Last Updated on 2024-03-12 21:10 by 荒木 啓介
2021年から2023年にかけて、Kasperskyのチームはロシア、中国、中東を拠点とする企業のWebアプリケーションのセキュリティ評価プロジェクトを行い、Java、NodeJS、PHPなどのプログラミング言語の使用状況を分析した。この分析はブラックボックス、グレーボックス、ホワイトボックスのアプローチを用いて比較された。
Kasperskyは、アプリケーションの数と影響の深刻さに基づいて、2021年から2023年にかけて最も広範で深刻なWebアプリケーションの脆弱性のTop 10を特定し、それぞれの脆弱性に対する具体的な対策方法を提案した。
分析結果から、ホワイトボックスアプローチがより多くの深刻な脆弱性を発見できることが示されたが、ブラックボックスとグレーボックスのアプローチも攻撃者の視点からアプリケーションを見ることができるため、重要な脆弱性を特定するのに役立つことがわかった。
本研究で特定された脆弱性の対策により、機密データの保護やアプリケーションの侵害を回避することが可能である。また、セキュアなソフトウェア開発ライフサイクル(SSDLC)の実施や定期的なアプリケーションセキュリティ評価の実施などの対策方法が提案された。
【ニュース解説】
2021年から2023年にかけて、Kasperskyのチームは、ロシア、中国、中東を拠点とする企業のWebアプリケーションのセキュリティ評価プロジェクトを実施しました。このプロジェクトでは、Java、NodeJS、PHPなどのプログラミング言語を使用して開発されたWebアプリケーションが対象となり、ブラックボックス、グレーボックス、ホワイトボックスのアプローチを用いて脆弱性分析が行われました。
この分析を通じて、2021年から2023年にかけて最も広範囲にわたり、深刻な影響を及ぼす可能性があるWebアプリケーションの脆弱性トップ10が特定されました。これらの脆弱性には、アクセス制御の不備、機密データの露出、サーバサイドリクエストフォージェリ(SSRF)、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)などが含まれています。
ホワイトボックスアプローチでは、より多くの深刻な脆弱性を発見できることが示されましたが、ブラックボックスとグレーボックスのアプローチも有効であることがわかりました。これらのアプローチは、攻撃者の視点からアプリケーションを見ることができ、最優先で対処すべき脆弱性を特定するのに役立ちます。
この研究で特定された脆弱性に対する対策を講じることで、機密データの保護やWebアプリケーションの侵害を回避することが可能になります。また、セキュアなソフトウェア開発ライフサイクル(SSDLC)の実施や、定期的なアプリケーションセキュリティ評価の実施など、さまざまな対策方法が提案されています。
この研究の結果は、Webアプリケーションのセキュリティを強化し、攻撃者による悪用を防ぐための重要な指針を提供します。Webアプリケーションの開発者や運用者は、これらの脆弱性に対する理解を深め、適切な対策を講じることが求められます。また、定期的なセキュリティ評価を通じて、新たに発見される脆弱性に迅速に対応することが、Webアプリケーションの安全性を維持する上で不可欠です。
“Webアプリ脆弱性トップ10発表、Kasperskyが対策を提案” への1件のコメント
このKasperskyの研究は、Webアプリケーションのセキュリティに関して非常に重要な情報を提供していますね。特に、我々のような小規模なビジネスでも、インターネットを通じて商品やサービスを提供している以上、Webアプリケーションの脆弱性には常に警戒しておかなければならないと思います。アクセス制御の不備や機密データの露出などの脆弱性は、顧客の信頼を失う大きなリスクにつながるからです。
特に興味深かったのは、ホワイトボックス、ブラックボックス、グレーボックスのアプローチの比較です。ホワイトボックスアプローチがより多くの深刻な脆弱性を発見できる点は理解できますが、攻撃者の視点からアプリケーションを見るブラックボックスやグレーボックスのアプローチも有効であることを知り、セキュリティ対策の多角的なアプローチの重要性を改めて感じました。
セキュアなソフトウェア開発ライフサイクル(SSDLC)の実施や定期的なアプリケーションセキュリティ評価は、私たちのような小さなビジネスにとっても取り組むべき課題だと思います。技術が進歩し、ビジネスがインターネットにますます依存する中