MicrosoftがAIアクセス拡大へ「Models-as-a-Service」提供開始

MicrosoftがAIアクセス拡大へ「Models-as-a-Service」提供開始 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-05-24 07:55 by admin

Microsoftは、AIアクセスを民主化する「Models-as-a-Service」(MaaS)プランを提供している。これは、クラウドサービスのAI版であり、インフラではなくアクセスに対して料金を請求するもので、同社のAI Azure Studio製品を通じて利用可能である。開発者は、仮想マシンを使用せずに、推論APIをレンタルし、ファインチューニングをホストできる支払いプランを利用できる。

MaaSは、開発者がソフトウェアにAI機能を容易に組み込むことを目指しており、Microsoftは1600以上のモデルを提供している。2023年の開始以来、Microsoftは選択されたモデルをこのプログラムを通じて利用可能にしており、最初にMistral-7BとMetaのLlama 2が利用可能になった。今週、NixtilaのTimeGen-1とCore42 JAISが追加され、AI21、Bria AI、Gretel Labs、NTT Data、Stability AI、Cohereからのモデルも間もなく利用可能になる予定である。

MaaSモデルになるためには、企業パートナーシップやAPI作業によって、モデルの機能シグネチャが十分に統一されている必要がある。より特殊なモデルは、別の方法でデプロイする必要がある。将来的には、開発者がモデルを「所有」するか「レンタル」するかを選択する二分法のパラダイムが見られるようになると予想される。

MaaSは、AIがクラウドコンピューティングビジネスを模倣する最も顕著な技術となった理由について、技術企業が必要だと思う技術を押し出すのではなく、消費者が技術企業から機能やサービスを要求するようになったためであると示唆している。AIの研究と商業化がほぼ同時に進んでいるため、消費者がChatGPTの使用数を通じてこの種の体験を要求し、企業が追いつこうとしている状況が生まれている。

【編集者追記】用語解説

  • 大規模言語モデル(LLM): 大量のテキストデータを用いて学習した、自然言語処理のための AI モデル。ChatGPTやBingチャットなどで利用されている。
  • Azure AI Studio: Microsoftが提供するクラウドベースのAI開発プラットフォーム。開発者がAIモデルを構築、テスト、デプロイできる。
  • 推論API: AIモデルに入力データを与えて、予測や生成などの出力を得るためのインターフェース。
  • ファインチューニング: 事前学習済みのAIモデルを、特定のタスクや分野に適応させるために追加の学習を行うこと。
  • Llama 2: Metaが開発したオープンソースの大規模言語モデル。
  • Mistral: Microsoftが開発した大規模言語モデル。
  • Jais: Core42が開発した大規模言語モデル。

【参考リンク】
Microsoft Azure AI Studio(外部)

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【ニュース解説】

Microsoftが提供する「Models-as-a-Service」(MaaS)プランは、AI技術へのアクセスをより広範囲に拡大することを目的としています。このサービスは、開発者がAIモデルを簡単にソフトウェアに組み込むことを可能にすることで、AIの民主化を推進しています。MaaSは、インフラではなくアクセスに対して料金を請求するクラウドサービスのAI版として機能し、開発者は仮想マシンを使用せずに推論APIをレンタルし、ファインチューニングをホストできる支払いプランを利用できます。

このサービスは、開発者がAIモデルのデプロイメントに関する複雑な作業を避け、より創造的なプロセスに集中できるように設計されています。Microsoftは1600以上のモデルを提供しており、選択されたモデルはMaaSプログラムを通じて利用可能になっています。これにより、開発者はさまざまなAI機能を自身のソフトウェアに容易に組み込むことができます。

MaaSモデルになるためには、企業パートナーシップやAPI作業を通じてモデルの機能シグネチャが統一される必要があります。しかし、より特殊なモデルはこのサービスを通じてデプロイすることができず、別の方法でのデプロイが必要になります。将来的には、開発者がモデルを「所有」するか「レンタル」するかを選択する二分法のパラダイムが見られるようになると予想されます。

このサービスの提供により、AI技術の研究と商業化がほぼ同時に進んでいる現在、消費者が技術企業から機能やサービスを要求する新たな動きが生まれています。特に、ChatGPTのようなサービスの使用が増加する中で、企業は消費者の要求に応えるために追いつく必要があります。

MaaSの提供は、AI技術の利用と開発をより手軽にし、開発者がAIを活用したソリューションを迅速に市場に投入できるようにすることで、イノベーションの加速を促進します。しかし、このようなサービスの普及には、データのプライバシーやセキュリティ、倫理的な問題への対応が重要な課題となります。また、特殊なニーズを持つ開発者や企業にとっては、カスタマイズされたソリューションの必要性が高まる可能性があります。

長期的には、MaaSのようなサービスがAI技術の普及と発展を促進し、多様な業界でのAIの応用が進むことが期待されます。これにより、新たなビジネスモデルの創出や、社会のさまざまな分野での効率化とイノベーションが加速する可能性があります。同時に、これらの技術の進展に伴う倫理的、社会的な課題への対応が、今後の重要な焦点となるでしょう。

from How Microsoft sees its Models-as-a-Service feature democratizing access to AI.

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