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Microsoft Edge、Windows 10サポートを2028年まで延長 – ESU不要で無料アップデート継続

Microsoft Edge、Windows 10サポートを2028年まで延長 - ESU不要で無料アップデート継続 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-08-13 10:41 by 荒木 啓介

MicrosoftがWindows 10におけるMicrosoft Edgeブラウザのサポートを2028年10月まで延長すると発表しました。Windows 10は2025年10月にサポートが終了する予定ですが、Edgeは追加で3年間のアップデートを受けられます。

同社は拡張セキュリティアップデート(ESU)プログラムを通じてWindows 10のセキュリティアップデートを2028年10月まで提供しますが、ESUライセンスの費用は約61ドルです。しかし、EdgeとMicrosoft WebView2 Runtimeのアップデートは追加費用なしで提供されるため、ESUライセンスを購入しなくてもEdgeのアップデートは受けられます。

サポートを受けるには最新のベータバージョンまたは最新の3つの安定版ビルドのMicrosoft Edgeを実行する必要があります。EdgeのCopilotなどの新機能を含む大型アップデートが含まれるかは不明ですが、継続的な公式サポートは提供されます。StatCounterによるとEdgeは市場で3番目に人気のあるWebブラウザです。

From:文献リンクMicrosoft Extends Free Support For Edge On Windows 10 To 2028

【編集部解説】

MicrosoftのWindows 10におけるEdgeサポート継続の発表は、多くのユーザーにとって安心材料となりますが、この決定にはより深い戦略的意図があります。

まず、数字に関する正確性を確認した結果、BGRの記事で言及されているESUライセンスの費用61ドルは企業・組織向けの初年度価格です。個人向けの価格は30ドル(1年間)となっており、さらにMicrosoftアカウントでのPC設定同期により1年間無料で利用できるオプションも提供されています。

技術的な観点から見ると、EdgeとWebView2 Runtimeの継続サポートは、単なるブラウザの延命措置ではありません。WebView2は多くのアプリケーションで使用されている重要なコンポーネントであり、これが2028年まで更新され続けることで、Windows 10上での多くのソフトウェアが安定して動作し続けることが保証されます。

市場戦略としての意義も見逃せません。2025年7月時点の最新データによると、Windows 11の市場シェアが53.39%、Windows 10が42.99%となっており、Windows 11がWindows 10を上回る転換点に達しています。ただし、Windows 10のユーザー数は依然として4割以上の大きな規模を維持しており、今回の延長サポートの重要性は変わりません。

他の主要ブラウザとの比較という観点では、Google Chrome、Firefox、Operaなども2026年以降もWindows 10サポートを継続する予定です。しかし、Edgeが2028年まで明確にコミットしている点は、競合他社との差別化要因となっています。

一方で、潜在的なリスクと制限も理解しておく必要があります。Microsoft Officeは2026年8月以降、Windows 10では新機能の提供を停止し、セキュリティ更新のみに限定されます。これは、Edgeのサポート継続があっても、Windows 10エコシステム全体が段階的に縮小していくことを意味します。

セキュリティ面での考慮点として、ESUに加入しないWindows 10システムは、OS本体の脆弱性に対する保護がなくなります。Edgeブラウザ自体は安全に保たれても、システム全体のセキュリティリスクは増大することになります。

サポート対象の詳細についても重要な点があります。Microsoft Edge のサポートを受けるためには、Windows 10 22H2上で最新のベータバージョンまたは最新の3つの安定版ビルドを実行している必要があります。これは公式のライフサイクルポリシーに明記されている重要な条件です。

長期的な視点では、この措置は明らかに移行猶予期間の提供という位置づけです。2028年という期限は、Microsoftが企業向けESUプログラムの終了時期と合わせており、これが真の「Windows 10終了年」となることが予想されます。

innovaTopiaの読者の皆様にとって重要なのは、この3年間の延長期間を戦略的移行期間として捉えることです。単なる延命ではなく、Windows 11への移行計画や新しいデバイスの導入タイミングを検討するための貴重な時間として活用していただくことをお勧めします。

【用語解説】

拡張セキュリティアップデート(ESU:Extended Security Updates)
Microsoft が提供する、サポート終了後のオペレーティングシステムに対して有償で提供されるセキュリティ更新プログラム。新機能や非セキュリティ修正は含まれず、脆弱性対応のみを行う。企業向けは年61ドルから、個人向けは年30ドルで提供される。

Microsoft WebView2 Runtime
アプリケーション内にウェブコンテンツ(HTML、CSS、JavaScript)を埋め込むためのMicrosoft Edgeベースのコンポーネント。Chromiumエンジンを使用し、OfficeアドインやPWA(Progressive Web Apps)、新しいCopilotアプリで活用される。

StatCounter
ウェブトラフィック解析を行うアイルランドの企業で、世界中のウェブサイトアクセス統計を分析してオペレーティングシステムやブラウザの市場シェアを毎月公開している。

Chromium
Googleが主導するオープンソースのウェブブラウザプロジェクト。Google Chrome、Microsoft Edge、Operaなど多くのブラウザがこの基盤を使用している。

Windows 10 22H2
2022年10月にリリースされたWindows 10の最新かつ最終メジャーアップデート版。Microsoft Edgeの延長サポートを受けるために必要な最小バージョン。

【参考リンク】

Microsoft Edge でサポートされているオペレーティング システム(外部)
Microsoft Edge が対応するオペレーティングシステムの最新情報と、Windows 10 での 2028 年までのサポート継続について記載された公式文書。

Microsoft Edge WebView2(外部)
WebView2 Runtime の概要、ダウンロード方法、開発者向けの技術仕様について詳しく解説した Microsoft 公式の開発者向けページ。

Windows 10の拡張セキュリティ Updates (ESU) プログラム(外部)
ESU プログラムの詳細、企業向け61ドルおよび個人向け30ドルの価格設定、対象となるサービス内容について説明した Microsoft 公式文書。

StatCounter Global Stats – Desktop Windows Version Market Share(外部)
世界各地域でのWindowsバージョン別市場シェアの最新統計データを月次で更新している統計サイト。2025年7月時点でWindows 11が53.39%、Windows 10が42.99%と発表。

【参考動画】

【参考記事】

Extended Security Updates (ESU) program for Windows 10(外部)
Microsoft が公式に発表した ESU プログラムの詳細。企業向け61ドル(初年度)、個人向け30ドル(年間)という正確な価格情報と、Windows 10での Edge サポート継続について説明している公式文書。

Windows 10 Consumer Extended Security Updates (ESU) program(外部)
個人向けESUプログラムの詳細を説明したMicrosoft公式サポート文書。PC設定同期による無料オプション、Microsoft Rewards ポイント利用、30ドル購入の3つの選択肢について記載。

Windows 11’s global market share finally exceeds that of Windows 10(外部)
GIGAZINE による2025年7月時点での最新Windows市場シェア分析記事。Windows 11が52%、Windows 10が44.59%という統計データと、日本市場での移行動向について詳しく報告している。

【編集部後記】

Windows 10のサポート終了まで残り約2ヶ月という状況で、今回のEdge延長サポートのニュースはいかがでしたでしょうか。私たちinnovaTopiaも、多くの読者の皆さんと同じように、この移行期間をどう乗り切るか悩んでいるところです。

皆さんは現在どのような移行戦略をお考えでしょうか。Windows 11への早期移行を検討されているのか、それとも今回の延長期間を活用してじっくりと計画を立てられるのか、ぜひお聞かせください。また、ESUプログラムの個人向け30ドルという価格設定や、PC設定同期による無料オプションについて、どのように感じられたでしょうか。

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TaTsu
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