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Google、インコグニート追跡訴訟で数十億データ削除に同意

Last Updated on 2024-04-02 17:12 by 荒木 啓介

Googleは、Chromeブラウザの「インコグニートモード」でユーザーのブラウジング活動を無断で追跡したとされる集団訴訟を解決するため、数十億に及ぶデータレコードを削除することに同意した。この訴訟は2020年に提起され、Googleがインコグニートモードを使用している間もユーザーのインターネットブラウジング活動を追跡していると主張していた。2023年12月に、Googleが訴訟を解決することに同意したことが明らかになり、現在、米国地区裁判所のYvonne Gonzalez Rogers判事による承認が待たれている。

訴訟の和解により、Googleはプライベートブラウジングデータを特定可能にする情報、例えばIPアドレスの削除、ユーザーエージェント文字列の一般化、特定のウェブサイト内の詳細なURLの削除(ドメインレベルの部分のみを保持)などのデータ修正プロセスを実施する必要がある。さらに、Chromeのインストール状態を反映するとされるX-Client-Dataヘッダーフィールドも削除することが求められている。

和解条件の一環として、GoogleはChromeのインコグニートモード内でのサードパーティークッキーを5年間ブロックすること、また、年末までにデフォルトでトラッキングクッキーを排除する計画を発表している。Googleは2024年1月にインコグニートモードの表現を更新し、「訪問したウェブサイトやそのサービスによるデータの収集方法は変わらない」と明確にした。

この訴訟は、Google社員からインコグニートブラウジングモードを「混乱させるもの」「事実上の嘘」「専門倫理と基本的な正直さの問題」と評する発言を引き出し、インコグニートモードを「プライベート」と呼ぶべきではないと主張する内部のやり取りを明らかにした。

また、GoogleはGmailで一日に5,000件以上のメッセージを送信するメール送信者が同社のメール送信者ガイドラインを満たしていない場合に自動的にブロックするようになったと発表した。新しい要件では、大量送信者が購読解除オプションを提供し、購読解除リクエストに2日以内に対応することが義務付けられている。

【ニュース解説】

Googleが、Chromeブラウザの「インコグニートモード」でユーザーのブラウジング活動を無断で追跡していたとされる集団訴訟に対し、数十億に及ぶデータレコードを削除することで和解に至ったというニュースは、プライバシー保護とデータセキュリティの分野における重要な転換点を示しています。

この和解は、ユーザーが「プライベート」または「インコグニート」モードでのブラウジングが完全に匿名であると誤解していたことに対する、Googleの対応として見ることができます。和解により、Googleはプライベートブラウジングデータを特定可能にする情報の削除、サードパーティークッキーのブロック、トラッキングクッキーの排除など、ユーザーのプライバシー保護を強化する一連の措置を講じることになりました。

この措置は、ユーザーのプライバシー保護に対するGoogleの姿勢を改めて示すものであり、インターネット上でのプライバシー保護の重要性が高まっている現代において、他のテクノロジー企業にも影響を与える可能性があります。特に、IPアドレスの削除やユーザーエージェント文字列の一般化など、個人を特定可能なデータの取り扱いに関する基準が厳格化されることが予想されます。

しかし、この和解がインターネットのプライバシー保護における万能の解決策であるわけではありません。ユーザーが訪れるウェブサイトやそのサービスによるデータ収集の方法は変わらないため、ユーザー自身がプライバシー設定やデータ保護に関する知識を持ち、意識的な行動を取ることが引き続き重要です。

また、この和解は、プライバシー保護に関する法律や規制の強化に向けた動きを加速させる可能性があります。企業がユーザーのデータをどのように収集、利用、保護するかについて、より透明性が求められるようになるでしょう。長期的には、ユーザーのプライバシーを尊重し、保護するための技術的、法的な枠組みの発展に寄与することが期待されます。

このニュースは、プライバシー保護とデータセキュリティの分野における新たな標準を設定する一歩となり、将来的にはより安全で信頼性の高いインターネット環境の実現に貢献する可能性があります。ユーザー、企業、規制当局が協力し、プライバシーとセキュリティのバランスを取りながら、技術の進歩を支えることが重要です。

from Google to Delete Billions of Browsing Records in 'Incognito Mode' Privacy Lawsuit Settlement.


“Google、インコグニート追跡訴訟で数十億データ削除に同意” への1件のコメント

  1. 伊藤 明のアバター
    伊藤 明

    この件については、正直に言って驚きましたね。私たちがインコグニートモードなどを使う時は、何らかの形でプライバシーを守りたいと思ってのことですから。特に私のような小さな電気店を経営している者にとって、顧客情報の扱いは非常に重要です。自分たちが厳重に管理している顧客情報が、ネット上で意図せず漏れているというのは考えただけでも恐ろしいです。

    しかし、Googleがこの問題に対して責任を持ち、数十億に及ぶデータレコードの削除に同意したことは評価できます。プライバシー保護に関して、大手企業が積極的に行動することは、私たち一般ユーザーにとっても心強いですね。特に、IPアドレスの削除やユーザーエージェント文字列の一般化など、個人を特定可能な情報の取り扱いが厳格化されるというのは、今後のインターネットの利用において大きな安心材料となります。

    ただ、この和解が全ての問題を解決するわけではないという点には、十分注意が必要です。インターネット上でのデータ収集は依然として行われており、私たちユーザー自身もプライバシー設定やデータ保護に関する知識を持ち、意識的な行動を取る必要があります。特に小規模な事業者としては、顧客情報の保護に

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