OriHime分身ロボットが東京観光ガイド、障害者の新たな就労機会創出へ

[更新]2025年9月25日18:58

OriHime分身ロボットが東京観光ガイド、障害者の新たな就労機会創出へ - innovaTopia - (イノベトピア)

2025年9月11日、OryLab社が開発したロボット「OriHime」を使用した東京の観光ガイドツアーが開始された。OriHimeは肩に装着するバックパック式で、障害者が自宅から遠隔操作してツアーガイドを務める。

ロボットは日本語と英語に対応し、マイク、スピーカー、カメラを搭載している。カメラから送られる映像を見ながら、遠隔のガイドが観光客の周囲についてコメントする仕組みである。

From: 文献リンクA robot on your shoulder will show you around Tokyo

ツアー時間は準備時間20分を含めた90分で、料金は1人5500円(税込)、2人以上の場合は大人(12歳以上)1人あたり3300円(税込)、子供(4~11歳)1人あたり2000円(税込)である。(公式サイトより)

【編集部解説】

OriHimeロボットを活用した東京観光ツアーは、単なる技術デモンストレーションを超えた社会実装の好例として注目に値します。このサービスの真の革新性は、テクノロジーを通じて障害者の就労機会を創出している点にあります。

従来の観光ガイド業界では、身体的な制約により参加が困難だった人々が、遠隔操作技術によって新たな働き方を獲得しています。ロボットに搭載されたカメラとマイク、スピーカーを通じて、ガイドは観光客とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら、まるでその場にいるかのような案内を提供できます。

技術的な側面では、OriHimeの多言語対応機能が国際都市東京の観光需要に適合している点も重要です。日本語と英語での対応により、幅広い観光客層にサービスを提供可能となっています。

長期的な視点では、このモデルが他の業界へ波及する可能性があります。接客業、教育分野、医療現場など、対面でのコミュニケーションが重視される分野でも、同様の遠隔操作システムの導入が検討されるかもしれません。

【参考リンク】

OryLab株式会社(外部)
OriHimeロボットを開発・製造する日本のロボティクス企業。創設者の吉藤健太朗氏の経験から生まれた分身ロボット技術で、障害者の社会参加を支援

三井不動産株式会社(外部)
日本橋エリアでのOriHimeガイドツアー実施に協力している大手不動産デベロッパー。都市開発と新技術の融合に積極的に取り組む

Digital Trends(外部)
米国の大手テクノロジーメディア。最新のガジェット、AI、ロボティクスなどの技術トレンドを幅広く報道している

【参考記事】

Robot tour guides in Tokyo offer way for those with disabilities to work(外部)
ジャパンタイムズによる詳細報道。障害者の就労支援という社会的側面に焦点を当て、OriHimeロボットの技術仕様と運用実態を解説

A Nihonbashi tour in Tokyo remotely guided by an avatar robot(外部)
観光業界専門誌による報道。サービスの具体的な運用方法と観光客の体験内容について詳述している

Embracing Ichi-go Ichi-e in robot-guided tour in Tokyo(外部)
日本の文化的価値観である「一期一会」とロボット技術の融合について考察した記事。観光体験の質的向上について論じる

「OriHime日本橋ガイドツアー」を9月11日にローンチ(外部)
三井不動産の公式プレスリリース。サービス開始の背景、技術詳細、料金体系について公式発表されている

【編集部後記】

皆さんはロボットと一緒に街を歩く未来を想像したことはありますか?今回のOriHimeガイドツアーは、テクノロジーが単なる効率化ではなく、人と人をつなぐ架け橋となる可能性を示しています。

障害者や移動困難者の方々が新たな働き方を見つけられるこの取り組みを見ていると、私たちが考える「働く」ということの定義が変わっていくのかもしれません。もし皆さんの住む街でこうしたサービスが始まったら、どんな体験をしてみたいですか?そして、テクノロジーを通じて誰かの夢や希望を叶える仕組みについて、一緒に考えてみませんか?

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Ami
テクノロジーは、もっと私たちの感性に寄り添えるはず。デザイナーとしての経験を活かし、テクノロジーが「美」と「暮らし」をどう豊かにデザインしていくのか、未来のシナリオを描きます。 2児の母として、家族の時間を豊かにするスマートホーム技術に注目する傍ら、実家の美容室のDXを考えるのが密かな楽しみ。読者の皆さんの毎日が、お気に入りのガジェットやサービスで、もっと心ときめくものになるような情報を届けたいです。もちろんMac派!

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