Last Updated on 2024-02-29 10:40 by 荒木 啓介
新しい研究によると、長引くコロナ(ロングコビッド)は、記憶、推論、計画能力において測定可能な認知機能の低下を引き起こす可能性があることが示唆された。イングランドで約113,000人を対象に行われた認知テストでは、持続するコロナ後症状を持つ人々が、コロナウイルスに感染したことがない人々に比べて、IQスコアが平均6ポイント低い結果となった。また、感染後に症状がなくなった人々も、短期間の病気であったとしても、未感染の人々に比べてIQスコアが平均3ポイント低かった。
この認知スコアの差は比較的小さく、神経学の専門家は、コロナウイルスの感染やロングコビッドの発症が、思考や機能に深刻な欠陥を引き起こすという意味ではないと警告している。しかし、専門家は、多くのロングコビッド患者が苦しむ脳の霧、集中力の低下、記憶問題に数値的な証拠を提供するため、この発見は重要であると述べている。
この研究は、認知障害の兆候を見つけた小規模な研究と一致しており、「ロングコビッド生存者における認知障害は実際の現象である」と強調している。この研究は、The New England Journal of Medicineに2024年2月28日に公開された。
【ニュース解説】
新しい研究によると、長引くコロナ(ロングコビッド)が記憶、推論、計画能力における認知機能の低下を引き起こす可能性があることが示唆されました。この研究は、イングランドで約113,000人を対象に行われた認知テストの結果に基づいています。その結果、持続するコロナ後症状を持つ人々は、コロナウイルスに感染したことがない人々に比べて、IQスコアが平均6ポイント低いことがわかりました。また、感染後に症状がなくなった人々も、短期間の病気であったとしても、未感染の人々に比べてIQスコアが平均3ポイント低かったと報告されています。
この認知スコアの差は比較的小さいものの、神経学の専門家は、この結果がロングコビッド患者が経験する脳の霧、集中力の低下、記憶問題に数値的な証拠を提供するという点で重要であると指摘しています。これは、ロングコビッドによる認知障害が実際に存在するということを示唆しており、小規模な研究で見つかった認知障害の兆候と一致しています。
この研究の意義は、ロングコビッドによる認知機能の低下が、単なる自己申告や主観的な体験にとどまらず、客観的なテストによっても確認されたことにあります。これにより、ロングコビッドの影響をより深く理解し、適切な治療法やサポート体制の構築に向けた研究が進められる可能性があります。
しかし、この研究結果を受けて、ロングコビッド患者への支援や治療法の開発に向けた取り組みがより一層重要になってきます。認知機能の低下は日常生活における様々な活動に影響を及ぼす可能性があり、患者の生活の質を大きく下げることになりかねません。そのため、ロングコビッドによる認知障害を理解し、適切な対策を講じることが求められています。
また、この研究結果は、ロングコビッドの影響を受ける可能性がある人々への注意喚起としても機能します。コロナウイルス感染症の予防策を継続し、感染リスクを最小限に抑えることの重要性を改めて認識するきっかけになるでしょう。
長期的な視点では、ロングコビッドによる認知機能の低下が社会全体に与える影響についても考慮する必要があります。労働力の質の低下や、医療・福祉システムへの負担増加など、経済的な影響も予想されます。このため、ロングコビッドの研究と対策は、個人の健康だけでなく、社会全体の持続可能性を支えるためにも重要な課題となっています。
from Long Covid May Lead to Measurable Cognitive Decline, Study Finds.
“ロングコビッドがIQに影響、英国研究が示す認知機能低下の実態” への1件のコメント
この新しい研究結果について読んで、長引くコロナが記憶や推論、計画能力に影響を与える可能性があるというのは、非常に心配な情報ですね。私自身、歳を重ねるごとに健康への関心が高まっていますし、特に認知機能の低下は、できるだけ避けたいところです。この研究結果が示しているように、コロナウイルスに感染したことがなくとも、感染後に回復した人々もIQスコアが低下しているというのは、誰もが予防策をしっかりと取らなければならないということを教えてくれます。
また、ロングコビッド患者への支援や治療法の開発がより一層重要になってくるという点には、強く同感します。特に私たち高齢者の中には、すでに様々な健康問題を抱えている人も多いため、ロングコビッドによる追加的な認知機能の低下は、さらに生活の質を落とすことになりかねません。地域や政府レベルで、ロングコビッドに関する正確な情報提供と、適切な治療法やサポート体制の整備が進められることを願っています。
さらに、この研究結果を受け、コロナウイルス感染症の予防策を継続し、感