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Samsung Galaxy、Perplexity・OpenAIとAI提携検討でGoogle Gemini独占に挑戦

Samsung Galaxy、Perplexity・OpenAIとAI提携検討でGoogle Gemini独占に挑戦 - innovaTopia - (イノベトピア)

サムスン電子は2025年7月25日、モバイル部門COOの崔元埈(Choi Won-Joon)氏が、次期「Galaxy S26」にGoogle Gemini以外のAIエージェントを搭載する方針を示し、OpenAIおよびPerplexity AIと協議中であると認めた。

Galaxy AI独自機能に加え複数AIを併存させ、利用者が用途別に選択できる環境を整える狙いだ。米司法省の反トラスト訴訟資料では、Geminiアプリのプリインストールを巡りGoogleがサムスンへ多額の対価を支払っていることが判明している。

Perplexityは2024年にNothing、Motorolaと提携済み、OpenAIは2024年からAppleのSiri高度化でも協力している。

From: 文献リンクMore AI is coming to Samsung phones, but from unexpected places

【編集部解説】

サムスンが外部AIの”複数同居”を模索する背景には、単一ベンダー依存リスクとサービス差別化の両方があります。現在のGalaxy AIは写真編集や通訳などにGeminiを活用していますが、検索特化のPerplexityや生成力に優れるChatGPTを組み合わせれば、ユーザーはシーンごとに最適な応答を選択可能になります。

これはスマートフォンが「1 OS + 1 AI」から「1 OS + マルチAI」へ進化する転換点です。特に生成AIの計算負荷は大きく、クラウド依存が高まるとプライバシー懸念や通信コストが浮上します。サムスンは端末内推論用のExynos NPUとクラウドAIを使い分ける設計で、速度と個人情報保護のバランスを取る必要があります。

他方、Googleは検索広告ビジネスを支えるGeminiのプレゼンス維持が急務です。今後はGemini Nanoのローカル動作やAndroid 14以降への深い統合で差別化を図るとみられます。規制面では、複数AI競合が生まれることで独占審査の圧力は緩和される一方、各AIが処理する個人データの共有範囲が複雑化し、新たなガイドライン策定が求められるでしょう。

利用者にとっては選択肢拡大が恩恵ですが、「どのAIがどの情報を保持するのか」という透明性と権限管理が課題になります。アプリ権限の細分化や推論ログの暗号化といった技術的措置の有無が、サービス選択の判断材料になりそうです。

【用語解説】

Galaxy AI
Galaxy S24で導入されたサムスン独自のAI機能群。Gemini Pro/Nanoを中心に画像生成、音声翻訳、要約などを提供する。

Gemini
Google開発の大規模言語モデル。PixelとGalaxyで先行展開され、クラウド版と端末内推論版(Nano)を持つ。

AIエージェント
ユーザーの目的達成を自律的に支援する対話型AI。検索、タスク実行、レコメンドなどを統合する。

Perplexity AI
検索と言語生成を融合したAI回答サービスを運営する米スタートアップ。Nothing、Motorolaにプリインストール実績を持つ。

OpenAI
ChatGPTやGPT-4oを開発する米AI研究企業。2024年にAppleと提携し、iOS 18でSiri連携を開始した。

【参考リンク】

Samsung Galaxy AI(外部)
Galaxy AIの公式紹介ページ。写真編集、リアルタイム翻訳など主要機能のデモと対応機種一覧を掲載

Perplexity AI外部)
引用付きAI検索サービスの公式サイト。Web・学術情報を横断し、出典リンク付きで回答を生成

OpenAI(外部)
ChatGPTやDALL-Eなど生成AIの研究・提供を行う組織。API情報や最新モデルの技術ブログを公開

Google Gemini(外部)
Geminiモデルのアーキテクチャ、ベンチマーク、開発者向けドキュメントをまとめた公式解説ページ

【参考動画】

Samsung’s Empire Unpacked | Bloomberg Tech: Asia
Bloomberg Tech: Asiaによるサムスンの特別取材番組(2025年7月25日公開)。韓国最大の財閥企業であるサムスンの内部に密着し、グローバル研究開発体制とAI戦略の実態を紹介。

【参考記事】

Samsung pushes for diverse AI agents in Galaxy mobile devices(外部)
Bloombergによる独占報道。サムスンがGoogleのGemini以外にも複数のAI企業との提携を模索している

Samsung Nears Wide-Ranging Deal With Perplexity for AI Features(外部)
サムスンとPerplexityの提携交渉について詳細に報じたBloombergの記事。投資と技術統合の両面での協力関係を解説

Perplexity launches Comet, an AI-powered web browser(外部)
TechCrunchによるPerplexityの新ブラウザ「Comet」の詳細レビュー。AI検索エンジンの標準搭載とGoogle Chromeへの挑戦について報道

【編集部後記】

複数のAIアシスタントが同じスマートフォンに搭載されるという未来は、一見すると理想的に思えますが、実際にはユーザーにとって新たな悩みを生むかもしれません。「写真編集にはどのAI?」「翻訳はどれが正確?」「プライバシーを重視するならどれを選ぶべき?」といった選択疲れが起こる可能性があります。

おそらくサムスンは、用途別の自動振り分けや学習機能によってこの課題を解決しようとするでしょう。しかし、私たちユーザー側も「どのAIが何を得意とするか」を理解する必要が出てきます。皆さんなら、検索速度重視、生成品質重視、それともプライバシー重視?どんな基準でAIを使い分けたいと考えますか?

マルチAI時代の理想的な体験について、ぜひコメント欄で皆さんの意見をお聞かせください。技術の進歩と共に、私たち自身の「AI活用スキル」も進化させていく必要がありそうですね。

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TaTsu
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