中国|美団が深圳で夜間ドローン配送開始、24時間体制の無人配送サービス実現へ

[更新]2025年9月30日08:10

中国|美団が深圳で夜間ドローン配送開始、24時間体制の無人配送サービス実現へ - innovaTopia - (イノベトピア)

中国の美団が夜間ドローン配送サービスを開始した。

同社は昼間のドローン運用を深夜小売りまで拡張する形で新サービスを導入した。美団のドローンは2021年の本格運用開始以降、60万件を超える注文を完了している。平均配送時間は約15分で、従来の配送員の約2倍の速さである。

新サービスは深圳市で試験運用されており、夜間運用はタレントパークと海豊スポーツパークなどの公園をカバーしている。顧客は美団アプリと美団テイクアウトアプリから注文し、近くのドローン受け取りロッカーから商品を受け取る仕組みである。

From: 文献リンクMeituan Rolls Out Nighttime Drone Delivery Service – TechNode

【編集部解説】

美団の夜間ドローン配送開始は、中国のラストワンマイル配送業界における重要な転換点といえるでしょう。これまで昼間に行われていたドローン配送が夜間にも行われるようになることで、将来的な24時間体制の実現に向けた重要な一歩となります。

特に注目すべきは、平均15分という配送時間の短縮効果です。従来の人力配送と比較して2倍の速度を実現している点は、都市部における即時配送ニーズに対する有効な解決策となり得ます。深圳という中国のテクノロジーハブでの試験運用は、規制環境とインフラの整備状況を考慮した戦略的な選択と考えられます。

しかし、夜間運用には新たな課題も存在します。視界の制限、騒音問題、そして住宅地上空の飛行に対する住民の受容性などが挙げられるでしょう。また、ドローン受け取りロッカーシステムの導入は、配送の無人化を進める一方で、利用者の行動パターンを変える必要があります。

この取り組みが成功すれば、他の中国都市や海外市場への展開が予想され、グローバルな配送業界に大きな影響を与える可能性があります。特に人手不足が深刻化している先進国市場にとって、重要な参考事例となるでしょう。

【用語解説】

ラストワンマイル配送
物流において、配送センターから最終消費者までの最後の区間を指す。都市部では交通渋滞や駐車場不足により、最もコストと時間がかかる部分とされている。

ドローン受け取りロッカー
ドローンが配送した商品を一時保管する無人の受け取りボックス。顧客は専用アプリで解錠し、24時間いつでも商品を受け取ることができるシステムである。

【参考リンク】

美団(Meituan)公式サイト(外部)
中国最大級のオンデマンド配送・生活サービスプラットフォーム企業の公式サイト

TechNode(外部)
中国のテクノロジー業界に特化した英語メディア、最新動向を海外発信

【参考記事】

国内首家:美团无人机在深圳上线夜间配送服务(外部)
TechNodeの記事が引用した一次情報源である、中国のテクノロジーメディア「IT之家」の記事。

Country’s low-altitude economy aims sky high(外部)
Meituanの取り組みを、中国が国家戦略として推進する「低高度経済」の一環として位置づける記事。

【編集部後記】

美団の夜間ドローン配送は、私たちの生活に新たな便利さをもたらす一方で、テクノロジーと日常の境界線を改めて考えさせられるニュースでもあります。深夜にドローンが空を飛び交う光景を想像してみてください。これが当たり前になった時、私たちの暮らしはどう変わるでしょうか。

日本でも人手不足や配送効率化が課題となる中、こうした技術革新は他人事ではありません。皆さんの住む地域でドローン配送が始まったら利用してみたいですか?それとも不安を感じますか?ぜひSNSで、未来の配送について一緒に考えていけたらと思います。

投稿者アバター
omote
デザイン、ライティング、Web制作を行っています。AI分野と、ワクワクするような進化を遂げるロボティクス分野について関心を持っています。AIについては私自身子を持つ親として、技術や芸術、または精神面におけるAIと人との共存について、読者の皆さんと共に学び、考えていけたらと思っています。

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