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H5N1対策強化、FDAがmRNAワクチン生産拡大へ:牛乳安全性も確認

Last Updated on 2024-05-09 07:52 by 荒木 啓介

FDAコミッショナーのロバート・カリフは、2024年5月8日に行われた上院歳出委員会の公聴会で、H5N1鳥インフルエンザウイルスに関する準備状況について証言した。カリフは、現在流行しているH5N1ウイルスによる感染が牛乳製品には影響しないこと、またFDAがmRNAワクチン製造業者と協力して、ウイルスが人間に広範囲に感染する可能性に備えて生産規模を拡大しようとしていることを明らかにした。FDAはCDC、NIH、USDAと密接に連携し、H5N1の拡散に対処している。国内の生乳サンプルの約20%でH5N1が検出されたが、加熱殺菌により牛乳は安全であることがNIHと大学の農業研究者によっても確認されている。カリフの証言は、FDAの2025年度予算要求の一環として行われた。

【ニュース解説】

2024年5月8日に行われた上院歳出委員会の公聴会で、FDA(アメリカ食品医薬品局)のコミッショナーであるロバート・カリフ氏が、現在流行しているH5N1鳥インフルエンザウイルスに関する準備状況について証言しました。カリフ氏は、H5N1ウイルスが牛乳製品に影響を与えないこと、そしてFDAがmRNAワクチン製造業者と連携して、ウイルスが人間に広範囲に感染する可能性に備えて生産規模を拡大しようとしていることを明らかにしました。また、FDAはCDC(アメリカ疾病予防管理センター)、NIH(アメリカ国立衛生研究所)、USDA(アメリカ合衆国農務省)と密接に連携し、H5N1の拡散に対処していることも述べました。国内の生乳サンプルの約20%でH5N1が検出されたものの、加熱殺菌により牛乳は安全であることがNIHと大学の農業研究者によっても確認されています。

このニュースは、公衆衛生における重要な進展を示しています。H5N1鳥インフルエンザウイルスは、これまで主に鳥類に感染しているウイルスですが、人間に感染した場合、高い致死率を持つことが知られています。そのため、ウイルスが人間に広範囲に感染する可能性に備えることは、公衆衛生上極めて重要です。

mRNAワクチン技術は、COVID-19パンデミック時に急速に開発され、広く使用されるようになった新しいワクチン技術です。この技術を用いることで、迅速にワクチンを開発し、生産を拡大することが可能になります。H5N1ウイルスに対するmRNAワクチンの開発と生産拡大は、万が一ウイルスが人間に広範囲に感染した場合に迅速に対応できる体制を整える上で重要なステップです。

また、生乳サンプルにおけるH5N1ウイルスの検出と、加熱殺菌による安全性の確認は、食品安全に対する消費者の不安を和らげる上で重要な情報です。牛乳やその他の乳製品は日常的に消費されるため、これらの製品が安全であることを確認することは、公衆衛生を守る上で欠かせません。

このような取り組みは、将来的に新たな感染症が発生した際の対応策を構築する上での貴重な経験となります。また、公衆衛生危機に迅速かつ効果的に対応するための国際的な連携の重要性を改めて浮き彫りにしています。しかし、新しいワクチン技術の開発と導入には、安全性の確認や公平なアクセスの確保といった課題も伴います。これらの課題に対処しながら、感染症の拡大を防ぎ、公衆衛生を守るための取り組みを進めていくことが求められます。

from Senate appropriators question FDA commissioner on H5N1 virus prep.


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