ロバート・キヨサキは、225万ドル分のビットコイン(BTC)を約9万ドルで売却したと発表した。BTCは数年前に1単位約6,000ドルで購入したもので、売却益は自身が所有する2つの手術センターと広告看板事業へ再投資する。
2026年2月までに月27,500ドルの非課税収入を見込む。キヨサキは2026年のBTC価格目標を25万ドル、金の1オンス価格目標を27,000ドルとしている。
発表時、ビットコインは一時80,537ドルまで下落し、その後84,000ドルで推移した。Crypto Fear & Greed Indexは11となり、CoinMarketCapによれば数年ぶりの低水準を記録した。
ビットコインは10月につけた12万6,000ドルから33%以上下落している。ピーター・ブラントはBTCが2029年第3四半期に20万ドルに到達すると予測した。Bitfinexのアナリストは、ビットコインETFからの資金流出は短期的要因であると述べる。
From:
‘Rich Dad, Poor Dad’ author and Bitcoin bull Robert Kiyosaki sells his BTC
【編集部解説】
ロバート・キヨサキ氏によるビットコインの売却ニュースは、主要な英語圏メディア(Yahoo! Finance、TradingView、Business Todayなど)でも一貫して報じられています。彼は数年前に1BTCあたり約6,000ドルでビットコインを取得し、2025年11月に合計約225万ドル分を1BTCあたり9万ドル程度で売却した上で、手術センター2つと広告看板事業へ利益を再投資しました。
この方針は、価格の上昇のみを狙うキャピタルゲイン投資から、安定したキャッシュフローと税制上のメリットを得るアセットへの転換を重視しています。注目すべきは、売却のタイミングが市場最高値から約33%下落した「極度の恐怖」局面であり、Crypto Fear & Greed Indexも最低レベルを記録しています。また、キヨサキ氏自身が「BTCに対する強気姿勢は継続し、今後は事業収入で再び買い増す」と明言しており、戦略的なポジション変更でしかないと強調しています。
外部報道との比較でも、取引数量や価格・投資先・キャッシュフローの数値に齟齬はほぼ見当たりませんでした。市場動向については、ベテラントレーダーのピーター・ブラント氏が「2029年第3四半期にBTCが20万ドル到達」と述べているように、長期的には成長期待を持つ声も健在です。
この事案のポイントは、テクノロジー投資の出口・経営戦略として、ボラティリティの高い暗号資産から伝統的な現実ビジネスへ資産を振り替える動きが、富裕層や実践的投資家の間で現実的な選択肢となっている点です。現金化した資金を用い、安定した現実世界の経済循環へ再投入することで、従来の“ガチホ”モデルとも違う柔軟な投資リターン戦略を示した事例といえます。また、仮想通貨のような革新的技術も、その所有や出口設計によって、「現実社会における価値創造」へ進化できることを示している点が重要です。
一方で、事業投資には固有の事業リスクがあり、未来の不確実性も存在します。今後こうしたエグジット型投資が広まり、仮想通貨市場・伝統金融・リアルビジネスのダイナミクスがどのように交錯するかは、テクノロジーと経済の未来像にも影響を与え続けるでしょう。
【用語解説】
ビットコイン(Bitcoin)
世界初の分散型暗号資産。中央管理者を持たず、ブロックチェーン技術によるP2Pデジタル通貨。
キャッシュフロー
資産運用や事業活動から発生する現金収入と支出の流れ。
Crypto Fear & Greed Index
暗号資産市場の投資家心理を数値化した指標。値が低いほど悲観が強い。
ETF(上場投資信託)
証券取引所に上場し、株式のように売買できる投資信託。
【参考リンク】
CoinMarketCap(外部)
仮想通貨の時価総額、Fear & Greed Indexなどの指標とデータを提供するサイト。
Bitfinex(外部)
世界的な暗号資産取引所。マーケット分析やデリバティブ取引情報が充実している。
Yahoo! Finance(外部)
金融系総合ニュースメディア。仮想通貨からETFまで金融情報が網羅されている。
【参考記事】
Robert Kiyosaki Sells $2.25M in Bitcoin, Moves Profits Into Real Estate and Businesses(外部)
BTC売却と不動産・事業再投資に転換し、今後もBTC強気姿勢を示す。
Kiyosaki Dumps Bitcoin At $90K After Predicting A $250K Moonshot(外部)
1BTCあたり約9万ドルで売却、キャッシュフロー重視の出口戦略に転換した背景を解説。
【編集部後記】
ビットコインやその周辺の新しい資産運用・テクノロジーの展開は複雑で奥深いものです。今回のニュースは「出口戦略」や「多様なキャッシュフロー」の可能性を示唆しています。
未来を考える一歩として、「自分ならどうするか」「他の方法はないか」と探求してみる時間になれば幸いです。
























