Last Updated on 2024-07-07 05:19 by 門倉 朋宏
イギリスは、IoTデバイスにおけるデフォルトパスワードの使用を禁止する世界初の国となった。この措置は、製品のセキュリティと通信インフラ法2022(PSTI)によって導入され、製造業者に対して新たな最低限のセキュリティ基準を設けるとともに、製品がセキュリティ更新を受けられる期間について消費者に対して透明性を持って開示することを要求している。カリフォルニア州は、2018年にデフォルトパスワードの使用を禁止した最初の管轄区域であり、その法律は2020年に施行された。このような措置は、IoTデバイスの製造業者が地域ごとに異なる製品を作ることなく、デフォルトパスワードを排除した製品を世界中で販売することにつながり、全体としてのセキュリティ向上に寄与する。
【ニュース解説】
イギリスが、IoT(モノのインターネット)デバイスにおけるデフォルトパスワードの使用を禁止する世界で初めての国になりました。この新しい規制は、製品のセキュリティと通信インフラ法2022(PSTI)に基づいて導入され、製造業者に対して新たなセキュリティ基準の設定と、製品のセキュリティ更新が提供される期間について消費者に明確に伝えることを義務付けています。
この措置の背景には、IoTデバイスがサイバー攻撃の対象となりやすいという問題があります。デフォルトパスワードは推測しやすく、攻撃者による不正アクセスのリスクを高めます。イギリスのこの法律は、デバイスの初期設定でユニークなパスワードを設定することを要求し、その結果、消費者のセキュリティを向上させることを目指しています。
カリフォルニア州が2018年に同様の法律を導入し、2020年に施行されたことを考えると、この動きは新しいものではありませんが、国としてはイギリスが初めてです。このような規制は、製造業者が地域ごとに異なる製品を作ることなく、より安全なデバイスを世界中で販売する動機付けになります。
この法律の導入により、消費者はより安全なIoTデバイスを手に入れることができるようになります。また、製造業者はセキュリティを重視した製品設計を行うことが求められ、セキュリティ更新の提供期間についても透明性を持って消費者に情報を提供する必要があります。
しかし、このような規制にはいくつかの課題も存在します。例えば、製造業者が新しいセキュリティ基準に適応するためには、コストがかかる可能性があります。また、セキュリティ更新の提供期間が終了した後のデバイスの取り扱いについても、消費者と製造業者の間で認識の齟齬が生じる可能性があります。
長期的に見れば、この法律はIoTデバイスのセキュリティを向上させ、サイバー攻撃による被害を減少させることに貢献するでしょう。また、他の国々や地域でも同様の規制が導入される可能性があり、グローバルなセキュリティ基準の向上につながるかもしれません。このような動きは、テクノロジーとセキュリティの進化において重要な一歩となるでしょう。