Google Search Console大幅変動の真相、num=100パラメータ削除で業界に衝撃

[更新]2025年9月21日19:16

Google Search Console大幅変動の真相、num=100パラメータ削除で業界に衝撃 - innovaTopia - (イノベトピア)

LOCOMOTIVE AgencyのテクニカルSEOディレクターであるタイラー・ガーギュラ氏が319のプロパティを対象に分析を実施した結果、Googleのnum=100パラメータ削除により87.7%のサイトがGoogle Search Consoleでのインプレッションを失ったことが判明した。

クエリ数では77.6%のサイトがユニークなランキング用語を失った。ショートテールとミドルテールキーワードが最も大きな影響を受けた。3ページ目以降に表示されるクエリが減少する一方、トップ3と1ページ目により多く表示されるようになった。

多くのウェブサイトでデスクトップインプレッションの減少が見られ、先週後半から平均位置の急激な上昇が発生している。SemrushAccurankerなどのプラットフォームが混乱を認め修正に取り組んでいる。

SEO専門家のブロディ・クラーク氏num=100に関連するスクレイパーが何年もGoogle Search Consoleメトリクスを歪めていた可能性があると指摘した。Googleはこの変更が恒久的か偶発的かについて言及していない。ガーギュラ氏LinkedInでデータを共有した。

From: 文献リンク77% of sites lost keyword visibility after Google removed num=100: Data

【編集部解説】

今回のGoogleによるnum=100パラメータ削除は、検索エンジン業界にとって単なる技術的な変更以上の意味を持っています。このパラメータは、検索結果を100件まで表示する機能でしたが、その削除により検索データの正確性が向上する一方で、多くのSEO担当者が混乱に陥っているのが現状です。

最も注目すべき点は、87.7%という圧倒的な割合のサイトでインプレッションが減少した事実でしょう。しかし、これは必ずしもサイトの実際のパフォーマンス低下を意味するものではありません。むしろ、これまでスクレイパーによって人為的に膨らまされていたデータが正常化されたと見るべきです。

特に興味深いのは、ランキング分布の変化です。3ページ目以降の表示が減少し、トップ3や1ページ目への表示が増加したことは、検索結果がより実際のユーザー行動を反映するようになったことを示唆しています。これは、SEO戦略において上位表示の重要性がさらに高まることを意味します。

SemrushAccurankerといった主要なSEOツールプロバイダーが対応に追われている状況は、業界全体がこの変更に適応する過程にあることを物語っています。長期的に見れば、より正確なデータに基づいたSEO戦略の立案が可能になるでしょう。

ただし、短期的にはレポートの数値が実際よりも悪く見えるため、クライアントへの説明や社内報告において注意が必要です。データの解釈には、この背景を理解した上での慎重なアプローチが求められます。

【用語解説】

num=100パラメータ
Googleの検索URLに追加することで、検索結果を100件まで表示できる機能。通常の検索では10件ずつ表示されるが、このパラメータにより一度に多くの結果を閲覧可能だった。

Google Search Console
Googleが無料で提供するウェブマスター向けツール。サイトの検索パフォーマンス、インデックス状況、技術的な問題などを監視・分析できる。

インプレッション
検索結果にサイトのページが表示された回数。ユーザーがクリックしなくても、検索結果画面に表示されるだけでカウントされる。

スクレイパー
ウェブサイトからデータを自動的に収集するプログラムやツール。検索結果の大量取得などに使用される。

ショートテール・ミドルテールキーワード
検索語の分類。ショートテールは1-2語の短い検索語、ミドルテールは3-4語程度の中程度の長さの検索語を指す。

【参考リンク】

LOCOMOTIVE Agency(外部)
デジタルマーケティングとSEOサービスを提供するエージェンシー。今回の分析を行ったタイラー・ガーギュラ氏が所属する。

Semrush(外部)
SEOとデジタルマーケティングのための包括的なツールスイートを提供するプラットフォーム。キーワード分析、競合調査などが可能。

Accuranker(外部)
検索順位追跡に特化したSEOツール。正確なランキングデータとレポート機能を提供する。

【編集部後記】

今回のGoogleの変更は、私たちが普段目にしているSEOデータの「裏側」を垣間見せてくれる貴重な事例でした。87.7%のサイトでインプレッションが減少したという数字は衝撃的ですが、これは必ずしも悪いニュースではありません。むしろ、これまで見えなかった「真の姿」が現れたとも言えるでしょう。

皆さんがWebサイトを運営されている場合、最近Search Consoleの数値に変化はありませんでしたか?もしそうであれば、それは今回の変更の影響かもしれません。また、SEOツールを使われている方は、データの解釈にこれまで以上の注意が必要になりそうです。

検索エンジンの進化は止まることなく、私たちもその変化に適応し続けなければなりません。今後どのような変化が待ち受けているのか、一緒に注目していきませんか?

投稿者アバター
TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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