集を可能にするAIと分析会社Duality Technologiesと提携した。12月には、NeuroBraveはVenture Israelをリードとするシード資金調達ラウンドで未公開の金額を調達し、研究加速と市場投入活動に資金を使用すると発表した。
【ニュース解説】
NeuroBraveとイスラエルのSourasky Medical Centerが、完全に麻痺した患者が他人と効果的にコミュニケーションを取り、コンピューターやモバイルデバイスを操作できるようにするための研究協力を発表しました。このプロジェクトは、AIを用いて患者の思考や意図をリアルタイムで翻訳する技術の開発を目指しています。NeuroBraveは、感情や認知状態をリアルタイムで解読するAI搭載のNeuroSpeed OSプラットフォームを開発しているイスラエルの企業であり、この協力により、イスラエルはElon MuskのNeuralinkやBill GatesとJeff Bezosが出資するSynchron Incと並ぶ「脳チップレース」に参加することになります。
この技術の開発は、医療分野におけるAIの応用の一例として非常に重要です。完全に麻痺した患者が自分の思考だけでコミュニケーションを取り、デバイスを操作できるようになれば、彼らの生活の質が大幅に向上します。また、この技術はリハビリテーションや介護の分野でも応用が期待されています。
しかし、このような技術の開発と実用化には、プライバシーの保護や倫理的な問題が伴います。思考を読み取る技術は、不正に利用される可能性があるため、使用にあたっては厳格な規制やガイドラインの策定が必要になるでしょう。また、技術の進歩によって生じる社会的な格差やアクセスの不平等など、様々な社会問題にも対応する必要があります。
長期的な視点では、この技術の発展は、人間の脳とコンピューターのインターフェース(BCI)技術の進化に大きく貢献する可能性があります。将来的には、脳の機能を拡張するデバイスや、脳波を利用した新たなコミュニケーション手段の開発など、さらに先進的な応用が期待されています。この分野の研究が進むことで、人類の生活や社会のあり方に大きな変革をもたらすかもしれません。
from NeuroBrave, Sourasky Medical Center partner for generative AI project.