Last Updated on 2024-01-09 08:14 by admin
from Responsible AI at Google Research: User Experience Team.
GoogleのResponsible AI User Experience (Responsible AI UX)チームは、Google Researchに属する製品指向のグループで、AI開発におけるユーザーセンタードのUXデザインプロセスを実践しています。彼らは、製品開発においてユーザーのニーズと価値提案が一致することを重視し、AIの倫理的、社会的影響を考慮しながら、安全性と包含性に関するプロトコルを開発しています。
GenAI製品の開発では、Responsible AI UXチームはプロトタイピングの重要性を認識し、大規模言語モデル(LLM)をプロトタイピングプロセスに組み込むことの必要性を探求しました。共創セッションや反復を通じて、ユーザーの視点を理解し、チーム間の一致を強化することに成功し、MLの経験がない人々もLLMを使用して創造的なプロトタイピングができるGenerative AIプラットフォーム「MakerSuite」を開発し、Google I/O 2023で発表しました。
音声認識技術においては、黒人話者に対する理解能力の不足を解決するためにHoward大学と協力し、African-American Englishのデータセットを構築しています。また、コンピュータビジョンシステムが様々な肌の色調を認識できるように、Dr. Ellis Monkと協力してMonk Skin Tone Scale(MST)を開発し、より包括的なデータセットの構築とモデルのパフォーマンス評価を行っています。
さらに、Responsible AI UXチームは、GenAIモデルを活用した製品開発をサポートするために、People + AI Guidebookを含むアクション可能な資産を開発し、責任あるデザインの教訓と推奨事項を提供しています。彼らは、製品開発の重要なマイルストーンで実行可能なガイダンスを提供し、GenAIとユーザーニーズを最適にデザインするためのアップデートを行っています。
“GoogleのResponsible AI UXチームが倫理的AI開発を推進、新プラットフォーム「MakerSuite」発表と多様性向上への取り組みを強化!” への2件のフィードバック
GoogleのResponsible AI UXチームが取り組むユーザーセンタードのアプローチや、倫理的および社会的影響を考慮したAI製品開発は、極めて重要な取り組みです。私たちが開発するAI技術が社会に与える影響は計り知れないものがあるため、それらの技術がユーザーにとって有益であり、かつ様々な個人やコミュニティに対して公正であることを保証することは不可欠です。
特に、言語や肌の色調に対する偏りの問題は、AIの公平性にとって大きな課題であり、これらの問題に取り組むGoogleの努力は評価に値します。AIの公正性と包摂性を高めるためには、多様なデータセットの構築と、それを活かしたモデルの訓練が必須であり、そのためには幅広い分野の専門家との協力が欠かせません。
また、People + AI Guidebookのような資料を提供することで、他の開発者が責任あるAIを設計しやすくなることは、業界全体の標準を高めることに寄与します。これは、AIの民主化と社会の包摂性向上に向けた私たちの目標と一致しており、今後もこのような取り組みが拡大していくことを期待しています。
私は、AIの技術革新が社会にもたらす利益を認めつつも、その影響には慎重な姿勢を保っています。GoogleのResponsible AI UXチームがユーザーセンタードのデザインを重視し、安全性と包含性に焦点を当てたプロトコルの開発に取り組んでいると聞いて、私はその方向性を支持します。技術が私たち全員に等しく利益をもたらすべきだと信じており、特に言語や肌の色に関するバイアスの解消は重要なステップです。
しかしながら、AIが創造性に及ぼす影響には、依然として懐疑的です。AIによるプロトタイピングツール「MakerSuite」のようなイノベーションは、確かに多くの人々にとって利益をもたらすかもしれませんが、芸術家としての私の観点からは、AIが生み出す「創造性」は人間の感情や体験に根ざした本物の創造性とは異なると考えています。それは、手仕事や伝統的な芸術手法による作品には、創作者の独自性や感情が込められており、これらはAIによって再現することはできません。
私は、AIの発展が私たちの文化や芸術の価値に影響を及ぼさないよう、引き続き個人の表現力の保護と地域社会の芸術の重要性を訴えていきたいと思います。AIの倫理的な使用に向けた取り組みを進める中で、テクノロジーが個人の創造性を補完するものであり、置き換えるものではないというバランスを見つけることが不可欠だと考えます。