ChatGPTを使っていて、「あ、このプロンプトもうちょっと詳しく書けばよかった」と思った経験はないだろうか?私も日頃からChatGPTを活用する中で、送信後に「もう少し具体的に指示すべきだった」と感じることが多々ある。
そんな時に役立つのが、ChatGPTの「メッセージを編集」機能である。この機能を使えば、送信済みのプロンプトにマウスを合わせると現れる鉛筆マークをクリックするだけで、元の指示文を後から修正できる。モバイルではプロンプトを長押しすれば同じ操作が可能だ。
従来なら「さっきの質問に加えて、〇〇についても教えて」といった追加の返信を送っていたが、この編集機能なら最初のプロンプト自体を改善して、より精度の高い回答を得ることができる。ChatGPT SearchやAdvanced Voice Mode、Canvasといった新機能の陰に隠れがちだが、日常的な作業効率を大きく向上させる実用的な機能である。
実際に私も最近まで見落としていた機能で、**一度使ってみると「なぜもっと早く気づかなかったのか」**と感じるほど便利だった。会話が無駄に長くならず、スクロールの手間も減り、理想的な回答が得られるまで何度でもプロンプトを洗練できる点が特に気に入っている。
From: ChatGPT Has A Built-In ‘Hack’ That Makes Your Prompts So Much Better
【編集部解説】
この記事で紹介されているChatGPTの「メッセージ編集」機能について、実際にinnovaTopia編集部で検証してみました。画像でお見せしているように、この機能は確実に存在し、多くのユーザーが見落としている非常に便利な機能であることが確認できます。

実際に使ってみると、Slack、Discord、Microsoft Teamsなどのビジネス向けチャットツールで使い慣れた「送信後の編集機能」が、AIチャットボットにも実装されていることに驚かされました。プロンプトを送信した後で、マウスを合わせると表示される鉛筆マークをクリックするだけで、元の指示文を後から修正できる仕組みです。
検証の中で特に印象的だったのは、この機能が単なる「修正」を超えて、会話の「分岐」を作り出せる点です。従来のように「さっきの質問に追加で〜」という返信を送ると、ChatGPTは過去のやり取りを文脈として参照してしまいます。しかし、編集機能を使えば、元のプロンプトそのものを変更してクリーンな状態で新しい応答を得られるのです。
ただし、使用中にいくつかの課題も発見しました。一部のユーザーからは、編集ボタンが表示されない環境があることが報告されています。また、編集した内容が正常に反映されず、新しいメッセージとして処理されてしまうケースもあるようです。
この機能が実現することは、まさに効率的なプロンプトエンジニアリングです。試行錯誤しながら最適なプロンプトを見つけ出すプロセスを、一つの会話内で完結させることができます。特に複雑な企画書作成や技術記事の執筆において、異なる角度からのアプローチを同一コンテキスト内で比較検討できるメリットは計り知れません。
一方で、編集機能に頼りすぎると、そもそものプロンプト設計スキルが向上しない可能性もあります。また、編集によって生成された複数の応答を適切に管理・評価せずに利用すると、情報の一貫性に問題が生じる恐れもあるでしょう。
長期的な視点から見ると、この機能はAIとの対話における「会話設計」の概念を根本的に変える可能性があります。従来の一方向的な質問応答から、より実験的で創造的なインタラクションモデルへの移行を促すでしょう。これは、AIを単なる情報検索ツールから、真の創造的パートナーへと発展させる重要な一歩だと感じています。
実際に使ってみた感想として、「なぜもっと早くこの機能に気づかなかったのか」というのが正直なところです。ChatGPTを日常的に使用している方には、ぜひ一度試していただきたい機能です。特に、何度も同じようなプロンプトを微調整して送り直しているという方には、大幅な時間短縮につながるはずです。
【用語解説】
プロンプト
AIチャットボットに対する指示文や質問文のこと。ユーザーがAIに何を求めているかを伝えるための最初の入力であり、出力の質に大きく影響する。
ChatGPT Plus
OpenAIが提供するChatGPTの有料版サービス。無料版に比べて応答速度の向上、優先アクセス、新機能の早期利用などの特典がある。
Advanced Voice Mode
ChatGPTでリアルタイムの音声対話を可能にする機能。テキスト入力ではなく音声で自然な会話ができる。
Canvas
ChatGPTの編集用インターフェース。長文の執筆や編集作業を専用の画面で行うことができる機能。
Tasks機能
ChatGPTで特定のタスクを設定し、定期的な実行や管理を行える機能。
プロンプトエンジニアリング
AIから望ましい結果を得るために、効果的な指示文を設計・最適化する技術や手法。
幻覚症状(Hallucination)
AIが事実ではない情報を生成してしまう現象。ChatGPTも完全ではないため、出力内容の検証が重要とされる。
【参考リンク】
OpenAI(外部)
ChatGPTを開発するAI研究企業の公式サイト。最新のAI技術やサービス情報を提供
BGR(外部)
アメリカの大手テクノロジーメディア。AI技術やガジェットの最新ニュースを配信
【参考動画】
【参考記事】
ChatGPT gives you unlimited conversations and message editing(外部)
Reddit上でChatGPTのメッセージ編集機能について議論されたスレッド
‘Edit message’ button in ChatGPT is missing(外部)
OpenAI公式コミュニティで報告された編集ボタンの不具合と対処法
ChatGPT Mobile App cannot edit message(外部)
モバイルアプリでメッセージ編集機能が動作しない問題の報告と回答
How to use ChatGPT: A beginner’s guide(外部)
ChatGPTの基本的な使い方とメッセージ編集機能の操作方法を解説
Anyone else experiencing message editing bug?(外部)
多数のユーザーが経験したメッセージ編集機能のバグについての議論
【編集部後記】
ChatGPTの「メッセージ編集」機能を使ってみて、その便利さを改めて実感しました。プロンプトやAIの回答をやり直したいとき、ワンクリックで内容を修正できる自由度は作業効率を飛躍的に高めると感じています。
ふと、「もしGeminiやPerplexityにも同じような編集機能が搭載されたら、どんなに柔軟なAI活用ができるだろう」と想像することがあります。実際、GoogleのGeminiには回答文の一部を選択して書き換えたり、トーンを変えたりできる強力な編集機能が実装されつつあるようですが、まだ英語版のWebアプリなど一部環境に限定されているのが現状です。
普段の日本語利用や他社AIにも標準でこうした「会話の途中からやり直せる」機能があれば、さらに快適なAI活用体験が広がるでしょう。特に、文体を統一したり、口調を調整したりする作業も、編集機能があればもっとスムーズになるはずです。
今後、各社のAIにも使いやすい編集機能が普及することを期待しています。AIとのコミュニケーションがより自然で効率的になる日が楽しみですね。