CKpoolのソロマイナーが1.2TH/sの計算力でビットコイン報酬3.146BTC(約266,000ドル)を獲得した。
マイナーはCKpoolを利用し、ブロック報酬3.125BTCと手数料0.021BTCを得た。Con KolivasがXでこの成果を報告、1日あたり約120万分の1の確率とされた。2025年にはCKpool経由で13件のソロマイニングの成功事例が記録される。
CleanSparkはAI分野への事業転換を開始し、TeraWulfはテキサス州アバーナシーでデータセンター整備のため5億ドルの資金調達を計画している。
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‘Extremely lucky’ solo Bitcoin miner beats massive odds to win $266K
【編集部解説】
今回の事案は、計算能力がごく小さい1.2テラハッシュ/秒のホビーレベル機器でソロ採掘を行い、ビットコイン ネットワークのブロック報酬(3.146BTC、約26.6万ドル)を単独で獲得したものです。計算能力の観点から見て、その確率は1日あたり約120万分の1という非常に低いものとされています。
この種の“宝くじ的”な成功例は2025年に入ってCKpoolという個人向けマイニングプール経由で13件確認されており、昨年以前に比べても目立った多さです。同様の報道は海外主要メディアでもなされており、数字や算出根拠について大きな差異は見られませんでした。本件で用いられた機器はBitaxe Gammaのようなホビーグレードで、市場価格は100ドル程度で流通しています。
この事案の技術的なポイントは、個人がネットワーク全体と比較して極めて小さな演算力でも理論的には大きな報酬を得られる“ソロマイニング”の本質にあります。しかし現状のビットコイン ネットワークでは大規模事業者の計算能力が圧倒的で、個人の成功は極めて稀です。今回のような成功例は“夢のある話”であると同時に、多くの個人は長期間まったく報酬を得られず撤退するリスクも高いと言えます。
このほか、マイニング大手CleanSpark がAI向けデータセンターに事業転換し、TeraWulf もテキサス州の新設拠点のために5億ドルの資金調達を計画するなど、大手企業は“マイニング一本足”から事業多角化を模索しています。規模の小さい採掘者にとって、こうした産業構造の変化が今後どのような影響をおよぼすのか注視が必要です。
最後に、仮想通貨分野において個人や中小が“ホームラン”を狙える枠組みが残っていることは大きな魅力であると同時に、時代ごとの計算力格差や電力コスト、制度変化による採算性の大きな揺らぎには警戒も必要です。
【用語解説】
ソロマイナー
ビットコインのマイニングにおいて、単独でブロック発見を目指す採掘者。
ハッシュレート
1秒あたりのハッシュ計算回数で表した処理能力の指標。
ブロック報酬
新しいブロック発見時にマイナーへ支払われる報酬(ビットコインと手数料の合計)。
CKpool
個人・小規模向けのソロマイニング特化型プールサービス。
ASIC
暗号資産マイニング専用の集積回路。
【参考リンク】
CKpool(公式)(外部)
個人や小規模向けのソロマイニング専用プール。リアルタイム統計や設定ガイドを掲載
CleanSpark(公式)(外部)
米国でビットコインやAI分野のデータセンター事業を手掛ける上場企業の公式サイト
TeraWulf(公式)(外部)
持続可能エネルギーを活用したマイニングとデータセンター開発事業の公式ページ
【参考記事】
Solo Bitcoin Miner Hits the Jackpot, Winning $266K BTC Reward With Modest Hashrate(外部)
個人マイナーが小規模なハッシュレートで報酬を獲得した経緯や競争構造を解説している
Solo Bitcoin Miner Nets $266K in Rare Bitcoin Block Victory(外部)
CKpoolのソロマイナー勝利事例・報酬・ブロック番号が詳細に解説されている
Solo Bitcoin Miner Scores $266K Block Reward With Tiny Hash Rate(外部)
今回の確率や技術条件、関連する今後の業界動向が速報形式でまとめられている
【編集部後記】
私たち自身も、今回のニュースに「個人でも可能性がある世界」を感じています。もし趣味レベルの機材で思わぬ成果が出たら、どんな未来を思い描きますか?
今のビットコインマイニングは難易度も高く、電気代や機器選びも重要ですが、チャレンジ精神や新技術に手を伸ばす姿勢が未来を切り拓くかもしれません。皆さんが感じる「次の変化」、是非お聞かせください。
























