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画面使用過多が年間730億ドルの経済損失を引き起こす、研究が警鐘

Last Updated on 2024-01-31 05:49 by 荒木 啓介

アメリカ合衆国において、過度な画面使用による症状が年間730億ドルのコストを生んでいるという研究結果が発表されました。デロイト経済研究所とアメリカ眼科学会による報告によると、オフィスで働く人の約70%、つまり1億400万人以上が、1日に7時間以上画面を見て過ごしています。

この「過度な画面時間」とされる7時間以上の画面使用は、健康システムにかかる直接的な費用、仕事での生産性への影響、個人の幸福感への影響を分析することで、年間730億ドルのコストが発生していると評価されました。画面の過剰な使用は、首や背中の痛み、視力のぼやけ、頭痛、目の乾燥など、デジタルアイストレイン(DES)と呼ばれる目の問題のリスクを高めます。1日にたった2時間の画面使用でもこれらの症状を引き起こす可能性があり、放置すると生産性の低下、未診断の目の状態の悪化、睡眠の質や精神健康への影響につながる可能性があります。

しかし、定期的な眼科医の診察、目薬の使用、適切な眼鏡の着用を通じて、DESなどの状態の悪影響や個人にかかる直接的なコストは軽減できると報告されています。過度な画面時間にさらされる人々は、眼科医による症状の管理を受けることで、1人あたり最大1,920ドルの節約が可能であると研究は示しています。

この研究は、18歳から64歳までの男女1,000人の調査回答と、既存のデータおよび文献のレビューを用いて行われました。アメリカ眼科学会のロナルド・ベンナー会長は、「これらの発見は、より良い画面時間の習慣と、眼と全体的な健康を維持するためのAOAの眼科医による年1回の対面での包括的な眼科検査の重要性をさらに強調している」とコメントしています。

【ニュース解説】

アメリカ合衆国で、オフィスワーカーを中心に1日7時間以上の画面使用が普及しており、この過度な画面時間が健康や生産性に悪影響を及ぼし、結果として年間730億ドル(約9兆円)の経済的損失を生んでいるという研究結果が発表されました。この研究は、デロイト経済研究所とアメリカ眼科学会によって行われ、1,000人の成人を対象にした調査と既存のデータの分析を基にしています。

画面を長時間見続けることで引き起こされるデジタルアイストレイン(DES)は、目の疲れ、頭痛、首や背中の痛みなどの症状を引き起こし、これが生産性の低下や精神健康への悪影響につながることが指摘されています。特に、現代社会ではスマートフォンやコンピューターの使用が日常的であり、多くの人がこの問題に直面しています。

しかし、この研究によれば、定期的な眼科診察、目薬の使用、適切な眼鏡の着用などによって、DESの症状やその他の目に関する問題を軽減し、結果として個人の健康状態を改善し、経済的な損失を減らすことが可能であることが示されています。実際に、適切な対策を取ることで、1人あたり最大1,920ドル(約24万円)の節約が見込めるとされています。

この研究結果は、デジタルデバイスの使用が日常生活に深く根ざしている現代において、画面時間の管理と目の健康への意識を高めることの重要性を浮き彫りにしています。また、企業や教育機関においても、従業員や学生の健康管理と生産性向上のために、適切な休憩時間の確保や画面使用時間の管理に関するガイドラインの導入が求められるでしょう。

長期的には、この問題への対応が、労働環境の改善や健康保険制度の見直し、さらにはデジタルデバイスの設計における人間工学の考慮など、社会全体のさまざまな側面に影響を及ぼす可能性があります。このように、過度な画面時間による健康への影響は個人の問題にとどまらず、経済や社会に広範な影響を与えるため、総合的な対策と意識の向上が求められています。

from Symptoms from excessive screen time cost the U.S. $73 billion a year, study finds.


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