PointClickCareが推進するデータ共有で病院再入院率大幅減、新規制下での医療革新を牽引

Last Updated on 2024-04-12 00:31 by 荒木 啓介

PointClickCareは、急性ケアと後期ケア間の相互運用性を促進している。新しい規制により、この相互運用性の要件が強化され、PointClickCareはONCから認定されたEHRテクノロジーを取得した。データの共有を通じて、病院への再入院率を低下させる効果が確認されている。また、Trusted Exchange Framework and Common Agreement（TEFCA）は、相互運用性をさらに推進する可能性がある。

規制の強化と価値ベースのケアの推進により、ACOや他のプログラムではデータの共有が必須となっている。PointClickCareのクライアントの一例では、病院への再入院率が25％から8％に減少した。

デジタルな健康データの共有は、ROIの実現にも寄与する。データ共有による病院への再入院率の低下は、コスト削減にも繋がり、TEFCAの推進がこれらの取り組みを支える可能性がある。

【ニュース解説】

PointClickCareは、急性ケア（短期間で集中的な治療を必要とするケア）と後期ケア（長期にわたるリハビリテーションや介護など）の間で健康データを共有することの価値を強調しています。この取り組みは、新しい連邦および州レベルの規制によって後押しされており、これらの規制は相互運用性の要件をより厳格にしています。相互運用性とは、異なる健康情報技術システム間でデータが自由に、かつ安全に交換される能力のことです。PointClickCareは、この分野での長年の取り組みを通じて、ONC（米国国立コーディネーター健康情報技術事務局）から認定されたEHR（電子健康記録）テクノロジーの指定を受けています。

このデータ共有の取り組みは、特に価値ベースのケアの文脈で重要です。価値ベースのケアとは、提供される医療サービスの質に基づいて医療提供者に報酬を支払うアプローチであり、単に提供されたサービスの量に基づく従来の報酬モデルとは異なります。このアプローチでは、患者の健康成果の改善が重視され、そのためには急性ケアと後期ケアの間での情報共有が不可欠です。

PointClickCareのクライアントの一例では、このようなデータ共有によって病院への再入院率が25％から8％に大幅に減少しました。これは、患者の健康成果の向上だけでなく、医療コストの削減にも寄与しています。さらに、Trusted Exchange Framework and Common Agreement（TEFCA）などの取り組みは、相互運用性をさらに推進し、より多くの医療機関でのデータ共有の実現を目指しています。

このようなデジタル健康データの共有は、医療提供者間でのコミュニケーションを改善し、患者の治療計画の一貫性を保つことにより、患者ケアの質を向上させることができます。しかし、この取り組みは、患者のプライバシー保護やデータセキュリティの確保といった課題も伴います。したがって、相互運用性を推進するにあたっては、これらのリスクを最小限に抑えるための厳格な規制とガイドラインの整備が重要です。

長期的には、このようなデータ共有の取り組みが広がることで、より効率的で効果的な医療サービスの提供が可能になり、全体としての医療システムの持続可能性に寄与することが期待されます。また、患者中心のケアの実現に向けた重要なステップとも言えるでしょう。

from The Value of Sharing Health Data Between Acute Care and Post-Acute Care.