Last Updated on 2024-05-11 09:40 by TaTsu
Perplexityは、AIファーストの知識エンジンを提供する企業であり、最近、グローバル展開の計画を発表し、主要な通信事業者との提携を進めている。この度、音声AIのリーダーであるSoundHoundとのパートナーシップを結び、Perplexityのオンライン大規模言語モデル(LLM)がSoundHoundのChat AI音声アシスタントを強化することになった。この提携により、SoundHoundの顧客体験が向上し、Perplexityはより広い市場へのアクセスを得ることが期待される。
SoundHoundは10年以上前に設立され、音声認識と音声AIソリューションを様々な業界に提供している。消費者向けには、Siriのような音声アシスタントであるChat AIを開発し、ユーザーが簡単に回答を得られるようにしている。このアシスタントは特定の知識ドメインと統合され、天気、スポーツ、株価、フライト状況、レストランなどのリアルタイムデータを取り込み、それを静的なLLMと組み合わせて包括的な回答を生成する。
PerplexityのオンラインLLMをChat AIに組み込むことで、リアルタイムデータと静的LLMを結びつけることによって可能だったことを超え、あらゆる種類の時事問題に対する回答が可能になる。例えば、「今週のガソリン価格は先週と比べてどうか?」という質問に対して、ガソリン価格の正確なライブ情報と先週の価格との包括的なAIスタイルの比較を含む回答が提供される。
Perplexityのモデルを使用することで、SoundHoundのChat AIは、GoogleアシスタントやAlexaなどの競合他社を凌ぐ、最強の生成AI駆動型音声アシスタントの一つになる見込みである。この技術は既に、Stellantisと共に12カ国以上、18言語で自動車に搭載されている。SoundHoundとPerplexityの提携は、PerplexityのLLM駆動型検索機能の新たな強力な流通チャネルの追加を意味し、これまでにSoftBank、Deutsche Telekom、SK Telecom、ElevenLabs、Copy AI、Arc、Nothingと独立して提携してきた。
【編集者追記】用語解説
- Perplexity: 人工知能スタートアップ企業。大規模言語モデルを活用した検索エンジンサービスを提供しています。
- SoundHound: 音声認識・音声AIの分野で先駆的な企業。自動車メーカーなどに音声アシスタントを提供しています。
- LLM(Large Language Model): 大規模な言語モデル。大量のテキストデータから自然言語の法則性を学習します
【参考リンク】
Chat AI(外部)
Perplexity(外部)
SoundHound オフィシャルサイト(外部)
【関連記事】
Perplexityに関する記事をinnovaTopiaでもっと読む
【ニュース解説】
PerplexityとSoundHoundの最新のパートナーシップは、AI技術を活用して音声アシスタントの機能を強化することを目的としています。Perplexityは、AIファーストの知識エンジンを提供する企業であり、オンラインの大規模言語モデル(LLM)を用いて、最新かつ関連性の高い情報を提供することができます。一方、SoundHoundは音声認識と音声AIソリューションを提供する企業で、Chat AIという音声アシスタントを開発しています。このパートナーシップにより、PerplexityのオンラインLLMがSoundHoundのChat AIに統合され、ユーザーがより複雑な質問に対しても、リアルタイムで正確な回答を得られるようになります。
この技術の統合によって、音声アシスタントは従来の静的な情報源だけでなく、インターネット上の最新情報を活用して回答を生成することが可能になります。これにより、ユーザーは「今週のガソリン価格は先週と比べてどうか?」のような時事性の高い質問に対しても、即座に正確な情報を得ることができるようになります。さらに、この技術は自動車などの様々なデバイスにも応用されており、音声による操作の利便性と精度を大幅に向上させています。
この提携のポジティブな側面は、ユーザーエクスペリエンスの向上にあります。より自然で人間らしい会話が可能になり、ユーザーはより簡単に、そして迅速に情報を得ることができるようになります。また、この技術は教育、医療、エンターテイメントなど、さまざまな分野での応用が期待されています。
一方で、この技術の進展は、プライバシーとセキュリティに関する潜在的なリスクも伴います。リアルタイムでの情報収集と処理は、ユーザーのデータ保護に関して新たな課題を提起します。また、AIによる情報の解釈や回答の生成には、偏見や誤情報のリスクも存在します。これらの問題に対処するためには、技術の開発と同時に、倫理的なガイドラインの策定やプライバシー保護のための厳格な規制が必要になるでしょう。
将来的には、この技術の発展がさらに進むことで、AIと人間のインタラクションはより密接なものになり、私たちの生活を根本から変える可能性があります。しかし、そのためには、技術的な進歩だけでなく、社会的、倫理的な課題に対する継続的な議論と対策が求められます。
from Perplexity’s latest partnership set to power SoundHound’s voice assistant.