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太陽コロナの謎解明へ、NASA探査機が新発見!

Last Updated on 2024-05-12 19:41 by 荒木 啓介

太陽の表面温度は6,000度セルシウスであるが、その大気の外層であるコロナは100万度セルシウスにも達する。この温度差の原因については長年解明されていなかったが、NASAのパーカー太陽探査機が太陽に接近し、コロナの高温を引き起こしている小規模な磁気活動を観測した。

パーカー太陽探査機は、太陽のコロナ加熱メカニズムを解明するために打ち上げられ、太陽風中の磁気活動を観測している。この探査機の観測結果は、磁気活動がコロナを加熱していることを示し、これまでの仮説を支持している。

さらに、パーカー太陽探査機の成果により、太陽風中の磁気活動がコロナの加熱に関与していることが明らかになり、太陽の表面の磁気活動がコロナの加熱メカニズムに関与していることが示唆されている。パーカー太陽探査機は今後も太陽にさらに接近し、未解明の太陽の謎に挑戦する予定である。

【ニュース解説】

太陽の表面温度は約6,000度セルシウスですが、その外層であるコロナはなぜか100万度セルシウスにも達します。この長年の謎に対して、NASAのパーカー太陽探査機が新たな光を当てました。2018年に打ち上げられたこの探査機は、太陽に史上最も近づき、コロナの高温を引き起こしている可能性がある小規模な磁気活動を観測しました。

太陽の磁気活動は、太陽表面の下約200,000キロメートルに位置する太陽ダイナモによって駆動されます。このダイナモは、太陽活動の周期を約11年ごとに変動させ、太陽が活発な時期には、太陽フレアや黒点、噴出が増加します。太陽表面では、磁場が超大規模な対流細胞の境界に集まり、これらの細胞の縁で磁場が集中し、強化されます。その結果、磁場は太陽プラズマと相互作用しながら、短期間のジェットやナノフレアを発生させます。

パーカー太陽探査機の観測により、これらの小規模な磁気活動がコロナを加熱していることが示されました。特に、探査機は太陽風中の「スイッチバック」と呼ばれるS字型の構造を発見しました。これは、閉じた磁気ループが開いた磁気ループと衝突し、接続する際に発生するもので、この過程でエネルギーとプラズマが解放され、コロナを加熱し、太陽風の粒子を加速します。

この発見は、太陽のコロナがなぜ表面よりもはるかに高温であるのかという長年の疑問に対する答えを提供します。また、太陽の磁気活動が太陽系全体に及ぼす影響を理解する上で重要な役割を果たします。太陽風は、地球を含む太陽系の惑星を宇宙線から保護するヘリオスフィアを形成します。このため、太陽の磁気活動の理解は、地球上の生命にとっても重要です。

しかし、この研究はまだ完全な解答を提供しているわけではありません。パーカー太陽探査機は今後も太陽に接近し、さらなるデータを収集することで、太陽の謎を解明するための鍵を握ると期待されています。このような研究は、太陽物理学だけでなく、宇宙天気予報の精度向上にも貢献する可能性があります。太陽からの放出物が地球の技術システムに与える影響をより正確に予測することで、衛星通信や電力網などの保護に役立つからです。

この探査機の成果は、太陽の理解を深めるだけでなく、将来の太陽系探査や宇宙天気予報の改善に向けた一歩となるでしょう。

from NASA’s Quest to Touch the Sun.


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