Last Updated on 2024-07-26 13:40 by admin
CrowdStrikeが2024年7月20日に発生したシステム障害の後、同社を装ったフィッシング攻撃が急増している。
攻撃者は、CrowdStrikeからのアップデート通知を装ったメールを送信し、ユーザーにマルウェアをダウンロードさせようとしている。
この攻撃は、CrowdStrikeの顧客を主なターゲットとしており、高度なセキュリティ意識を持つ組織が狙われている。
CrowdStrikeの副社長兼CTO、マイケル・センコフは、この攻撃を「機会主義的な」ものと表現し、注意を呼びかけている。
攻撃者は、CrowdStrikeのロゴや正規のドメイン名に似せた偽のドメインを使用するなど、巧妙な手口を用いている。
CrowdStrikeは顧客に対し、同社からの正規の通信は常に認証されたドメインから送られることを強調し、不審なメールに注意するよう警告している。
この事例は、大規模な障害や事件の後に便乗型の攻撃が増加する傾向を示しており、セキュリティ専門家はこのようなパターンに警戒するよう呼びかけている。
from:CrowdStrike ‘Updates’ Deliver Malware & More as Attacks Snowball
【編集部解説】
今回のニュースについて、詳しく解説させていただきます。
CrowdStrikeという大手セキュリティ企業が先週システム障害を起こしたことをご存知でしょうか。この出来事を悪用した新たなサイバー攻撃が急増しているのです。
攻撃者たちは、CrowdStrikeを装って「アップデート」を装ったメールを送り、ユーザーにマルウェアをダウンロードさせようとしています。これは非常に巧妙な手口で、多くの企業や個人が被害に遭う可能性があります。
このような攻撃が成功してしまうと、企業の機密情報が盗まれたり、システムが乗っ取られたりする恐れがあります。特に、CrowdStrikeのような大手セキュリティ企業の顧客は、高度なセキュリティ意識を持つ組織が多いため、攻撃者にとって魅力的なターゲットとなっています。
この事例は、サイバーセキュリティの世界で「機会主義的な攻撃」と呼ばれるものの典型です。大きなニュースや出来事があると、それに便乗した攻撃が増加するのです。今回の場合、CrowdStrikeの障害という出来事を利用しているわけです。
企業の皆さまは、このような攻撃に備えて、従業員への教育を徹底することが重要です。不審なメールやリンクに注意を払い、確認なしにダウンロードや実行をしないよう指導してください。
また、多層防御の考え方も重要です。一つのセキュリティ製品に頼るのではなく、複数の対策を組み合わせることで、攻撃の成功確率を下げることができます。
このニュースは、デジタル社会の脆弱性を改めて浮き彫りにしています。技術が進歩すればするほど、それを悪用しようとする者も現れます。私たちは常に警戒を怠らず、セキュリティ意識を高く保つ必要があるのです。
最後に、このような攻撃は今後も進化し続けると予想されます。AI技術の発展により、より精巧な偽装が可能になるかもしれません。私たち一人一人が、デジタルリテラシーを高め、常に最新の脅威に関する情報をキャッチアップしていくことが求められています。
【用語解説】
- CrowdStrike:
クラウドベースのサイバーセキュリティ企業で、エンドポイント保護や脅威インテリジェンスサービスを提供しています。銀行のセキュリティシステムに例えると、CrowdStrikeは24時間体制で銀行の全ての出入り口を監視し、怪しい人物や行動を即座に検知・対応する高度なセキュリティチームのようなものです。 - マルウェア:
悪意のあるソフトウェアの総称です。コンピューターウイルスやスパイウェアなどが含まれます。日常生活に例えると、マルウェアは家に侵入して物を盗んだり、家族の行動を密かに監視したりする泥棒のようなものです。 - フィッシング攻撃:
偽のメールやウェブサイトを使って個人情報を盗む詐欺の手法です。釣り(フィッシング)に例えると、攻撃者が偽の餌(偽メール)を使って、魚(ユーザー)を釣り上げようとする行為に似ています。
【参考リンク】
- CrowdStrike公式サイト(外部)
説明:CrowdStrike社の公式ウェブサイト。製品やサービスの詳細情報、最新のセキュリティ脅威に関する情報を提供しています。 - 情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター(外部)
説明:日本のIT社会の発展を支える団体。サイバーセキュリティに関する最新情報や対策方法を日本語で提供しています。