HTCがVive Eagleでスマートグラス参戦、日本語含む13言語翻訳・12MP ultrawide撮影対応

 - innovaTopia - (イノベトピア)

HTCが新型スマートグラス「VIVE Eagle」を発表した。重量は48.8グラム(Mサイズ、レンズ込み)で、ディスプレイは搭載されていない。AI音声アシスタントとメディア撮影機能に特化している。カメラは12MP(3,024 × 4,032)でHDR写真撮影が可能、動画は3MP(1,512 × 2,016)で30FPS撮影となる。32GBのストレージを搭載し、約3,000枚の写真または3分以内の動画50本を保存できる。「Vive AI」と呼ばれるチャットボットを内蔵し、オフラインで基本操作が可能である。

OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiとの連携も対応する。13言語以上のリアルタイムテキスト翻訳機能を備える。バッテリーは音楽再生で最大4.5時間持続し、10分間で0-50%の急速充電が可能である。ZEISS UV400レンズを装備し、処方箋レンズにも対応する。9月1日に台湾で先行発売され、価格はNT$15,600(520ドル)である。

From: - innovaTopia - (イノベトピア) HTC Enters the Smartglasses Race with VIVE Eagle

【編集部解説】

HTC Vive Eagleの登場は、スマートグラス市場において重要な転換点を示しています。これまでMeta Ray-Banが一強状態だった分野に、VR業界の老舗であるHTCが本格参戦することで、競争がより激化することが予想されます。

注目すべきは、HTCがこの製品を既存のViveブランドに統合した点です。従来ViveはVRヘッドセット専用のブランドでしたが、この統合により同社がXR技術の収束を見据えた長期戦略を描いていることがうかがえます。

技術面では、Snapdragon AR1 Gen 1チップセットと4GB RAMを搭載し、235mAhのバッテリーで待機時間36時間、音楽再生4.5時間を実現しています。重量は48.8グラムの軽量設計となっており、実用性の大幅な向上が期待できます。

カメラ性能についても12MP ultrawide(3,024 × 4,032)の写真撮影と1,512 × 2,016解像度30fpsの動画撮影が可能で、Meta Ray-Banと同等以上の仕様となっています。また、IP54防水性能の搭載により、日常使いでの耐久性も配慮されています。

AIエコシステムの観点では、独自の「Vive AI」に加えてChatGPTやGoogle Geminiとの連携が可能な点が特徴的です。これにより、オフライン機能とクラウドベースの高度なAI機能の両立を図っています。

13言語のリアルタイム翻訳機能(アラビア語、繁体字中国語、英語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、スペイン語、韓国語、タイ語、トルコ語)は、特に訪日外国人や海外旅行者にとって実用的な価値を持ちます。写真ベースの翻訳により、メニューや看板の内容を音声で聞くことができる仕組みは、言語バリアの解消に大きく貢献するでしょう。

一方で、520ドル(約NT$15,600)という価格設定は、Meta Ray-Banの約300ドルと比較すると高価格帯に位置しており、普及における課題となる可能性があります。

現在は台湾での先行発売のみとなっていますが、HTCの従来の展開パターンを考慮すると、今後グローバル展開が予想されます。日本市場での展開時期や価格設定が注目されるところです。

【用語解説】

Vive AI:HTCが開発した独自のAIアシスタント。オフラインでの基本操作が可能で、ChatGPTやGoogle Geminiとの連携により高度なクエリにも対応する。

Snapdragon AR1 Gen 1:Qualcommが開発したAR(拡張現実)およびスマートグラス向けに特化されたチップセット。低消費電力でAI処理に最適化されている。

ZEISS UV400:ドイツの光学メーカーZEISSが製造する紫外線保護レンズ。UV400は400nm以下の紫外線を99%以上カットする性能を表す。

オープンイヤー設計:耳を塞がずに音声を聞ける構造で、周囲の音も同時に聞こえるため安全性が高い。音漏れを最小限に抑える技術も採用されている。

【参考リンク】

HTC Vive公式サイト(外部)VIVE Eagleの製品詳細、機能説明、仕様が掲載されている公式製品ページ。

Meta Ray-Ban公式サイト(外部)MetaとRay-Banが共同開発したスマートグラスの公式サイト。

HTC公式ニュースルーム(外部)HTCがVIVE Eagle発表に関する公式プレスリリースを掲載している。

【参考動画】

【参考記事】

HTC Vive Eagle announced with 12MP camera(外部)HTCの新型スマートグラスの技術仕様と機能について詳しく解説した記事。

HTC Vive Eagle AI Smart Glasses Launched(外部)VIVE Eagleのハードウェア仕様と台湾での発売価格について詳述した記事。

HTC takes on Meta with the Vive Eagle(外部)Meta Ray-Banとの比較を中心にVIVE Eagleの市場ポジショニングを分析。

HTC Unveils VIVE Eagle AI Glasses(外部)HTCの公式プレスリリース。翻訳機能とセキュリティ機能について詳細を記載。

【編集部後記】

スマートグラス市場にHTCが参入したことで、これまでMeta一強だった状況に変化が生まれそうです。皆さんにとって、日常生活でスマートグラスを使うとしたら、どんな場面が最も価値を感じられるでしょうか?13言語対応の翻訳機能での海外旅行、ハンズフリーでの写真撮影、それとも音声アシスタントによる情報検索でしょうか。また、520ドルという価格設定についても、この機能セットなら妥当と感じるか、まだ高いと思うか、ぜひご意見をお聞かせください。技術の進歩とともに、私たちの生活がどう変わっていくのか、一緒に考えていければと思います。

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乗杉 海
新しいものが大好きなゲーマー系ライターです!

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