GMOインターネットグループ、AI・CEO「ヒューマノイド熊谷正寿」発表 – 経営の24時間化を実現

[更新]2025年9月25日18:38

GMOインターネットグループ、AI・CEO「ヒューマノイド熊谷正寿」発表 - 経営の24時間化を実現 - innovaTopia - (イノベトピア)

GMOインターネットグループは、グループ会社のGMO AI&ロボティクス商事とともに、日本初となるAI・CEOをヒューマノイドロボットで実体化した「ヒューマノイド 熊谷正寿」を実現した。これは独自LLMでパートナーの意思決定を加速する「GMO Brain AIプロジェクト」の一環である。

「ヒューマノイド 熊谷正寿」は、AIを搭載したヒューマノイドロボット「Unitree G1」に、グループ代表熊谷正寿の思考やフィロソフィー、「GMOイズム」を学習させたAI・CEOである。音声で質問を受け付け、音声で回答する。既存のAI・CEO事例は主にバーチャルアバターや映像形態だが、実体としてロボットに搭載される事例は日本初となる。

9月25日開催の「GMO AI・ロボティクス大会議&表彰式」で初披露される。同社は会議やお客様対応での活用を通じて社内実用化に向けた検証を継続し、検証レポートを後日公開予定である。GMO Brain AIプロジェクトは2024年7月より進行し、第1弾として社内向け「AI 熊谷正寿」を2024年12月に提供開始した。これまでに3500セッション以上、6800回を超える対話が行われている。

From: 文献リンク日本初、ヒューマノイドロボットでAI・CEOを実体化!GMOインターネットグループ、AI・CEO 「ヒューマノイド 熊谷正寿」を実現

【編集部解説】

今回のGMOインターネットグループによる取り組みは、単なる技術デモンストレーションを超えた戦略的な意味を持っています。これは日本初となる、AI・CEOをヒューマノイドロボットとして実体化させた「ヒューマノイド 熊谷正寿」というプロジェクトです。これまでのAIを活用した経営支援は画面上のチャットボットなどが主流でしたが、物理的な存在感を持つ点で革新的とされています。

特に注目すべきは、グループ代表の熊谷正寿氏が言及する「24時間稼働」による生産性の可能性です。人間のCEOが1日8時間労働とすれば、理論上は3倍以上の稼働時間を確保できます。将来的には、会議への参加や顧客対応などでの活用も視野に入れ、実用化に向けた検証が進められる予定です。

技術的な側面では、音声認識から自然言語処理、音声合成までの一連の流れをリアルタイムで処理するため、相当な計算リソースが必要です。また、グループの理念である「GMOイズム」や熊谷氏本人の思考をどこまで忠実に再現できるかが、意思決定支援ツールとしての実用性の鍵となります。

一方で潜在的なリスクも存在します。AIによる意思決定支援における責任の所在や、パートナー(従業員)との信頼関係構築といった課題があります。また、ヒューマノイドロボットの維持コストや技術的故障時の対応も考慮すべき要素でしょう。

この取り組みは、日本の労働力不足という社会課題に対し、AIとロボティクスの融合による新たな働き方を示す一つの可能性を提示しています。2025年の現在、多くの企業が人材確保に苦慮する中、この挑戦が他業界へ与える影響も期待されます。

【用語解説】

LLM(Large Language Model)
大規模言語モデルの略称。膨大なテキストデータを学習したAIモデルで、自然言語の理解と生成が可能である。ChatGPTやGPT-4などが代表例。

ヒューマノイドロボット
人間に似た外見と動作を持つロボットの総称。二足歩行や人間らしい身振り手振りができる設計が特徴である。

Unitree G1
中国のUnitree Robotics社が開発したヒューマノイドロボット。比較的軽量で機敏な動作が可能な汎用型ロボットである。

GMOイズム
GMOインターネットグループが掲げる企業理念や行動指針の体系。スピリットベンチャー宣言やリーダーの心得などをまとめた企業文化の集大成である。

【参考リンク】

GMOインターネットグループ株式会社(外部)
東証プライム上場の総合インターネット企業グループ。ドメイン、セキュリティ、決済などのインフラ事業を主軸に運営

GMO AI&ロボティクス商事株式会社(外部)
2024年6月設立のGMOグループ企業。AI技術とロボットの導入・活用支援を行う商社として革新的ソリューションを提供

日本科学未来館(外部)
東京お台場にある国立の科学館。最先端の科学技術を一般向けに展示し、GMO AIRが2025年8月に実証実験を実施

【参考記事】

ロボット人材派遣型サービスでAI対話機能を備えた「G1」の提供を開始(外部)
GMOインターネットグループが2025年2月に発表したヒューマノイドロボット「G1」を活用した人材派遣サービスに関するプレスリリース。AI対話機能の実装や企業向けロボット活用の先行事例として参考にした。

産官学一体で挑む!日本をAI・ロボティクス大国へ2025年9月GMO AI・ロボティクス大会議&表彰式開催(外部)
2025年9月7日に発表された今回の発表会に関する事前情報。GMOグループのAI・ロボティクス戦略の全体像を理解するために参考にした。

GMO AI&ロボティクス商事、ロボット人材派遣型サービスにAI対話機能搭載の「G1」を追加(外部)
2025年9月19日発表のG1ロボットへのAI対話機能追加に関するニュース。今回のヒューマノイドAI・CEOの技術的背景を理解するために活用した。

ヒューマノイドロボット – 人材派遣 – GMO Developers(外部)
GMOの開発者向けサイトでのヒューマノイドロボット技術解説。技術的側面や実装の詳細を理解するために参考にした。

【編集部後記】

今回のGMOの取り組みを見て、皆さんはどのように感じましたか?AI・CEOが物理的な存在として私たちの職場に現れる日が、思っていたより早く到来するかもしれません。

特に興味深いのは、従来の「効率化」を超えた「24時間稼働」という発想です。皆さんの職場でも、もしリーダーが24時間対応可能だったら、どのような変化が生まれるでしょうか?

一方で、AIに経営判断を委ねることへの不安や期待も様々あるはずです。皆さんは、どこまでならAIに任せられると思いますか?

この技術が普及した時、私たちの働き方や組織のあり方はどう変わっていくのか。ぜひ皆さんと一緒に考えていきたいテーマです。

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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