Apple、iPhone 18を2027年春まで延期へ 折りたたみiPhone投入で年2回リリース戦略に転換

[更新]2025年8月19日18:39

 - innovaTopia - (イノベトピア)

韓国ETNewsの報告によると、Appleは基本モデルのiPhone 18の発売を2026年9月から2027年春まで延期する計画だ。これは2007年のiPhone登場以来初めて、年次秋季発表から標準モデルを除外することを意味する。

2026年秋には高級モデルのみが発売され、iPhone 18 Air、iPhone 18 Pro、iPhone 18 Pro Max、そして初の折りたたみiPhoneの4機種となる。基本のiPhone 18とエントリーレベルのiPhone 18eは約6ヶ月後の2027年3月にリリースされる予定だ。

この戦略変更により、iPhoneのリリースサイクルは2段階に分割される。下半期にプレミアムデバイス、上半期に低価格モデルという構造だ。AppleはすでにiPhone 16eでこの新方針を開始しており、SEラインに代わってeシリーズを導入している。

2027年までに、Appleは年間6つの新しいiPhoneを発売し、過去世代の継続販売を含めると最大10モデルが市場に並ぶ可能性がある。

From:  - innovaTopia - (イノベトピア)No iPhone 18 in 2026, Another Report Claims

【編集部解説】

今回の発表で最も注目すべきは、Appleが従来の年1回の発売サイクルから年2回のリリースサイクルに移行する点です。これは単なる発売時期の変更ではなく、同社の根本的な製品戦略の転換を意味します。従来は9月の発表イベントに売上を集中させていましたが、新戦略では春と秋に需要を分散し、年間を通じて安定した売上を確保することが狙いです。

この戦略変更の背景には、中国市場での激しい競争があります。中国のスマートフォンメーカーが上半期に新製品を投入する傾向が強まる中、Appleも春季リリースでマーケティング上の空白期間を埋める必要に迫られました。特に、Huawei、Xiaomi、Oppoといった競合他社が折りたたみデバイスで先行している状況で、Appleの対応が急務となっています。

折りたたみiPhoneの投入は技術的な挑戦でもあります。7.8インチの内部ディスプレイと5.5インチの外部スクリーンを搭載し、チタン合金ヒンジを採用してクリース(折り目)を目立たなくする設計が予想されています。価格は約2,000ドルと、現在のiPhone Pro Maxを大幅に上回る高価格帯での展開となります。

ポジティブな側面として、消費者により多くの選択肢が提供され、年間を通じて新製品への期待感が維持されます。また、折りたたみデバイス市場でのAppleの参入により、この分野の技術革新が加速する可能性があります。JPMorganは、Apple製折りたたみiPhoneの売上が2028年までに4,500万台に達すると予測しており、市場拡大への期待も高まっています。

一方で潜在的なリスクも存在します。製品ラインナップの複雑化により、消費者の混乱や購入判断の遅延が生じる可能性があります。また、年間最大10モデルという製品展開は、在庫管理やサプライチェーンの負担増加を招く恐れもあります。さらに、高価格帯に特化した秋季ラインナップは、一般消費者層の離反を招く可能性も否定できません。

長期的な視点では、この戦略がスマートフォン業界全体のリリースサイクルに影響を与える可能性があります。他のメーカーも追随する形でリリースタイミングを分散させることで、市場全体がより複雑な競争環境に移行するかもしれません。特に、5G、AI機能、折りたたみ技術といった次世代技術の導入タイミングが、各メーカーの戦略に大きく左右される時代に入っています。

【用語解説】

eシリーズ:AppleがSEラインに代わって導入したエントリーレベルiPhone。前年のメイン番号を使用し、iPhone 16e、iPhone 17e、iPhone 18eといった命名規則を採用する。

折りたたみiPhone(foldable iPhone):内側に7.8インチディスプレイ、外側に5.5インチディスプレイを搭載予定の折りたたみ式スマートフォン。チタン合金ヒンジを採用し、約2,000ドルの価格帯で2026年9月発売予定。

iPhone 18 Air:iPhone 18シリーズの薄型モデル。従来のPlusモデルに代わる位置づけで、軽量化とデザイン性を重視した高級機種として展開される。

Ming-Chi Kuo:台湾のTF International SecuritiesのアナリストでApple製品の予測精度で知られる。Appleサプライチェーンの詳細な分析により、製品発表前の情報を高確率で的中させる。

【参考リンク】

Apple(日本)(外部)Apple社の日本公式サイト。iPhoneシリーズをはじめとする最新製品情報、仕様、価格を掲載。

【参考動画】

【参考記事】

Apple analyst Ming-Chi Kuo predicts bi-annual iPhone release schedule(外部)Ming-Chi Kuoが予測するAppleの半年ごとリリース戦略の詳細と背景分析

Apple iPhone Fold – Full phone specifications(外部)Apple製折りたたみiPhoneの予想仕様を詳細にまとめたGSMArenaの技術情報

No iPhone 18 in 2026, Another Report Claims(外部)MacRumorsによる今回のニュースの詳細分析とAppleの新リリース戦略解説

【編集部後記】

Appleの年2回リリース戦略は、消費者にとって朗報でしょうか、それとも選択の複雑化を招くのでしょうか。春の低価格モデルと秋の高級モデルという棲み分けは理にかなっているものの、購入タイミングの判断がより困難になりそうです。特に折りたたみiPhoneの約2,000ドルという価格設定は、一般ユーザーにとって現実的な選択肢となるのか疑問が残ります。一方で、年間最大10モデルという製品展開は、多様なニーズに応える反面、Appleらしいシンプルさを失う可能性もあります。この戦略変更が他社にどのような影響を与え、スマートフォン市場全体がどう変化するのか、今後の動向に注目が集まります。

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乗杉 海
新しいものが大好きなゲーマー系ライターです!

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