株式会社HashPortは、2025年10月31日に「EXPO2025デジタルウォレット」を「HashPort Wallet」にリニューアルしました。
新サービスはステーブルコインとマルチチェーンに対応します。EXPO2025デジタルウォレットは大阪・関西万博の会期中に約100万ダウンロードを達成し、iOSのファイナンスアプリランキングで1位となりました。
既存ユーザーは従来のログイン方法で継続利用でき、新規ユーザーも簡単なステップで利用を開始できます。リニューアル記念として「JPYC1億円あげちゃうキャンペーン」を同日より実施します。
対象期間は2025年10月31日から11月30日までで、期間中にHashPort Walletへログインしキャンペーン参加証明書SBTを取得した者全員に200円相当のステーブルコイン(JPYC)を配布します。配布総額は最大1億円で、申し込みが50万人に達した時点で終了します。
報酬はアプリ内に10営業日以内で付与される予定です。並行してWeb3クイズキャンペーンも開催しており、毎週100万円分のステーバルコインを山分けします。第1週と第2週の報酬はUSDC、第3週と第4週はJPYCで付与されます。

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PRTIMES株式会社HashPort、「EXPO2025デジタルウォレット」を「HashPort Wallet」にリニューアル 「JPYC1億円あげちゃうキャンペーン」を実施
【編集部解説】
HashPortが「EXPO2025デジタルウォレット」から「HashPort Wallet」へリニューアルした背景には、大阪・関西万博という限定的なイベント向けのツールから、より広く社会的インフラとして機能するプラットフォームへの転換という意図があります。
万博期間中に約100万ダウンロードを達成し、iOSのファイナンスランキングで1位に到達したという実績は、日本国内でもデジタル決済インフラへのニーズの高さを示す重要な指標となります。
このタイミングでのマルチチェーン対応とステーバルコイン統合は、偶然ではなく戦略的な判断です。2025年10月27日に日本初の円建てステーブルコイン「JPYC」が正式発行されたというタイミングは、HashPortにとって絶好の機会となりました。元々キャンペーンではUSDCの配布を予定していた同社が、JPYCの発行開始後わずか4日で報酬内容を変更し、さらに対象ユーザーの範囲を拡大したという迅速な対応は、日本のデジタル資産市場の成熟度が高まっていることを表象しています。
ここで注目すべき点は、1億円というキャンペーン総額です。既存ユーザーと新規ユーザーの双方を対象とし、50万人までの申し込みを上限としているため、最大で50万人が200円相当のJPYCを受け取ることになります。これは単なるマーケティング施策を超えて、日本円ステーバルコインを「試す」第一歩を広く国民に提供しようとする社会的な意思を示すものです。
技術的な観点から見ると、SBT(ソウルバウンドトークン)の活用は重要な意味を持っています。SBTは譲渡不可能なNFTで、キャンペーン参加者の証明として使用されていますが、これにより個人の実績や実行結果がブロックチェーン上に恒久的に記録されます。つまり、ユーザーは「HashPort Walletを試した」という行為そのものを、改ざん不可能な形で証拠として保持することができるのです。この仕組みは、Web3への参加度合いを目に見える形にする効果があり、将来的なクレジットスコアやコミュニティ内の信用度の構築に役立つ可能性を秘めています。
マルチチェーン対応も見逃せない要素です。リニューアル初期段階ではAptos、Ethereum、Polygon、Baseの4つのブロックチェーンに対応し、2025年内にはBitcoin、BNB Chain、Avalanche、Arbitrumの追加が予定されています。特にPolygonやBaseなどはガス代が低廉であり、少額の決済や送金がより現実的になるということです。さらに注目すべきは、指定された暗号資産をステーバルコインを利用してDeFiサービスで取引する際、ネットワーク手数料(ガス代)が不要になる「ガスレス機能」も実装予定という点です。この機能により、ユーザーの取引コストは劇的に削減されることになります。
懸念される点としては、キャンペーン終了後の継続利用率があります。1億円のインセンティブで500万円相当のJPYCが配布されるわけですが、この施策がユーザーの継続的なエンゲージメントにつながるかは不確かです。また、SBTを活用したキャンペーン参加証明は、プライバシー面での議論も想定されます。ブロックチェーン上に記録されたSBTは原則として削除や隠蔽ができず、個人の行動履歴が永続的に可視化されることになるという側面も同時に存在するのです。
規制面でも転機を迎えています。JPYCの発行開始によって、日本国内でのステーブルコイン利用環境が大きく変わる可能性があります。金融庁の認可を受けた資金移動業者による円建てステーバルコインの登場は、これまで海外のUSDCなどに依存していた環境から、国内で完結したデジタル資産流通へのシフトを意味しています。将来的には、この基盤の上に新たなDeFi(分散型金融)サービスやB2B決済ネットワークが構築される可能性も高いでしょう。
「未来を知りたい、触りたい、関わりたい」という欲求に対して、HashPort WalletのリニューアルとJPYCキャンペーンは、その欲求を直接的に満たすための具体的なアクション機会を提供しています。デジタル資産やブロックチェーンの世界が、もはや投機や仮想的な体験の領域ではなく、実生活で試し、検証できる段階に入ったことを示すニュースなのです。
【用語解説】
ステーブルコイン
仮想通貨の一種で、ドルや円などの法定通貨を資産として担保し、その価値に連動するよう設計された電子決済手段です。価格変動が少ないことが特徴で、決済や送金の手段として利用されます。
JPYC(ジェーピーワイシー)
2025年10月27日に日本で初めて発行された円建てステーバルコインです。日本円と1対1で交換可能で、資金移動業者であるJPYC社によって発行されています。
マルチチェーン
複数のブロックチェーン上で対応・利用可能な状態を示します。HashPort Walletはリニューアル初期段階ではAptos、Ethereum、Polygon、Baseに対応し、2025年内にBitcoin、BNB Chain、Avalanche、Arbitrumの追加が予定されています。ユーザーは自分のニーズに応じて異なるブロックチェーンを選択できます。
SBT(ソウルバウンドトークン)
譲渡不可能なNFT(非代替可能トークン)です。ブロックチェーン上に個人の実績や実行結果が恒久的に記録され、改ざんが困難な特性を持ちます。キャンペーン参加証明や資格証明などに用いられます。
ガス代
ブロックチェーン上で取引や契約を実行する際に支払う手数料です。ネットワークの混雑度合いによって変動します。PolygonやBaseなどのチェーンはガス代が低廉であることが特徴です。
ガスレス機能
指定された暗号資産をステーバルコインを利用してDeFiサービスで取引する際に、ネットワーク手数料(ガス代)を支払わずに取引できる機能のことです。ユーザーの取引コストを大幅に削減する技術です。
Web3
ブロックチェーン技術を基盤とした、分散型の次世代インターネット環境を指します。仲介者を必要としない直接的な取引やサービス提供が可能になることを目指しています。
【参考リンク】
HashPort公式サイト(外部)
ブロックチェーンの社会実装を支援するソリューションプロバイダー。国内金融機関向けサービス提供企業の公式ページです。
HashPort Wallet(外部)
EXPO2025デジタルウォレットから生まれ変わった新ウォレットアプリ。マルチチェーン対応とガスレス機能が特徴です。
JPYC公式サイト(外部)
日本円建てステーバルコイン「JPYC」を発行するJPYC社の公式ページ。発行プラットフォームなどの情報が掲載されています。
HashPort Walletキャンペーンページ(外部)
「JPYC1億円あげちゃうキャンペーン」の詳細情報。対象期間や応募方法が記載されています。
【参考記事】
EXPOウォレット後継『HashPort Wallet』、JPYC対応で本日誕生(外部)
HashPort Walletのリニューアルとマルチチェーン対応、ガスレス機能の詳細を速報で報じた記事です。
『HashPort Wallet』へ刷新──JPYC・マルチチェーン対応やガスレス機能も搭載(外部)
2025年8月時点でのプロジェクト計画を報じた記事。対応予定チェーンの詳細が記載されています。
日本初の円建てステーバルコイン「JPYC」がもたらす決済革命(外部)
JPYC発行の背景とその影響を詳述。海外送金手数料引き下げなどのメリットが強調されています。
ステーバルコインJPYC初日、3時間で1500万円発行(外部)
JPYC発行初日の実績データを記事化。市場の反応と成長ポテンシャルが明確になります。
SBT(Soulbound Token)とは?NFTとの違い・仕組み・メリット(外部)
SBTの技術的仕組みと実装メリットをNFTと比較して解説した記事です。
万博ウォレットがリニューアル、JPYC対応開始&総額1億円(外部)
HashPort Walletのリニューアルとキャンペーンについてのプレスリリース記事です。
【編集部後記】
HashPort Walletのリニューアルと日本円ステーブルコイン「JPYC」の登場は、デジタル決済の新たな段階に私たち全員が立ち会っている証です。1億円のキャンペーンは単なるプロモーション以上の意味を持っています。それは、Web3の世界を「試す」チャンスを、これまでハードルを感じていた方々にも開く扉ではないでしょうか。
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