Last Updated on 2024-09-12 06:05 by 門倉 朋宏
インターネットの共同開発者であるロバート・カーンは、AIエージェントやブロックチェーンなど、現代的と思われるアイデアを先駆けていた。IEEEメダル・オブ・オナーを受賞した際、TechCrunchとのインタビューで、1970年代から大きく変わっていないと語った。カーンはインターネットが誤用される可能性に初期から懸念を抱いていたが、初期のインターネットは研究コミュニティの協力的な集まりであり、問題は少なかった。しかし、ユーザーが数十億人規模になると、社会のさまざまな問題が現れる。
カーンは「ノウボット」と呼ばれるAIエージェントの概念を提案し、これはインターネット上でユーザーの指示に従って行動するモバイルプログラムであった。しかし、最初のサイバーセキュリティ脅威であるモリスワームの発生時期と重なり、このアイデアは後回しにされた。その後、デジタルオブジェクトアーキテクチャという、モバイルプログラムの概念を発展させたものが生まれた。これは、デジタルオブジェクトが互いに通信することを可能にするシステムであり、ブロックチェーンや暗号通貨といった現代の技術と類似点がある。
カーンは、インターネットのプロトコルであるTCP/IPが普及した背景には、異なる企業や技術間の相互運用性が必要だったことを指摘している。また、現在の半導体産業の課題についても言及し、アメリカが製造のリーダーシップを失ったこと、そして人材の問題が今後の大きな課題であると述べた。
【ニュース解説】
インターネットの共同開発者であるロバート・カーン氏が、AIエージェントやブロックチェーンなど、現代において新しいとされる技術の概念を数十年前に既に提案していたことが明らかになりました。IEEEメダル・オブ・オナーを受賞したカーン氏は、TechCrunchとのインタビューで、1970年代から技術的な問題やその解決策に大きな変化はないと語っています。
カーン氏は、インターネットが誤用される可能性について初期から懸念を抱いていましたが、初期のインターネットは研究コミュニティの協力的な集まりであり、問題は少なかったと述べています。しかし、インターネットのユーザーが数十億人規模に達すると、社会のさまざまな問題が現れるようになりました。
カーン氏が提案した「ノウボット」というAIエージェントは、インターネット上でユーザーの指示に従って行動するモバイルプログラムでした。このアイデアは、最初のサイバーセキュリティ脅威であるモリスワームの発生時期と重なり、後回しにされました。しかし、この概念は後にデジタルオブジェクトアーキテクチャへと発展し、デジタルオブジェクトが互いに通信することを可能にするシステムとなりました。このシステムは、ブロックチェーンや暗号通貨といった現代の技術と類似点があります。
カーン氏はまた、インターネットのプロトコルであるTCP/IPが普及した背景には、異なる企業や技術間の相互運用性が必要だったことを指摘しています。さらに、現在の半導体産業の課題についても言及し、アメリカが製造のリーダーシップを失ったこと、そして人材の問題が今後の大きな課題であると述べています。
このインタビューからは、技術の進化において過去のアイデアや概念が新たな形で再び重要になること、そして技術的な問題やその解決策が時代を超えて繰り返されることが示されています。また、インターネットや技術の発展が社会に与える影響や、それに伴う課題についても、長期的な視点から考察する必要があることが強調されています。
from Crypto? AI? Internet co-creator Robert Kahn already did it… decades ago.