Last Updated on 2024-12-17 11:17 by admin
OpenAI社は2024年12月16日、AIチャットボットサービス「ChatGPT」の検索機能に関する3つの主要アップデートを発表した。
これは「12 Days of OpenAI」と題した年末特別企画の8日目の発表として、YouTubeライブストリームで公開された。
主な更新内容は以下の3点である:
1. 検索機能の無料開放
- これまでChatGPT Plus(月額20ドル)以上の有料プラン限定だった検索機能を、無料アカウントユーザーにも開放
- ログイン必須で、作成バー下部の地球儀アイコンから利用可能
2. 検索結果表示の改善
- Webページへのリンクを、AI生成テキストより優先して表示
- モバイルアプリでの地図連携機能を追加(iOS版はApple Maps、Android版はGoogle Mapsと連携)
3. 音声検索機能の実装
- Advanced Voice Modeを有効にすることで音声による検索が可能
- 10種類の音声スタイルから選択可能
- 天気予報、旅行情報、アクティビティ情報などをリアルタイムで検索可能
from:OpenAI updates ChatGPT Search with voice queries, faster results, mobile maps integration
【編集部解説】
OpenAIは「12 Days of OpenAI」と題した年末特別企画の一環として、ChatGPTの検索機能を大幅に拡充しました。これは同社が2024年10月に正式リリースしたSearchGPTの進化版といえます。
特に注目すべきは、これまで有料ユーザーに限定されていた検索機能を無料ユーザーにも開放した点です。これはAI検索市場における重要な転換点となる可能性があります。
技術的な進化
音声検索機能の実装は、自然な対話型検索の新しい可能性を示しています。Advanced Voice Modeに実装された画面共有機能と組み合わせることで、より直感的な情報アクセスが可能になりました。
特筆すべきは、モバイルプラットフォームでの地図サービス連携です。iOSではApple Maps、AndroidではGoogle Mapsと連携することで、位置情報に基づいた正確な情報提供が可能になっています。
市場への影響
この無料化の動きは、Google検索に対する直接的な挑戦と見ることができます。ChatGPTの週間アクティブユーザー数は3億人を超え、検索市場に大きな影響を与える可能性があります。
今後の展望
OpenAIは12月17日にサードパーティ開発者向けの発表を予定しており、APIやプラットフォームの拡充が期待されます。これにより、ChatGPTの検索機能を活用した新しいサービスやアプリケーションの登場が予想されます。
潜在的な課題
一方で、12月11日に発生した大規模な障害は、AIサービスへの依存度が高まる中でのリスクを示しています。特に、ビジネスや教育現場での利用において、サービスの安定性が重要な課題となっています。
プライバシーと規制
EUなど一部地域では規制上の理由から、ビデオ機能などの一部サービスが利用できない状況です。AI技術の発展と規制のバランスは、今後も重要な課題となるでしょう。