インフルエンサー詐欺の標的化：身元泥棒と偽ニュースの罠

Last Updated on 2024-07-07 04:52 by 門倉 朋宏

ソーシャルメディアのインフルエンサーが、身元泥棒の標的になっている。これらのインフルエンサーは、大きなフォロワー数と影響力を持つため、詐欺師や偽ニュースの拡散者から狙われやすい。特に「フィンフルエンサー」と呼ばれる、フォロワーに金融アドバイスを提供するインフルエンサーが存在する。これらの人物は、ゲットリッチクイックスキームや仮想通貨関連のアドバイス、株式投資、財務計画などを通じて、フォロワーの金融投資決定に影響を与える。

2023年5月、インドは証券市場から登録なしにアドバイザリーサービスを提供したとされる100万人以上のフォロワーを持つYouTubeフィンフルエンサーを1年間禁止した。これらのフィンフルエンサーは、十分なフォロワーが彼らのアドバイスに従うことで、金融市場に影響を与える可能性がある。

2023年10月、連邦取引委員会は、多くのソーシャルメディアフォロワーを持つ人々が詐欺師の標的になる可能性があると警告した。詐欺師は、製品のプロモーションを行う「ブランドアンバサダー」として支払いを提供する偽の仕事のオファーを出す。しかし、実際には個人情報や金融情報を狙っている。

10カ国の政府が、プラットフォーム上での詐欺を検出し防止する能力を向上させるようソーシャルメディア運営者に要請した。これは、グローバル詐欺サミットの結果として発表されたコミュニケであり、オンライン詐欺を減少させるための29の行動ポイントがリストアップされた。

インフルエンサーは自己防衛のために、あまりにも良すぎる話は真実ではないと疑うべきである。個人情報や金融情報を提供する前に、適切な調査を行い、オファーを直接確認するべきである。

【ニュース解説】

ソーシャルメディアのインフルエンサーが、その影響力と大きなフォロワー数を持つことから、身元泥棒や詐欺師の標的になっているという問題が浮上しています。特に金融アドバイスを提供する「フィンフルエンサー」と呼ばれるインフルエンサーは、そのアドバイスが金融市場に影響を及ぼす可能性があるため、特に注意が必要です。

このような状況の中、インドでは証券市場からの登録なしにアドバイザリーサービスを提供していたフィンフルエンサーが禁止される事態も発生しています。また、連邦取引委員会からは、多くのフォロワーを持つインフルエンサーが詐欺師の標的になる可能性があるという警告が出されており、偽の仕事のオファーを通じて個人情報や金融情報を狙う手口が指摘されています。

この問題に対処するため、10カ国の政府がソーシャルメディア運営者に対して、プラットフォーム上での詐欺を検出し防止する能力を向上させるよう要請しています。これは、オンライン詐欺を減少させるための具体的な行動ポイントを含むコミュニケの発表によるものです。

インフルエンサー自身が自己防衛をするためには、あまりにも良すぎる話は真実ではないと疑うこと、個人情報や金融情報を提供する前に適切な調査を行うこと、オファーを直接確認することが重要です。また、詐欺師に急かされることなく、冷静に判断することが求められます。

この問題は、インフルエンサー個人のリスクだけでなく、フォロワーに対する信頼性の低下や金融市場への潜在的な影響といった、より広範な社会的影響を及ぼす可能性があります。そのため、インフルエンサーだけでなく、ソーシャルメディアプラットフォーム、政府、そしてフォロワー自身も、この問題に対して意識を高め、適切な対策を講じる必要があります。

from Social media influencers targeted by identity thieves.