専門業務に特化したAI議事録ツール:営業・医療・採用分野での実践的な選択肢【国産3選・海外3選】

[更新]2025年8月22日19:44

 - innovaTopia - (イノベトピア)

数年前まで、AIによる文字起こしは夢の技術でした。しかし今、AIは私たちの想像を遥かに超えるスピードで進化し、もはや単なる「記録係」ではありません。

商談内容から“売れるトーク”を導き出す「営業戦略AI」。 国境を越えた会議の言語の壁をなくす「リアルタイム翻訳AI」。 録画した動画を、新たな価値を持つコンテンツ資産に変える「映像解析AI」。

AIは今や、私たちの仕事を効率化するだけでなく、“再定義”するパートナーへと進化しています。

本記事ではそんな「議事録AI」について国産、外国産ともに紹介していこうと思います。AIと共に、仕事の未来を覗いてみましょう。

【国産】用途特化型AIツール 3選

amptalk (アンプトーク) – 営業・商談分析 特化型

 - innovaTopia - (イノベトピア)
©amptalk株式会社

営業のブラックボックスを解消するために開発された、IP電話機能付きのオンライン商談解析ツールです。商談を録画・文字起こしするだけでなく、AIが会話内容を分析し、「売れるトーク」や顧客のインサイトを可視化します。

主な用途】

  • オンライン商談の記録と共有: 商談内容を自動で録画・文字起こしし、SFA/CRM(営業支援/顧客管理システム)に記録。
  • 営業スキルの平準化: トップセールスのトーク内容や顧客とのやり取りを分析し、チーム全体の教育やコーチングに活用。
  • データドリブンな営業戦略: 顧客がよく口にするキーワードや、成約につながる会話パターンを抽出し、営業戦略の立案に役立てる。

【特徴】

  • 会話のスコアリング: AIが商談内容を評価し、スコア付けすることで、どの商談を優先的にフォローすべきかを判断しやすくします。
  • 強力なSFA/CRM連携: Salesforceなどと深く連携し、商談記録の入力をほぼ自動化。営業担当者の事務作業を大幅に削減します。
  • ワンストップの機能: オンライン商談、電話、文字起こし、解析、SFA連携までを一つのプラットフォームで完結できます。

AmiVoice ScribeAssist (アミボイス スクライブアシスト) – 専門分野 特化型

 - innovaTopia - (イノベトピア)
©株式会社アドバンスト・メディア

国内シェアNo.1の音声認識エンジン「AmiVoice」を開発したアドバンスト・メディア社が提供する、スタンドアローン型(オフラインで動作する)の議事録作成支援ツールです。特に専門用語が多く、機密性の高い会議での利用を想定して設計されています。

主な用途】

  • 医療: カンファレンスや電子カルテ入力支援など、医療専門用語が飛び交う場面。
  • 法務・金融: 法律事務所での相談記録や、金融機関でのコンプライアンス会議など、正確性と機密性が求められる場面。
  • 研究開発: 研究所やメーカーでの技術会議など、外部に漏らせない情報を含む議論。
  • 自治体・議会: 議会での答弁や委員会など、公的な記録が求められる場面。

【特徴】

  • 圧倒的な専門用語認識: 各業界に特化した音声認識辞書を搭載しており、一般的なツールでは認識が難しい固有名詞や専門用語を正確にテキスト化します。
  • 強固なセキュリティ: オフラインで動作するため、音声データが外部サーバーに送信されることがなく、情報漏洩のリスクを極限まで低減します。
  • 柔軟なカスタマイズ: 企業や部署独自の用語を辞書に登録することで、使えば使うほど自社に最適化され、認識精度が向上します。

Rimo Voice (リモボイス) – 文字起こし後の “編集・校正” 特化型

 - innovaTopia - (イノベトピア)
©Rimo合同会社

日本語の特性に最適化された高精度な文字起こしをベースに、AIがその後の編集・清書作業までをサポートするツールです。単にテキスト化するだけでなく、「議事録としてそのまま使える」品質の高さにこだわっています。

主な用途

  • 公式な議事録作成: 取締役会や全社会議など、フォーマルな議事録を効率的に作成。
  • インタビュー記事の作成: 取材音源を文字起こし後、自然な文章に整え、記事作成の時間を短縮。
  • コンテンツ制作: ウェビナーやセミナーの音源から、ブログ記事やメルマガの元となるテキストを作成。

【特徴】

  • AIによる自動清書: 「えー」「あのー」といった不要語(フィラー)の除去はもちろん、話し言葉の倒置などを修正し、自然で読みやすい書き言葉に自動で整えます。
  • 質の高い要約: 会議の文脈を理解し、重要な決定事項やToDoを抽出し、誰が読んでも分かりやすい平易な言葉で要約を生成します。
  • 優れたUI/UX: 音声とテキストが完全に同期しており、確認・修正作業が直感的でストレスなく行えるインターフェースが特徴です。

【外国産】用途特化型AIツール 3選

tl;dv (ティーエルディーブイ) – 採用面接・候補者体験 特化型

 - innovaTopia - (イノベトピア)
©tldx Solutions GmbH

“Too long; didn’t view”(長すぎて見なかった)の略から名付けられた、オンライン会議を短時間でキャッチアップするためのツールです。特に、複数人での評価が必要となる採用面接のプロセス効率化に強みを発揮します。

主な用途

  • 採用面接の記録・評価: 面接を録画・文字起こしし、重要な回答シーンにタイムスタンプを付けて採用チーム内で共有。
  • プロダクト開発: ユーザーヒアリングの記録を開発チームに共有し、顧客の生の声に基づいた意思決定を促進。
  • 非同期コミュニケーション: 時差のあるグローバルチームで、会議に参加できなかったメンバーへの情報共有。

【特徴】

  • ATS(採用管理システム)連携: Greenhouseなどの採用管理ツールと連携し、面接記録を候補者情報に自動で紐付け、評価プロセスを一元管理します。
  • ハイライトリール機能: 面接中の重要な発言を短い動画クリップとして切り出し、Slackなどで簡単に共有。評価者は全編を見なくても候補者の要点を把握できます。
  • 多言語対応: グローバル採用においても、30以上の言語に対応した文字起こし・翻訳機能で、言語の壁なく候補者を評価できます。

Trint (トリント) – 動画コンテンツ活用 特化型

 - innovaTopia - (イノベトピア)
©Trint Ltd.

ジャーナリストによって設立された、音声や動画ファイルを「検索可能なデータ」として活用するためのプラットフォームです。会議の記録に留まらず、メディア制作やコンテンツマーケティングでの利用に特化しています。

主な用途】

  • コンテンツの二次利用: ウェビナーやポッドキャストの音源を文字起こしし、ブログ記事やSNS投稿用のテキストを生成。
  • 動画への字幕付け: 制作した動画に、文字起こし結果からワンクリックで字幕(キャプション)を付け、視聴者の利便性を向上。
  • 報道・リサーチ: 大量のインタビュー音源や記者会見の動画をアーカイブ化し、必要な情報をキーワードで瞬時に検索・引用。

【特徴】

  • 強力な検索と頭出し: 文字起こしされたテキスト内の単語をクリックするだけで、動画・音声の該当箇所に即座にジャンプでき、編集作業が効率化します。
  • 多様なエクスポート形式: Wordやテキストはもちろん、動画編集ソフトで利用できるSRT、VTTといった多様な字幕ファイル形式で出力できます。
  • モバイルアプリの利便性: スマートフォンのアプリで現場の音声を録音し、その場ですぐに文字起こしを開始できるため、速報性が求められる業務に適しています。

Tactiq (タクティック) – リアルタイム共同作業 特化型

 - innovaTopia - (イノベトピア)
©Tactiq Pty Ltd

Google Chromeの拡張機能として動作し、Google MeetやZoom、MS Teamsの画面上に統合されるツールです。会議を後から振り返るのではなく、会議中にリアルタイムで議事録を完成させていくというコンセプトが特徴です。

主な用途】

  • アジャイル開発: スクラムミーティングなどで、会議中に決定事項や次のスプリントのタスクをリアルタイムで整理・共有。
  • 会議のファシリテーション: 会話の流れをリアルタイムでテキスト化し、論点のズレや聞き逃しを防ぎながら会議を進行。
  • 会議後の作業の即時化: 会議終了と同時に、要約された議事録やタスクリストを関係者に共有。

【特徴】

  • リアルタイム処理: 会議中に重要な点をワンクリックでハイライトしたり、AIに要約を指示したりと、リアルタイムでの操作性に優れています。
  • ChatGPT連携: 会議中に抽出した要点や決定事項をワンクリックでChatGPTに連携させ、メールの下書きや報告書、Notionのページなどを自動生成できます。
  • 導入の手軽さ: Chrome拡張機能なのでインストールが簡単で、既存のWeb会議ツールの使い勝手を損なうことなく、すぐに利用を開始できます。

最新ツールの開発は今もなお歩みを止めない

本日ご紹介したツールは、その変化の最前線にいるほんの一例に過ぎません。これから先、AIはさらに私たちの業務に溶け込み、これまで人間が時間を費やしてきた作業を次々と過去のものにしていくでしょう。

この大きな変革の波に乗り遅れないために、まずは自社の課題と向き合い、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。その一歩が、あなたの会社の未来を大きく変えるかもしれません。


読み込み中…
advertisements
読み込み中…