Last Updated on 2025-01-08 10:14 by admin
Lotte Groupは2025年1月7日のCES 2025で、同社のメタバースプラットフォーム「Caliverse」にArbitrumブロックチェーンを採用することを発表しました。
Caliverseの主な特徴
- 仮想空間規模:4.4平方キロメートル(ソウルのLotte Worldの34倍)
- 対応言語:韓国語、英語、日本語
- 同時接続可能人数:コンサート会場で最大80,000人
- 主要参加ブランド:Givenchy、MCM、L’Occitane、fresh、7-Eleven、Tomorrowland
from:Lotte Group taps Arbitrum for Web3 entertainment experiences
【編集部解説】
Lotte Caliverseの本質と市場への影響
Lotte Caliverseは、単なるメタバースプラットフォームではなく、韓国最大手企業グループによる包括的なデジタルトランスフォーメーション戦略の一環として位置づけられています。
特筆すべきは、このプラットフォームがLotte Innovate社の子会社Caliverse社によって開発され、仮想空間の規模が実に4.4平方キロメートルに及ぶという点です。これはソウルのLotte World実店舗の34倍の広さに相当します。
技術的特徴とイノベーション
RebuilderAIとの提携により実現された3D技術は、従来のメタバースプラットフォームとは一線を画しています。スマートフォンだけで3Dスキャンが可能な技術により、ユーザーが自由にコンテンツを作成できる環境を整えています。
特に注目すべきは、Arbitrumブロックチェーンの採用です。250ミリ秒という高速なブロック処理時間により、仮想空間内での取引やインタラクションがほぼリアルタイムで実現されます。
市場戦略と展望
韓国のブロックチェーン市場において、ArbitrumはUbisoftとの提携に続き、Lotteとの協業を実現させました。これは単なる技術提携を超えて、アジア市場におけるWeb3エンターテインメントの新たな展開を示唆しています。
潜在的な課題とリスク
一方で、このプラットフォームには以下のような課題も存在します:
- デジタルデバイドの問題:高度な3D技術やVR機能は、一定のデバイススペックを要求します。
- データセキュリティ:ブロックチェーン技術を採用しているものの、個人情報保護やデジタル資産の管理には継続的な注意が必要です。
- 規制対応:各国のデジタル通貨規制やメタバース関連法制度への対応が求められます。
今後の展望
Lotteグループの約1,300兆ウォン(約130兆円)の資産規模と、30カ国での事業展開を考慮すると、Caliverseは単なる実験的プロジェクトではなく、グローバルなデジタルコマース戦略の中核を担う可能性を秘めています。
2025年前半に予定されている3D機能の本格展開により、従来のeコマースとリアル店舗の境界線が更に曖昧になることが予想されます。これは小売業界全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させる可能性があります。