Last Updated on 2024-01-27 10:05 by
トーゴ共和国のジャーナリストたちの携帯電話が、ペガサスと呼ばれるスパイウェアの標的になっていることが明らかになりました。このスパイウェアは、イスラエルのNSOグループによって開発されたもので、感染したモバイルデバイスから情報を抽出し、メッセージやメール、メディアファイル、パスワード、詳細な位置情報をユーザーの知らない間に傍受・送信する能力を持っています。
報道によると、トーゴ政府は2021年までこのスパイウェアを使用しており、同年2月1日から7月10日にかけて、トーゴの独立系週刊紙「Flambeau des Démocrates」の発行人であるロイック・ローソンの使用していた電話に少なくとも23回のスパイウェア侵入が確認されました。また、フリーランスジャーナリストのアナニ・ソソウも2021年10月25日に同様の侵入を受けています。
さらに、フェルディナン・アイテ、ルック・アバキ、カルロス・ケトフーという3人のトーゴのジャーナリストが、2021年に国際コンソーシアムによる調査で特定された50,000人の潜在的なペガサスの標的リストに含まれていたことが判明しています。
この問題は、サイバーセキュリティに関するニュースや分析、コメントなどを提供するメディアサイト「Dark Reading」によって報じられました。同サイトは、サイバーセキュリティの最新の脅威や新たに発見された脆弱性、データ侵害の情報、新しいトレンドなどを日々更新しています。
【ニュース解説】
トーゴ共和国のジャーナリストたちが、ペガサスという高度なスパイウェアの標的になっていることが判明しました。このスパイウェアはイスラエルのNSOグループによって開発され、感染したデバイスから広範囲のデータを抽出することが可能です。具体的には、メッセージ、メール、メディアファイル、パスワード、位置情報など、ユーザーが気づかないうちに盗み出すことができます。
このようなスパイウェアの使用は、プライバシーの侵害や表現の自由への重大な脅威をもたらします。ジャーナリストは公共の利益に仕える情報を提供する役割を担っており、彼らの通信が監視されることは、報道の自由を損なうことに直結します。また、政府による監視ツールの使用は、政治的な弾圧や反対意見の封じ込めに利用される可能性があり、民主主義社会における透明性や公正さに対する信頼を損なうことにもなりかねません。
この技術がもたらすポジティブな側面としては、テロリズムや重大な犯罪の防止に役立つ可能性があります。しかし、その一方で、潜在的なリスクとしては、権力の乱用、個人のプライバシーの侵害、そして社会全体の監視社会化が挙げられます。
規制に関しては、スパイウェアのような技術の使用に対しては、厳格な法的枠組みと透明性が求められます。国際的な基準や監督機関の設置が必要であり、個人の権利を保護するためのバランスが重要です。
将来的には、このようなスパイウェアの技術がさらに進化し、より検出が困難になる可能性があります。そのため、サイバーセキュリティの専門家や研究者は、防御策の開発と普及に努める必要があります。また、ジャーナリストや市民が自身のデジタルセキュリティを高めるための教育と意識向上も重要です。
このニュースは、国際社会におけるデジタル監視の現状と、それに対する警鐘を鳴らすものです。個人の権利と社会の安全性を守るためには、技術の進歩と倫理的な使用の間での継続的な対話が不可欠となります。
from Pegasus Spyware Targets Togolese Journalists' Mobile Devices.