Last Updated on 2024-06-24 08:46 by TaTsu
Anthropicは2024年6月20日、最新のAIモデル「Claude 3.5 Sonnet」をリリースしました。このモデルは、インテリジェンス、速度、コストのバランスを大幅に向上させ、業界の新たな基準を打ち立てています。さらに注目すべきは、同日に発表された新機能「Artifacts」です。
この記事では前半にClaudeとArtifactsの能力と特徴について解説し、後半では、実際に「Artifacts」を触って何ができるのかを実際に確かめています。
Claude 3.5 Sonnetの主な特徴
Claude 3.5 Sonnetは、先代モデルからさまざまな面で進化を遂げています:
- 高度な理解力と生成能力: 複雑な質問や指示に対して、より正確で洞察力のある回答を提供します。文脈理解力が向上し、ニュアンスの捉え方も繊細になりました。
- マルチモーダル対応の強化: テキストだけでなく、画像や図表の解析能力が大幅に向上。視覚情報と言語情報を統合して理解し、それに基づいた回答や分析が可能になりました。
- 言語能力の拡張: 多言語対応がさらに強化され、より自然で流暢な翻訳や多言語でのコミュニケーションが可能になりました。
- ethical AI: バイアスの軽減や公平性の向上に重点が置かれ、より倫理的で信頼性の高いAIとしての地位を確立しています。
- 処理速度の向上: 大規模なデータセットの分析や複雑なタスクの実行速度が大幅に改善されました。
Artifactsとは何か?
Artifactsは、Claude 3.5 Sonnetに導入された革新的な機能で、AIとのインタラクションに新たな次元をもたらします:
- 動的コンテンツ生成: Artifactsを通じて、Claudeは単なるテキスト回答を超えた、リッチで対話的なコンテンツを生成できるようになりました。
- 視覚化とインタラクティブ要素: グラフ、チャート、ダイアグラム、さらにはインタラクティブなUIコンポーネントまで、様々な形式のコンテンツをその場で作成できます。
- コード生成と実行: プログラミングコードを生成し、その場で実行結果を表示することが可能になりました。これにより、プログラミングの学習や複雑なアルゴリズムの理解が格段に容易になります。
- ドキュメント作成: 構造化されたドキュメントや報告書を、適切なフォーマットとスタイリングを含めて生成できます。
- カスタマイズ可能性: 生成されたArtifactsは、ユーザーが後から編集や修正を加えることができ、より柔軟な活用が可能です。
Artifactsの実践的活用例
それでは、Artifactsを使って実際にどのようなことができるのか、いくつかの例を通じて見ていきましょう。
Artifactsの機能を有効にする
Artifactsを使ったことがなければプロンプト入力欄の下に「Try it out」と促す画面が出ていますが、でていなければ右上のメニューから「Feature Preview」を選択し、Artifactsをオンにします。

ArtifactsのスイッチをOnにします

マインドマップによる情報整理
プロンプト欄に「chatGPTを中心にAI関連の情報をマインドマップで表してください」と入力した結果がこちらです。

足りない項目などについては追加していくことができます。mermaid形式とSVG形式で保存ができます。

このマインドマップは「Claude3.5とartifactsについてmindmapを使って解説してください」と入力して生成したマインドマップをMarmaid Chartに貼り付けて画像でDLしたものです。
プレゼンテーションスライドの作成
プロンプト欄に「Claude 3.5のArtifactsでできること という内容のスライドをかっこよく作ってください」と入力してみました。

スライドショーはReactかHTML+CSS+JavaScriptで記述してもらえます
※指定をしないとReactになります。
HTML+CSS+JavaScriptで記述したコードがこちら
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>Claude 3.5のArtifacts機能</title>
<style>
body, html {
margin: 0;
padding: 0;
font-family: Arial, sans-serif;
height: 100%;
overflow: hidden;
}
.presentation {
height: 100vh;
display: flex;
flex-direction: column;
justify-content: center;
align-items: center;
background: linear-gradient(135deg, #4a90e2, #7b68ee);
color: white;
text-align: center;
position: relative;
}
.slide {
padding: 20px;
max-width: 800px;
}
h1 {
font-size: 3em;
margin-bottom: 0.5em;
}
h2 {
font-size: 2em;
margin-bottom: 0.5em;
}
p {
font-size: 1.5em;
margin-bottom: 1em;
}
.example {
font-style: italic;
font-size: 1.2em;
}
.nav-button {
position: absolute;
top: 50%;
transform: translateY(-50%);
background: rgba(255, 255, 255, 0.3);
border: none;
color: white;
font-size: 2em;
padding: 10px 15px;
cursor: pointer;
border-radius: 50%;
}
.nav-button:hover {
background: rgba(255, 255, 255, 0.5);
}
#prevBtn {
left: 20px;
}
#nextBtn {
right: 20px;
}
.indicators {
position: absolute;
bottom: 20px;
left: 50%;
transform: translateX(-50%);
}
.indicator {
display: inline-block;
width: 10px;
height: 10px;
background: rgba(255, 255, 255, 0.5);
border-radius: 50%;
margin: 0 5px;
}
.indicator.active {
background: white;
}
</style>
</head>
<body>
<div class="presentation">
<div class="slide" id="slide-content"></div>
<button id="prevBtn" class="nav-button">❮</button>
<button id="nextBtn" class="nav-button">❯</button>
<div class="indicators" id="indicators"></div>
</div>
<script>
const slides = [
{
title: "Claude 3.5のArtifacts",
subtitle: "AIアシスタントの新たな可能性",
content: "高度な情報生成と視覚化を実現"
},
{
title: "コード生成",
content: "複雑なアルゴリズムや完全なプログラムを生成",
example: "Python, JavaScript, Rust など多言語対応"
},
{
title: "データ可視化",
content: "グラフ、チャート、ダイアグラムを作成",
example: "Mermaid.jsを使用した図表生成"
},
{
title: "ドキュメント作成",
content: "レポート、記事、マニュアルなどを構造化",
example: "Markdown形式での文書生成"
},
{
title: "インタラクティブUI",
content: "動的なWebコンポーネントを設計",
example: "Reactを用いたUIプロトタイピング"
},
{
title: "ベクターグラフィックス",
content: "SVGフォーマットでの画像生成",
example: "ロゴ、アイコン、図解の作成"
}
];
let currentSlide = 0;
function updateSlide() {
const slide = slides[currentSlide];
let html = `<h1>${slide.title}</h1>`;
if (slide.subtitle) {
html += `<h2>${slide.subtitle}</h2>`;
}
html += `<p>${slide.content}</p>`;
if (slide.example) {
html += `<p class="example">${slide.example}</p>`;
}
document.getElementById('slide-content').innerHTML = html;
// Update indicators
const indicators = document.getElementById('indicators');
indicators.innerHTML = slides.map((_, index) =>
`<span class="indicator ${index === currentSlide ? 'active' : ''}"></span>`
).join('');
}
document.getElementById('prevBtn').addEventListener('click', () => {
currentSlide = (currentSlide - 1 + slides.length) % slides.length;
updateSlide();
});
document.getElementById('nextBtn').addEventListener('click', () => {
currentSlide = (currentSlide + 1) % slides.length;
updateSlide();
});
// Initialize
updateSlide();
</script>
</body>
</html>
このコードをhtmlとして保存するだけでスライドショーが見られます。
まとめ
Claude 3.5 SonnetとArtifacts機能は、AIとのインタラクションに新たな次元をもたらしました。テキストベースの対話から、リッチでインタラクティブなコンテンツ生成まで、その応用範囲は大きく広がっています。
マインドマップによる情報整理、インタラクティブなプレゼンテーションスライドの作成、コードの生成と説明など、Artifactsを活用することで、複雑な概念の理解や情報の伝達がより直感的かつ効果的になります。
この技術の発展により、教育、ビジネス分析、ソフトウェア開発など、様々な分野でAIの活用がさらに進むことが期待されます。Claude 3.5 SonnetとArtifactsは、人間とAIのコラボレーションの新たな可能性を切り開く、画期的なツールと言えるでしょう。
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