Last Updated on 2024-06-01 16:50 by 荒木 啓介
Salesforceの株価が木曜日の朝に18%下落し、2008年以来の最悪の日を迎える見通しである。この下落は、水曜日に同社が発表した2023年第1四半期の業績が、2006年以来初めてウォールストリートの収益予済みを下回った後に起こった。また、同社は予想よりも低いガイダンスを提供した。
期間中の収益は11%増の91億3000万ドルで、アナリストが予想した91億7000万ドルに届かなかった。Salesforceは第2四半期に調整後1株当たりの利益が2.34ドルから2.36ドル、収益が92億ドルから92億5000万ドルになると予想しているが、これはアナリストが予想した調整後EPS 2.40ドル、収益93億7000万ドルに届かない。
Citiのアナリストは、第1四半期にマクロ経済の課題が「激しく戻ってきた」と指摘し、他のソフトウェア企業も同様に弱い期間であったが、Salesforceの実行問題と市場戦略の変更が業績に影響を与えたと述べた。彼らは株価目標を260ドルから323ドルに下げた。
一方、Goldman Sachsのアナリストは株に対して買い評価を維持し、Salesforceを「高品質なソフトウェアフランチャイズ」と見なしている。彼らは、同社が投資家からの信頼を取り戻す必要があるとしつつも、金利の緩和、選挙サイクルの終了、および生成型AIが成長の触媒となると信じている。
Morgan Stanleyのアナリストは、Salesforceの結果を見ると成長への信頼が「多少揺らぐ」が、特に来年には生成型AIから恩恵を受けると信じている。彼らは株に対してオーバーウェイト評価を維持している。
【ニュース解説】
Salesforceの株価が大きく下落し、2008年以来の最悪の日を迎える見通しであることが報じられました。この下落は、同社が発表した2023年第1四半期の業績がアナリストの予想を下回ったことに起因しています。期待されていた収益に対して、実際の収益はわずかに不足し、また、今後の業績見通しもアナリストの予想を下回るものでした。
この状況は、マクロ経済の課題が再び顕著になったこと、他のソフトウェア企業も同様に苦戦している中で、Salesforce自身の実行問題や市場戦略の変更が影響を与えたと分析されています。これにより、一部のアナリストは同社の株価目標を下方修正しました。
しかし、他のアナリストからは、Salesforceが高品質なソフトウェアフランチャイズであり、金利の緩和、選挙サイクルの終了、そして特に生成型AI(Generative Artificial Intelligence)の活用によって、今後成長の機会を見出せるというポジティブな見方も出ています。生成型AIは、テキスト、画像、音声などのデータから新しいコンテンツを生成する技術であり、ビジネスの効率化や新たなサービスの提供など、幅広い応用が期待されています。
このニュースから読み取れるのは、Salesforceが直面している短期的な課題と、長期的な成長潜在力の両面です。短期的には、マクロ経済の不透明さや自社の戦略的な調整が必要な状況にありますが、長期的には、生成型AIなどの先進技術を活用することで、新たな成長機会を掴む可能性があるということです。
生成型AIの活用は、顧客体験の向上や業務プロセスの自動化など、企業にとって多大なメリットをもたらす可能性があります。しかし、技術の導入と運用には、倫理的な考慮やセキュリティ対策など、慎重な管理が求められるでしょう。また、このような技術の進化は、規制当局による新たな規制やガイドラインの策定を促す可能性もあります。
将来的には、Salesforceがこの挑戦を乗り越え、生成型AIをはじめとする技術革新をビジネス成長の原動力として活用できるかが注目されます。その過程で、同社がどのように市場の信頼を取り戻し、投資家に対してそのビジョンを明確に示すことができるかが、重要な鍵となるでしょう。
from Salesforce shares tumble 17%, on pace for worst day since 2008.