Last Updated on 2024-07-12 12:07 by 荒木 啓介
Zendeskの最高技術責任者(CTO)であるAdrian McDermottは、顧客体験(CX)がAIによって大きく変わると見ている。Zendeskは近年、そのインテリジェントCXプラットフォームにAIを積極的に統合してきた。VB Transform 2024イベントのパネルで、AIによるCX変革について議論した。Zendeskが新たに発表した「AIによるCXの未来」レポートでは、1,300人以上のCXリーダーを対象に調査を行い、AIに対する強い関心が示された。調査によると、CXリーダーの81%がAIがCXを改善すると信じ、86%が今後3年以内にCXが根本的に変わると考えている。また、77%がAIの影響により従来のCXが根本的に異なる業界ダイナミクスに変わると思っている。
McDermottは、数年以内に全ての顧客対応が何らかの形でAIを含むようになるとの確信を示している。AIがCXに広く導入されても、人間の役割は重要であり続けると強調している。Zendeskは、AI駆動の顧客サービスにおいて人間のタッチを維持するため、エストニアに本拠を置く品質保証会社Klausを今年2月に買収し、4月にポートフォリオに統合した。この買収により、Zendeskは人間とボットの対話の質を監視できるようになった。
McDermottは、顧客サービスにおけるAIの実装が時間を要するプロセスであることを指摘している。AI実装の段階として、人間が介在するステージ、コンシェルジュ実装、そして自動化の拡大という3つの段階を挙げている。多くの企業はリスクが低い最初の段階から始め、技術への信頼が高まるにつれて自動化を進めていく。McDermottは、来年には業界のAIに対する快適さが大きく変わると予想しているが、一夜にしての変革を期待すべきではないとも警告している。
【ニュース解説】
Zendeskの最高技術責任者(CTO)、Adrian McDermottは、顧客体験(Customer Experience, CX)が人工知能(AI)の導入によって大きく変化すると見ています。Zendeskは、顧客サービスを提供するプラットフォームにAIを積極的に統合しており、この動きは業界全体に広がると予想されています。最近発表された「AIによるCXの未来」レポートでは、CXのリーダーたちがAIの可能性に大きな期待を寄せていることが明らかにされました。このレポートによると、CXリーダーの81%がAIがCXを改善すると信じており、86%が今後3年以内にCXが根本的に変わると考えています。さらに、77%はAIの影響により従来のCXが大きく変わると予想しています。
McDermottは、数年以内にZendeskの顧客の全ての対応が何らかの形でAIを含むようになると確信しています。しかし、AIがCXに広く導入されるとしても、人間の役割は依然として重要であると強調しています。人間のタッチを維持するために、Zendeskは品質保証会社Klausを買収し、人間とボットの対話の質を監視するツールを導入しました。
AIの実装は段階的なプロセスであり、最初は人間が介在するステージから始まり、次にAIが初期の対話や簡単な問い合わせを処理するコンシェルジュ実装へと進み、最終的には自動化の拡大へと移行します。McDermottは、来年にはAIに対する業界の快適さが大きく変わると予想していますが、変革は一夜にしてではなく、時間をかけて進むものだと警告しています。
この動きは、顧客サービスの質を向上させると同時に、企業が顧客とのやり取りをより効率的に行えるようにする可能性を秘めています。しかし、AIの導入が進むにつれて、人間の介入が必要な複雑な問題への対応や、AIによるサービスの質を維持するための新たな課題も出てくるでしょう。また、顧客データのプライバシー保護やセキュリティの確保など、AIを取り巻く規制や倫理的な問題にも注意が必要です。長期的には、AIがCXをどのように変え、企業と顧客の関係をどのように進化させるかが注目されます。
from Zendesk CTO sees all Customer Experience (CX) embracing AI, eventually.