Last Updated on 2025-07-16 18:18 by 清水巧
北京の技術フォーラムで、中国の企業が独自開発した脳-コンピューターインターフェース(BCI)を公開し、それを用いてサルが思考だけでロボットアームを動かし、イチゴをつかむ様子が披露された。このシステムは、NeuCyber NeuroTechと中国脳研究所によって開発され、脳に埋め込まれた柔軟な電極フィラメントを使用している。
中国は、BCI技術において米国に追いつきつつあり、特に非侵襲的BCIの分野で進展を遂げている。しかし、中国は医療用途だけでなく、一般人向けの認知機能強化を目的とした非侵襲的BCIの研究にも関心を持っている。2024年2月に中国共産党が発表した倫理指針では、健康な人々の認知機能強化を中国のBCI研究の目標として掲げている。
中国のこの方針は、軍事と商業の両方でBCI技術の広範な採用が予想されることから、米国の国家安全保障に影響を与える可能性があると指摘されている。中国は、脳障害の診断と治療だけでなく、人間の知能の模倣や人間と機械の接続を目的とした自国の脳プロジェクトを2016年に開始している。
【編集者追記】非侵襲的BCIとは?
非侵襲的BCI:脳に電極を埋め込まずに脳波などを計測するBCIのことを指します。
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【ニュース解説】
北京で開催された技術フォーラムにおいて、中国の企業が独自に開発した脳-コンピューターインターフェース(BCI)技術を公開しました。この技術を用いて、サルが思考だけでロボットアームを動かし、イチゴをつかむ様子が披露されたことは、中国がBCI技術の分野で大きな進歩を遂げていることを示しています。このシステムは、脳に埋め込まれた柔軟な電極フィラメントを使用しており、NeuCyber NeuroTechと中国脳研究所によって開発されました。
BCI技術は、脳の信号を収集・分析し、外部デバイス(例えばロボットアームやキーボード、スマートフォンなど)を直接制御することを可能にします。中国は、特に非侵襲的BCIの分野で進展を遂げており、医療用途だけでなく、一般人向けの認知機能強化を目的とした研究にも関心を持っています。2024年2月に中国共産党が発表した倫理指針では、健康な人々の認知機能強化を中国のBCI研究の目標として掲げています。
この方針は、軍事と商業の両方でBCI技術の広範な採用が予想されることから、米国の国家安全保障に影響を与える可能性があると指摘されています。中国は、脳障害の診断と治療だけでなく、人間の知能の模倣や人間と機械の接続を目的とした自国の脳プロジェクトを2016年に開始しています。
この技術の進展は、医療、教育、軍事など多岐にわたる分野での応用が期待されますが、同時に倫理的な問題やプライバシーの懸念、人間の自律性への影響など、様々な課題を提起しています。特に、認知機能の強化や人間と機械の融合を目指す研究は、人間の本質や社会の構造に大きな変化をもたらす可能性があります。
また、中国がBCI技術を軍事利用に向けて積極的に研究していることは、将来の戦争の様相を変える可能性があり、国際的な安全保障環境に新たな課題を投げかけています。このような技術の発展は、国際社会における新たな規制や合意形成の必要性をも示唆しており、今後の動向が注目されます。
from China Has a Controversial Plan for Brain-Computer Interfaces.