Amazonは、配送用のプラスチック製エアピローを年間約150億個削減するため、これを100%リサイクル可能な紙製フィラーに置き換えると発表した。この紙製フィラーは、カーブサイドでリサイクル可能である。
2023年10月に、アメリカの自動化されたフルフィルメントセンターを開設し、プラスチック配送パッケージの排除を開始したことが、この移行の始まりだった。
Amazonは、北米でのプラスチックエアピローを95%削減し、年末までに完全に排除することを目指している。また、リサイクル可能な材料を優先するために、革新、テスト、拡大を続けるとしている。
この取り組みは、Amazonがパッケージ廃棄物を減らすために行ってきた初めてのステップではない。2015年には、Amazonの特徴的な茶色い箱の使用を減らし、商品をそのオリジナルのパッケージで配送する「Ships in Product Packaging」プログラムを開始している。
【編集者追記】用語解説
- エアピロー:
商品を保護するために使用される、空気を封入したプラスチック製の緩衝材です。軽量で柔軟性があり、商品の隙間を埋めて衝撃を吸収します。 - フルフィルメントセンター:
Amazonの物流拠点のことで、商品の保管、注文処理、梱包、出荷などを行う大規模な倉庫施設です。
【参考リンク】
Amazon サステナビリティ(外部)
※Amazonの環境保護や社会貢献に関する取り組みを紹介する公式サイト。気候変動対策や持続可能な包装などの情報が掲載されています。
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【ニュース解説】
Amazonが、配送時に使用するプラスチック製のエアピローを紙製フィラーに置き換えるという大規模な取り組みを発表しました。この変更により、年間約150億個のプラスチックエアピローの使用を削減し、100%リサイクル可能な紙製フィラーに切り替えることが目標です。この紙製フィラーは、家庭でのリサイクル回収(カーブサイドリサイクル)にも対応しています。
この取り組みは、2023年10月にアメリカで開設された自動化されたフルフィルメントセンターでのプラスチック配送パッケージの排除から始まりました。Amazonは、リサイクル可能な材料を優先するために、サプライヤーと協力して紙製フィラーの調達を進めています。北米におけるプラスチックエアピローは既に95%削減されており、年末までには完全に排除することを目指しています。
この動きは、Amazonがパッケージ廃棄物を減らすためにこれまでに行ってきた取り組みの一環です。2015年には、「Ships in Product Packaging」プログラムを通じて、Amazonの特徴的な茶色い箱の使用を減らし、商品をそのオリジナルのパッケージで配送するという試みも行っています。
この変更は、環境への配慮と持続可能なビジネスモデルへの移行を示すものであり、他の企業にも同様の取り組みを促す可能性があります。紙製フィラーへの切り替えは、廃棄物の削減とリサイクルの促進に寄与する一方で、サプライチェーンや製造プロセスにおける新たな課題を生じさせる可能性もあります。例えば、紙製フィラーの生産には、木材資源の消費が伴います。そのため、持続可能な森林管理やリサイクル紙の使用など、環境に配慮した材料調達が重要になります。
また、この取り組みは、消費者の環境意識の高まりに応える形とも言えます。消費者はますます、購入する製品だけでなく、その製品がどのように配送されるかにも注目しています。Amazonのような大手企業が環境に優しい配送オプションを提供することで、消費者の選択肢が広がり、環境保護への意識がさらに高まることが期待されます。
長期的には、このような取り組みが業界全体の標準となり、より持続可能な消費と生産のパターンへの移行を促すことができるでしょう。しかし、その達成には、技術革新だけでなく、消費者、企業、政府が一体となった取り組みが必要です。
from Amazon’s ditching the plastic air pillows in its boxes.