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クラウドセキュリティの厳しい現実とその対策法

Last Updated on 2024-04-24 08:27 by 荒木 啓介

クラウドセキュリティは進歩しているものの、多くの組織がまだセキュリティ面で成熟しておらず、クラウドからのセキュリティインシデントが組織に大きな損失をもたらしている。クラウドプロバイダーのセキュリティ責任は限定的であり、リスクを完全に転嫁することはできない。

ゼロトラストモデルの導入がクラウドセキュリティの向上には重要であるが、クラウドへの移行だけではセキュリティが自動的に向上するわけではない。ハイブリッド環境では、ネイティブセキュリティコントロールの管理が難しく、ゼロトラストモデルにおいてもアイデンティティ管理だけではセキュリティの問題を完全に解決できない。

クラウドセキュリティの課題に対処するためには、組織が保護すべき対象を明確にし、クラウド環境の可視性を確保することが重要である。また、開発組織に適切なセキュリティインセンティブを提供し、ゼロトラストセンターを組織内に構築することが求められる。

【ニュース解説】

クラウドセキュリティの現状について、2024年の調査結果が示す重要な事実がいくつかあります。クラウド技術は企業のデータ管理や業務運用に革命をもたらしていますが、セキュリティ面での課題も多く残っています。この記事では、クラウドセキュリティに関する5つの厳しい現実に焦点を当て、それらが企業にどのような影響を与えるのか、そしてどのように対処すべきかを探ります。

まず、クラウドへの移行が自動的にセキュリティを向上させるわけではないという誤解があります。多くの企業がクラウドプロバイダーにセキュリティを委ねることでリスクを転嫁できると考えがちですが、実際にはデータの保護責任は常にデータの所有者にあります。クラウドプロバイダーはインフラの保護には長けていますが、顧客のセキュリティポスチャーに対するコントロールは限定的です。

次に、ハイブリッド環境におけるネイティブセキュリティコントロールの管理の難しさが挙げられます。クラウドプロバイダーが提供するセキュリティ機能は多岐にわたりますが、それらを統一的に管理することは複雑です。特に、複数のクラウド環境を跨いで一貫したセキュリティポリシーを適用することは、大きな課題となっています。

また、アイデンティティ管理だけではクラウドのセキュリティ問題を解決できないことも指摘されています。ゼロトラストモデルでは、アイデンティティは重要な要素ですが、アクセスポリシーによって具体的なリソースへのアクセスを制限することが不可欠です。これにより、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。

さらに、多くの企業がクラウドに何を保護すべきか、またはクラウドに何が存在しているのかを正確に把握していないという問題があります。これは、セキュリティ対策の適切な計画と実施を妨げる大きな障害となっています。

最後に、クラウドネイティブ開発におけるセキュリティインセンティブの不足が指摘されています。開発速度を最優先する文化の中で、セキュリティが後回しにされがちです。これにより、クラウドインフラストラクチャやアプリケーションがセキュリティリスクにさらされることになります。

これらの課題に対処するためには、組織が保護すべき対象を明確にし、クラウド環境の可視性を高めることが重要です。また、ゼロトラストモデルの導入や、セキュリティを重視した開発文化の構築が求められます。企業がこれらの課題に効果的に対応することで、クラウドセキュリティの向上とビジネスの持続可能な成長を実現できるでしょう。

from 5 Hard Truths About the State of Cloud Security 2024.


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