Last Updated on 2024-08-31 15:28 by admin
はじめに
前回の記事でperplexityを入れ始めてから、google検索と同時にperplexityで調べる…。みたいな感じで、すっかり手放せなくなっています。
そんなperplexityについて、本記事では、成り立ちから機能、そして将来の展望まで、包括的に解説します。
ちなみに本記事は筆者がperplexityに質問をなげかけ、深堀りした後にその内容をまとめるという方法で執筆しています。やるなぁ、perplexity。
perplexityの成り立ち
perplexity AIは2022年8月に設立された比較的新しい企業です。創業者は以下の4名です:
- Aravind Srinivas (CEO)
- Denis Yarats
- Johnny Ho
- Andy Konwinski
CEOのAravind Srinivasは、インド出身のコンピューターサイエンス研究者で、カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得しています。
OpenAI、DeepMind、Googleでのインターンや研究者としての経験を持ち、AI分野での豊富な知識と経験を有しています。創業者たちは当初、自然言語をSQLに変換するアルゴリズムの開発に注力していましたが、後に従来の検索インデックスと大規模言語モデルを組み合わせた新しい検索アプローチの開発に方向転換しました。
「perplexity」という名称は、複雑な質問にも正確で有益な回答を提供するという同社の使命を反映しています。同社は「全ての人々に世界の知識を提供する」というミッションを掲げており、創業者のSrinivasは、インドでの経験から知識の重要性を認識し、このビジョンを形成しました。
2024年時点で、Perplexityは総額1億6,500万ドルの資金を調達しており、企業価値は10億ドルを超えています。Jeff Bezos、Nvidia、Databricksなど著名な投資家や企業からの出資を受けています。
Perplexityの技術
Perplexityは、複数のAI技術を組み合わせて使用しています:
- OpenAIのGPTモデル
- MicrosoftのBing検索エンジン
- MetaのLlamaモデル
これらの技術を統合することで、従来のGoogle検索とは異なる、より直感的で効率的な情報アクセスを実現しています。
Perplexityの特徴と機能
1. 対話型インターフェース
Perplexityの最大の特徴は、チャットボット形式のインターフェースです。ユーザーは自然な文章で質問を入力し、AIが会話形式で回答を提供します。
これにより、従来の検索エンジンのようにキーワードを並べる必要がなく、より直感的な情報検索が可能になっています。
2. リアルタイムの情報提供
Perplexityは、インターネット上の最新情報をリアルタイムで取得し、回答に反映させることができます。これにより、常に最新のデータに基づいた正確な情報を提供することが可能になっています。
3. 信頼性の高い情報源の明示
Perplexityは回答の出典元を明記することで、ユーザーが情報の信頼性を確認しやすくしています。また、必要に応じて元の情報源にアクセスし、より詳細な情報を得ることもできます。
4. 多様なAIモデルの活用
Perplexityは、GPT-4やClaude 3.5 Sonnetなど、複数の高性能なAIモデルを使用しています。ユーザーは目的に応じて最適なモデルを選択することができ、より高度で精度の高い回答を得ることができます。
5. 自動要約機能
Perplexityは、検索結果を自動的に要約する機能を備えています。これにより、ユーザーは膨大な情報の中から必要なポイントを素早く把握することができます。
6. 多言語対応
Perplexityは日本語を含む多言語に対応しており、グローバルな利用が可能です。ただし、現時点では日本語の精度にはまだ改善の余地があるようです。
Perplexityの利用方法
Perplexityは、スマートフォンアプリ(iOS/Android)とWebブラウザの両方で利用可能です。ユーザーは同じアカウントを使用して、デバイス間でシームレスに利用することができます。

プロフィール設定
デスクトップ版では、詳細なプロフィール設定が可能です。ユーザーの興味や専門分野などを入力することで、AIがより適切な回答を提供できるようになります。これにより、パーソナライズされた検索体験が実現します。
コレクション機能
Perplexityには「コレクション」という機能があり、ユーザーは関連する検索結果や会話をグループ化して整理することができます。
コレクションは他のユーザーと共有することも可能で、協力して情報を収集・整理することができます。コレクションを作成する際には、「AIプロンプト」という機能を使用して、そのコレクション内のすべてのスレッドに適用される指示をAIに与えることができます。
例えば、「すべての回答に学術的な出典を含める」や「回答は常に簡潔で、箇条書きを使用する」などの指示を設定できます。
Pages機能
最近追加された「Pages」機能は、ユーザーの検索結果や会話スレッドを、共有可能な美しくフォーマットされたウェブページに変換する機能です。
AIが自動的に情報を収集し、構造化された記事を生成します。ユーザーはセクションの追加、編集、画像の挿入などでカスタマイズが可能です。この機能は、教育者が包括的な学習ガイドを作成したり、研究者が詳細なレポートを作成したりする際に特に有用です。
ただし、作成されたPageは公開され、誰でも閲覧可能になるため、機密情報の取り扱いには注意が必要です。
Perplexityの今後の展望
Perplexityは急速に成長を続けており、今後さらなる進化が期待されています。公開されている情報をもとに、以下のような展開が予想されています:
- エンタープライズ向けサービスの拡大
- Perplexity Enterprise Proの提供開始
- 企業向けのセキュリティと管理機能の強化
- グローバル展開の加速
- ソフトバンク(日本)、Deutsche Telekom(ドイツ)、SK Telecom(韓国)などの通信大手との提携
- 各国・地域での利用者拡大を目指す
- AI技術の進化
- より高度な大規模言語モデル(LLM)の統合
- マルチモーダルAI(テキスト、画像、音声など複数の形式に対応)の開発
- 検索機能の拡張
- エージェント型の検索機能の開発(例:予約や予定管理などのタスク実行)
- 教育分野での活用(例:インタラクティブな学習体験の提供)
- ユーザーエクスペリエンスの向上
- パーソナライズされた検索結果の提供
- より直感的なインターフェースの開発
- 広告モデルの検討
- 広告の導入(ただし、従来の検索エンジンとは異なるアプローチを検討)
- ユーザー体験を損なわない広告表示方法の模索
- データの信頼性と透明性の向上
- 情報源の明示と検証機能の強化
- フェイクニュース対策の強化
- 新規資金調達による成長加速
- 6270万ドルの追加資金調達を実施
- 企業価値10億ドル超のユニコーン企業へ成長
- 他社との差別化
- Google、OpenAIなどとの競争を見据えた独自の強みの確立
- 製品の差別化による市場シェアの確保
- 新たな用途の開拓
- ビジネス分析、市場調査、製品開発など、企業活動全般でのAI活用促進
Perplexityが私たちの生活に与える影響
Perplexityのような対話形式のAI検索エンジンが普及し、より身近な存在になることで、私たちの生活は以下のような点で大きく変化する可能性があります:
- 情報アクセスの革新
従来の検索エンジンとは異なり、自然な会話を通じて必要な情報を即座に得られるようになります。複雑な質問や文脈を理解し、より的確な回答を提供することで、情報収集の効率が飛躍的に向上するでしょう。 - パーソナライズされた体験
AIが個人の嗜好や過去の検索履歴を学習し、より個人化された情報やレコメンデーションを提供します。これにより、ユーザーは自分に最適化された情報やサービスを簡単に見つけられるようになります。 - 日常生活のサポート強化
スケジュール管理、買い物リストの作成、レシピの提案など、日常的なタスクをAIが支援します。音声インターフェースと組み合わせることで、手を使わずに様々な作業を行えるようになり、生活の利便性が大幅に向上します。 - 教育と学習の変革
学習者は、AIと対話しながら理解を深めたり、疑問点を即座に解決したりできるようになります。個々の学習ペースや理解度に合わせた説明を受けられるため、より効果的な学習が可能になります。 - ヘルスケアの進化
健康相談や症状チェックなど、初期段階の医療サポートをAIが提供できるようになります。24時間対応可能なため、緊急時の初期判断や日常的な健康管理に役立ちます。 - 言語バリアの解消
リアルタイム翻訳機能と組み合わせることで、言語の壁を越えたコミュニケーションが可能になります。海外旅行や国際ビジネスでの活用が期待されます。 - エンターテインメントの個人化
映画や音楽、書籍などのレコメンデーションがより精緻化され、個人の好みに合ったコンテンツを簡単に見つけられるようになります。 - ビジネス効率の向上
会議の要約作成、データ分析、市場調査など、ビジネスにおける様々なタスクをAIがサポートします。これにより、従業員はより創造的な業務に集中できるようになります。
課題と展望
Perplexityのような対話型AI検索エンジンは、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めています。しかし、その一方で以下のような課題も考慮する必要があります:
- プライバシーとデータセキュリティの懸念
- AIへの過度の依存による人間の能力低下
- 情報の正確性と信頼性の確保
- 技術格差による社会的不平等の拡大
これらの課題に適切に対処しながら、Perplexityの持つ可能性を最大限に活かしていくことが、より豊かで効率的な社会の実現につながるでしょう。
結論
Perplexity AIは、従来の検索エンジンの概念を覆す革新的なサービスとして注目を集めています。自然言語処理技術と大規模言語モデルを活用した対話型インターフェースは、ユーザーにとってより直感的で効率的な情報アクセスを可能にします。今後、AIの進化とともにPerplexityの機能もさらに拡張されていくことが予想されます。エンタープライズ向けサービスの拡大、グローバル展開の加速、新たな用途の開拓など、様々な方向性での成長が期待されています。Perplexityのような対話型AI検索エンジンは、私たちの情報アクセスや意思決定プロセスを大きく変革し、日常生活やビジネスの効率化、知識の深化に貢献する可能性を秘めています。しかし、その一方でプライバシーやデータセキュリティ、AIへの依存など、新たな課題も浮上しています。これらの課題に適切に対
処しながら、Perplexityの持つ可能性を最大限に活かしていくことが、より豊かで効率的な社会の実現につながるでしょう。
Perplexityの利用における注意点
Perplexityを効果的に活用するためには、以下の点に注意する必要があります:
- 情報の検証
Perplexityは多くの情報源から回答を生成しますが、常に100%正確とは限りません。重要な情報については、複数の信頼できる情報源で確認することが推奨されます。 - プライバシーの保護
個人情報や機密情報を含む質問は避けるべきです。Perplexityの回答は公開される可能性があるため、慎重に扱う必要があります。 - AIの限界の理解
Perplexityは非常に高度なAIですが、人間の判断や専門知識に完全に取って代わることはできません。特に重要な決定や専門的な判断が必要な場合は、人間の専門家に相談することが重要です。 - 適切な使用
Perplexityを過度に利用することで、自身の思考力や問題解決能力が低下する可能性があります。AIを補助ツールとして活用し、自身の能力を伸ばすことを心がけましょう。
Perplexityの活用事例
Perplexityは様々な分野で活用されています。以下にいくつかの具体的な活用事例を紹介します:
- 学術研究
研究者は、Perplexityを使用して最新の研究論文や学術情報を素早く収集し、要約することができます。また、研究テーマのアイデア出しや、関連分野の探索にも役立ちます。 - ビジネス戦略
企業は、Perplexityを活用して市場動向の分析や競合他社の情報収集を効率的に行うことができます。また、新製品開発のアイデア出しや、ビジネスモデルの検討にも利用できます。 - 教育
教育者は、Perplexityを使用して授業計画の立案や教材の作成を支援することができます。学生も、難しい概念の理解や宿題のサポートとしてPerplexityを活用できます。 - ジャーナリズム
ジャーナリストは、Perplexityを使用してニュースの背景情報を素早く収集したり、複雑な話題について多角的な視点を得たりすることができます。 - 医療
医療従事者は、Perplexityを活用して最新の医学研究や治療法について情報を収集し、患者のケアに役立てることができます。ただし、診断や治療の決定には必ず専門医の判断が必要です。 - 旅行計画
旅行者は、Perplexityを使用して目的地の情報収集、旅程の立案、現地の文化や習慣の理解などに活用できます。 - クリエイティブ作業
作家やアーティストは、Perplexityを使ってアイデアの発想や背景リサーチを行うことができます。また、創作過程での疑問点を解決するのにも役立ちます。
Perplexityの未来
Perplexityは急速に進化を続けており、今後さらに多くの機能や改善が期待されています。以下に、Perplexityの未来に関する予測と期待を挙げます:
- マルチモーダル対応
将来的には、テキストだけでなく、画像や音声、動画などのマルチモーダルな入力に対応することが期待されます。これにより、より豊かで多様な情報検索が可能になるでしょう。 - より高度な個人化
ユーザーの過去の検索履歴や興味関心をより深く理解し、個々のユーザーに最適化された情報提供が可能になると予想されます。 - リアルタイムデータ分析
ニュースやソーシャルメディアのリアルタイムデータを分析し、最新のトレンドや出来事についてより迅速に情報を提供できるようになるかもしれません。 - 言語間翻訳の向上
より自然で正確な言語間翻訳が可能になり、言語の壁を越えた情報アクセスがさらに容易になると期待されます。 - AIエージェントとの連携
将来的には、Perplexityが他のAIエージェントと連携し、より複雑なタスクや問題解決を支援できるようになるかもしれません。 - 拡張現実(AR)との統合
ARデバイスとの統合により、現実世界の情報とPerplexityの検索結果をシームレスに組み合わせた新しい情報体験が可能になるかもしれません。 - 倫理的AI開発の推進
AIの発展に伴い、Perplexityはより高度な倫理的判断や公平性を持つように進化することが期待されます。
結びに
Perplexity AIは、情報アクセスの未来を切り開く革新的なツールとして注目を集めています。その直感的なインターフェース、リアルタイムの情報提供能力、そして高度な個人化機能は、私たちの日常生活やビジネスの在り方を大きく変える可能性を秘めています。
しかし、このような強力なAIツールを活用する際には、その限界と課題についても十分に理解し、適切に対処していく必要があります。プライバシーの保護、情報の信頼性の確保、AIへの過度の依存の回避など、私たち一人一人が責任を持って取り組むべき課題も多くあります。
Perplexityのような対話型AI検索エンジンは、私たちの知識へのアクセスを劇的に改善し、新たな発見や創造の機会を提供してくれるでしょう。しかし、最終的には人間の判断力や創造性、批判的思考能力が重要であることを忘れてはいけません。Perplexityを賢く活用し、AIと人間の能力を最適に組み合わせることで、私たちはより豊かで効率的な社会を実現することができるでしょう。
技術の進化とともに、私たち自身も成長し、AIとの共生の在り方を模索していく必要があります。Perplexity AIは、私たちの情報アクセスの革命の始まりに過ぎません。これからの発展と進化に、大いに期待が持てるのではないでしょうか。
次回はちょっと面白い使い方の実例をお見せできればと思っております。乞うご期待。
【参考リンク】
Perplexity AI(外部)
【関連記事】