建築特化AIプラットフォームArchiX、参照画像対応の部分修正機能を追加へ

建築特化AIプラットフォームArchiX、参照画像対応の部分修正機能を追加へ - innovaTopia - (イノベトピア)

アクチュアル株式会社(本社:京都市、代表取締役:辻 勇樹)は、建築特化型オールインワンAIプラットフォーム「ArchiX(アーキエックス)」に「AI画像編集」機能を2025年10月末にリリースする。

同機能は3段階でリリースされ、第1段階の「部分修正機能」は10月中旬に対応済み、第2段階は参照画像アップロード対応(10月末)、第3段階は任意画像編集・色調補正対応(11月以降)となる。ブラシで選択した特定エリアをプロンプト指示で編集でき、参照画像を追加することで指定の家具や建材をパース内に合成することが可能になる。

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住宅リフォーム会社、不動産仲介会社、工務店、建築設計事務所、住宅設備メーカー、ショールームなどでの業務効率化と提案力向上が期待される。アーキエックスは「スケッチからパース」「パースから動画」「AI議事録・要約」「アーキチャット」の4つのAI機能を提供する建築特化型AIサービスである。

From: 文献リンク建築特化型オールインワンAIプラットフォームArchiX(アーキエックス)「AI画像編集」機能をリリース

【編集部解説】

建築業界におけるAI画像生成ツールの課題が、ついに解決に向けて動き出しました。従来の画像生成AIは「全体を一度に生成する」という特性上、クライアントから「この部分だけ変更したい」という要望があっても、再生成すると構図全体が変わってしまう問題を抱えていました。この課題は建築パースの実務において致命的でした。

ArchiXが今回リリースする「部分指定×参照画像」のアプローチは、画像編集の自由度を大きく引き上げます。特に注目すべきは、実在する製品の写真を参照画像として使用できる点です。住宅設備メーカーのカタログ写真をそのままパース内に合成できれば、提案の具体性は飛躍的に高まるでしょう。

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この機能が建築業界にもたらすインパクトは、単なる作業効率化にとどまりません。これまで外注に依頼していたパース制作が社内で完結できるようになることで、顧客との打ち合わせ中にリアルタイムで修正案を提示することも可能になります。提案から修正、再提案までのサイクルが高速化することで、契約率向上に直結する可能性があります。

一方で、AI生成画像の精度や品質管理については注意が必要です。建築基準法に適合しない非現実的な構造や、実際には施工不可能なデザインが生成される可能性も考慮しなければなりません。最終的な品質チェックは、やはり人間の専門知識が必要になります。

3段階に分けたリリース戦略も興味深い点です。10月中旬に部分修正機能を先行させ、10月末に参照画像対応、11月以降に任意画像編集へと段階的に機能を拡張することで、ユーザーからのフィードバックを反映しながら開発を進める姿勢が見て取れます。

京都発のスタートアップであるアクチュアル株式会社は、360度映像のアーカイブ事業で培った映像技術を、建築AIという新分野に展開しています。バーチャルとリアルの融合という同社のビジョンは、まさに建築という「未来の空間を可視化する」領域と親和性が高いと言えるでしょう。

【用語解説】

建築パース
建築物の完成予想図のこと。透視図法を用いて立体的に表現され、設計段階でクライアントに完成イメージを伝えるために使用される。従来は手描きや3DCGソフトで制作されていたが、近年はAI生成技術の活用が進んでいる。

プロンプト
AI画像生成ツールに対して指示を出すための文章や命令文のこと。「リビングに観葉植物を追加」といった具体的な指示をテキストで入力することで、AIが画像を生成または編集する。プロンプトの書き方によって生成結果の質が大きく変わる。

インペインティング(部分修正)
画像の特定領域だけを選択して、その部分のみを編集または再生成する技術。マスクやブラシで編集範囲を指定することで
画像全体を変更せずに部分的な修正が可能になる。画像生成AIにおける重要な編集機能の一つである。

参照画像(リファレンス画像)
AI画像生成時に、生成したいイメージの見本として提供する画像のこと。家具や建材の実物写真を参照画像として使用することで、AIは同様のスタイルや質感を持つ要素を生成に反映させることができる。

【参考リンク】

ArchiX(アーキエックス)公式サイト(外部)
建築特化型オールインワンAIプラットフォーム。スケッチからパース生成、パースから動画制作、AI議事録、チャット機能を提供し、建築業界の業務効率化を支援する統合AIサービス。

アクチュアル株式会社 コーポレートサイト(外部)
京都を拠点とする企業で、バーチャルとリアルが共存する世界の実現を目指す。360度映像を活用した展覧会・アートのアーカイブ事業や建築特化型AIを開発。

【参考記事】

建築特化型オールインワンAIプラットフォームArchiX(アーキエックス)「AI画像編集」機能をリリース(外部)
アクチュアル株式会社が2025年10月17日に発表した公式プレスリリース。建築特化型AIプラットフォームArchiXに「AI画像編集」機能を追加し、10月末にリリースすることを発表。

【編集部後記】

建築やインテリアに関わる方にとって、「イメージを正確に伝える」ことの難しさは常に課題だったのではないでしょうか。AIが部分的な修正に対応できるようになることで、提案の現場はどう変わっていくのでしょう。

もしかすると、住宅リフォームを検討している方にとっても、完成イメージをより具体的に共有できる時代が来るかもしれません。AIツールが「道具」として定着していく過程で、皆さんの仕事や暮らしにどんな変化が訪れそうか、ぜひ想像してみてください。私たちも、テクノロジーと人の創造性がどう共存していくのか、引き続き注目していきたいと思います。

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Ami
テクノロジーは、もっと私たちの感性に寄り添えるはず。デザイナーとしての経験を活かし、テクノロジーが「美」と「暮らし」をどう豊かにデザインしていくのか、未来のシナリオを描きます。 2児の母として、家族の時間を豊かにするスマートホーム技術に注目する傍ら、実家の美容室のDXを考えるのが密かな楽しみ。読者の皆さんの毎日が、お気に入りのガジェットやサービスで、もっと心ときめくものになるような情報を届けたいです。もちろんMac派!

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