Cloudflare障害でX・ChatGPT・Shopifyなど主要サービスが数時間停止、Web全体の20%に影響

[更新]2025年11月19日

Cloudflare障害でX・ChatGPT・Shopifyなど主要サービスが数時間停止、Web全体の20%に影響 - innovaTopia - (イノベトピア)

Cloudflareは2025年11月18日に障害が発生し、OpenAIのChatGPT、Shopify、Indeed、AnthropicのClaude、Truth Social、Xなど複数のウェブサービスがオフラインとなった。

Downdetectorも一時アクセス不能となり、NJ Transitのデジタルサービスが停止した。Cloudflareは9:57AM(米国東部時間、日本時間:同日23:57)に修正を実施し復旧したが、一部ユーザーはダッシュボードへのアクセスに問題が残る可能性があると述べている。

障害の原因は自動生成された設定ファイルが予想以上に肥大化し、一部ソフトウェアがクラッシュしたことによるものであり、攻撃や悪意ある活動の証拠は確認されていない。

CloudflareはWeb全体の約20%のトラフィック管理を担い、株価は1.4%以上下落した。直近ではAmazon Web ServicesやMicrosoft Azure、CrowdStrikeでも大規模な障害が発生した。

From: 文献リンクCloudflare says outage that hit X, ChatGPT and other sites is resolved

【編集部解説】

Cloudflareはインターネット基盤の一端を担っており、2025年11月18日の障害では世界中の主要サービスにアクセス障害をもたらしました。他社報道も確認した結果、今回の障害はCloudflareが提供するボット対策機能の設定ファイルが想定以上に肥大化したことで、複数のネットワーク関連サービスが同時にクラッシュしたことが直接の原因です。​

障害の発生時点では定期メンテナンスも行われていましたが、特定地域やデータセンターだけでなくグローバル規模で影響が生じたことから、DNSやコンテンツ配信、DDoS対策を提供するCloudflareのインフラ依存度が露呈しました。Twitter(X)、OpenAIのChatGPT、SpotifyやCanva、求人検索Indeed、Truth Socialなど幅広いジャンルで多数の利用者が接続困難を経験し、Downdetectorでも多くの障害報告がありました。​

Cloudflare側は、「攻撃や悪意ある活動によるものではない」ことを明言しています。根本要因は自動生成された設定ファイルの規模拡大によるシステム障害であり、偶発的な技術的トラブルとみなされています。復旧自体は迅速でしたが、完全に安定するまで一部ユーザーに断続的なエラーが発生し続けました。​

今回の事例は、AWSやMicrosoftのAzure、CrowdStrikeなど他大手基盤サービスでも直近1年で相次いで障害が起きている現状と重なります。ネット社会の基盤を担うインフラ事業者の健全性や分散化、障害対応能力が問われる契機となりました。Cloudflare含む限られたグローバル事業者への集中が、技術発展とともに新たなリスクを生む点も指摘されています。これらのサービスが復旧するまで、ユーザーや事業者側はさまざまな業務停止や機会損失に直面しました。今後は「より強固なシステム設計やリスク分散」に加え、インターネットインフラの冗長性・持続可能性が世界的な課題となるでしょう。​

【用語解説】

DDoS攻撃
分散型サービス拒否。大量トラフィックによるサービス妨害

【参考リンク】

Cloudflare公式サイト(外部)
インターネット基盤強化やセキュリティを担うインフラ企業。DDoS対策などを提供。

OpenAI ChatGPT(外部)
自然言語会話型AIサービス。情報検索や文章生成が可能。

Shopify公式サイト(外部)
ECサイト・オンラインストア構築を支援するプラットフォームサービス。

X(旧Twitter)(外部)
イーロン・マスク運営のソーシャルメディアサービス。

Anthropic Claude(外部)
Anthropic社による会話型AIプラットフォーム。

Truth Social(外部)
トランプ大統領が設立したソーシャルメディア。

Indeed公式サイト(外部)
世界最大級の求人検索ポータルサービス。

Downdetector(外部)
ネットサービス等の障害検知・報告サイト。

NJ Transit(外部)
米ニュージャージー州の公共交通公式案内サイト。

【参考記事】

Cloudflare outage hints at nefarious “traffic spike” as service impact spreads(外部)
想定外のトラフィック急増により設定ファイルが肥大化したことが原因であると技術的な観点から解説しています。

Cloudflare restores services after outage impacts OpenAI, X, Shopify(外部)
Cloudflareが障害後に迅速な復旧対応を行い、主要サービスへの影響範囲や復旧プロセスを報じています。

【編集部後記】

インターネットが安定して使えるのは、世界の基盤を担う企業や技術の努力の賜物です。

今回の障害をきっかけに、日々利用しているサービスの裏にどんなインフラや企業があるかを少しだけ意識していただけると嬉しいです。不便さを知ることで、安心と利便性のありがたさを実感できるのではないでしょうか。

投稿者アバター
TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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