AIディープフェイク詐欺の新手口|複数人物の同時偽装で38億円被害

[更新]2025年2月8日17:47

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香港の多国籍企業で発生したディープフェイクを使用した大規模詐欺事件の概要は以下の通り。

事件の概要

2024年2月2日、香港警察は、ディープフェイク技術を使用した詐欺事件について発表を行った。被害額は2億香港ドル(約38億円)に達した。

手口の詳細

  • 財務担当者は英国を拠点とするCFOを装ったメッセージを受信
  • ビデオ会議に招待され、複数の経営幹部と思われる人物と対面
  • 実際の参加者は財務担当者のみで、他の参加者は全てディープフェイクによる偽装
  • 合計15回の取引を行い、5つの香港の銀行口座に送金

関連する犯罪

同時期に以下の犯罪も確認された

  • 8枚の盗難IDカードを使用
  • 90件のローン申請
  • 54件の銀行口座開設
  • 20件以上でディープフェイクによる顔認証システムの突破

被害状況の統計

FBIの2023年インターネット犯罪報告書によると:

  • 総被害額:125億ドル(約1兆8750億円)
  • 前年比:22%増加[4]
  • 報告された苦情件数:888,418件[8]
  • フィッシング被害届:298,878件[4]

逮捕状況

香港警察は本件に関連して6名を逮捕[6]。

【用語解説】

  • ディープフェイク
    AIを使って作られた偽の映像や音声のこと。「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」を組み合わせた造語です。
  • ビッシング(Vishing)
    Voice(音声)とPhishing(フィッシング)を組み合わせた造語で、電話を使った詐欺手法のこと。
  • ソーシャルエンジニアリング
    人間の心理的な隙や行動パターンを利用して情報を不正に入手する手法。

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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