SBI×Startaleが24時間365日株式取引実現 トークン化で投資革命

[更新]2025年8月22日20:48

SBI×Startaleが24時間365日株式取引実現 トークン化で投資革命 - innovaTopia - (イノベトピア)

日本の金融大手SBIホールディングスが、シンガポールのブロックチェーン開発企業Startaleと合弁事業を設立し、トークン化株式と実世界資産の取引プラットフォームを開発すると2025年8月22日に発表した。

SBIホールディングスは11兆円(740億ドル)以上の資産を管理し、世界中に6500万人以上の顧客を持つ。この合弁事業は米国と日本のトークン化株式の24時間365日取引と準瞬時決済を目指す。

プラットフォームには分割所有権、機関投資家グレードの保管、リアルタイムコンプライアンス監視機能が含まれる予定である。SBIホールディングスの北尾吉孝社長兼CEOは、この動きが最終的に取引所を含む資本市場そのもののデジタル化につながると述べた。

Startaleは以前、日本のソニーと共同でEthereumレイヤー2ネットワークのSoneiumを開発した企業である。この取り組みは、Robinhood、Kraken、Geminiなどがトークン化株式提供を拡大している流れに続くものである。

From: 文献リンクSBI Holdings du Japon rejoint la dynamique des actions tokenisées avec une coentreprise Startale

【編集部解説】

今回のSBIホールディングスとStartaleの提携発表は、単なる企業間の協業にとどまらない意味を持っています。これは伝統的な金融システムが24時間365日のデジタル経済へと本格的にシフトする歴史的な転換点を示しているからです。

従来の株式取引は平日日中の限られた時間にのみ行われていましたが、この新しいプラットフォームによって、投資家は文字通りいつでもどこでも株式取引が可能になります。特に注目すべきは、準瞬時決済機能です。現在の株式取引では決済に2-3営業日を要しますが、ブロックチェーン技術により秒単位での決済が実現されます。

分割所有権の機能も革新的な要素といえるでしょう。これまで高額な株式は一般投資家には手が届かない場合が多くありましたが、トークン化により少額投資も可能となり、投資の民主化が進むと考えられます。

一方で、規制面での課題は深刻です。トークン化証券は各国で異なる規制を受けるため、グローバル展開には複雑な法的問題が伴います。特に、KYC(顧客確認)、AML(マネーロンダリング防止)、証券法への準拠は、プラットフォーム設計の根幹に関わる重要な要素となっています。

技術的な観点から見ると、StartaleがソニーとEthereumレイヤー2ネットワークのSoneiumを開発した実績は心強い材料です。高いトランザクション処理能力と低コストを両立する技術基盤が、機関投資家グレードのサービス提供を可能にしています。

この動きは日本が金融イノベーションの最前線に立つ機会でもあります。Robinhood、Kraken、Geminiなどの海外企業に先駆けて、日本発のトークン化株式プラットフォームが世界標準を作る可能性があります。

長期的には、この技術が証券取引所の概念そのものを変える可能性を秘めています。分散型の取引システムが既存の中央集権的な取引所に代わる日が来るかもしれません。ただし、そのためには技術の成熟と規制環境の整備が不可欠であり、まさに今がその基盤づくりの重要な時期といえるでしょう。

【用語解説】

トークン化株式:従来の株式をブロックチェーン上のデジタルトークンとして表現したもの。24時間365日取引可能で、分割所有権や即時決済が実現される。

実世界資産(RWA):不動産、株式、債券などの物理的な資産をデジタル化し、ブロックチェーン上で取引可能にしたトークン。流動性向上と投資の民主化を促進する。

Ethereumレイヤー2:Ethereumメインネット上に構築されたセカンダリブロックチェーンで、高速・低コストな取引処理を実現する技術。Soneiumもこの技術を採用している。

オプティミスティックロールアップ:Ethereumのスケーラビリティを向上させる技術で、オフチェーンで取引を処理し結果をメインネットに記録する仕組み。

分割所有権:高額な資産を小口に分けて複数の投資家が所有できる仕組み。トークン化により従来困難だった少額投資が可能になる。

【参考リンク】

SBIホールディングス(外部)
日本最大級の金融コングロマリット。証券、銀行、保険などの金融サービスを提供し、11兆円以上の資産を管理

Chainlink Education Hub(外部)
トークン化株式の仕組みや種類について詳細解説。3つのタイプの技術的詳細を分かりやすく説明

Gemini Cryptopedia(外部)
トークン化株式の基礎知識と動作原理を解説。フラクショナル投資やDeFi統合の可能性も紹介

【参考記事】

Here’s How “Tokenized” Stocks Are Revolutionizing Investment(外部)
Robinhoodが欧州投資家向けにトークン化株式を開始し、25億ドル以上の取引量を記録している現状を報告

Kraken, Backed Expand Tokenized Stocks Product to Tron(外部)
KrakenとBacked FinanceがxStocksをTronブロックチェーンに拡張し、25億ドル以上のDEX・CEX取引高を達成

Tokenized Stocks & Equities Explained(外部)
トークン化株式の3つの主要タイプについて技術的詳細を解説。規制、カストディ、相互運用性の課題も詳述

SBI Holdings and Startale’s Vision for a 24/7 Global Market(外部)
SBIとStartaleの24時間グローバル市場構想について分析。機関投資家のブロックチェーン採用加速を報告

Kraken opening digital tokens of Apple, Tesla and Nvidia(外部)
Krakenが米国外でApple、Tesla、NVIDIAなどの主要株式のデジタルトークン取引を開始したと報告

【編集部後記】

今回のSBIとStartaleの提携は、私たち個人投資家にとっても大きな変化の始まりかもしれません。

24時間365日いつでも株式取引ができる世界が現実味を帯びてきました。一方で、新しい技術には必ずリスクも伴います。皆さんはトークン化株式の普及によって、投資スタイルや資産管理の考え方はどのように変わっていくと思われますか?

また、従来の証券会社や取引所の役割はどう変化していくのでしょうか?この技術革新が私たちの投資環境にもたらす可能性について、ぜひ一緒に考えてみませんか。

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TaTsu
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