#まいにち創作の秋 Day 3:紆余曲折の『王冠』、AIとの対話で見つけた最高のダジャレ
「#まいにち創作の秋」3日目。本日のお題は…『CROWN』!
王冠、ですか。なるほど、どストレート。昨日までの『MUSTACHE』や『WEAVE』のような、解釈の幅があるお題とは打って変わって、今回は「モノ」そのものがテーマですね。これは逆に難しいぞ…?と、頭を悩ませるところからスタートです。

迷走と閃きとAIと。画像生成の舞台裏
まずは私の優秀な相談役であるGEMINIに、「Inktoberの今日のお題が『王冠』なんだけど、面白くするアイデアない?」と泣きつきました。すると返ってきたのは、アイデアの洪水。
GEMINI:
「誰が」かぶる?でひねる(例:ハムスター、タコ)、「どんな」王冠?でひねる(例:氷、ガラクタ)、「どんな状況?」で物語を…(例:泥に落ちた王冠)
なるほどなるほど。この中から「自然物でできた王冠」というアイデアを試してみたのですが…どうもしっくりこない。悪くはないけど、心が躍らない。イマイチ、ぴんと来ないんです。
「うーん…」と唸っていたその時、天から(というか脳内から)ダジャレが降ってきました。
私: 「…そうだ!GEMINI先生! クラウンをかぶったクラウンとかどうかな?王様気取りの滑稽なピエロとか?」
この渾身のオヤジギャグに、GEMINIが食いついてくれました。しかも、最高の形で!
GEMINI:
素晴らしいアイデアですね!「クラウンをかぶったクラウン」というのは、言葉遊びとしても面白く、絵としても非常に魅力的で物語性を感じさせます。「王様気取りの滑稽なピエロ」というコンセプトは、Inktoberのお題「王冠」にぴったりのひねりです!描く上でのポイントになりそうなこと:
- 王冠の描写: 本物の豪華な王冠か、それともピエロが自分で作ったような安っぽい王冠か。
- ピエロの表情とポーズ: 誇らしげに見えるけれどどこか滑稽、自信満々だけどバランスが悪い、といった表情で。
- 背景: サーカスのテントや舞台裏、あるいは意外な場所(ゴミ捨て場など)にいることで、さらにストーリーが膨らみます。
これだ!これですよ!GEMINIの的確なアシストで、「ゴミ捨て場で、自分で作ったであろう段ボールの王冠をかぶり、得意げになっている哀愁漂うピエロ」という最高のシナリオが固まりました。
そして「ごみの町で、尊大な態度をとるキングピエロ」という、これ以上ないほど完璧なプロンプトをGEMINIのnanobananaスタイルに投げ込み、出来上がったのがこちらの傑作です。

見てください、この堂々たる姿!ゴミ袋と廃タイヤで築かれた玉座に腰掛け、杖の代わりにほうきを手に、民(カラスか?)に何かを宣言しているかのようです。手作り感満載の王冠、誇らしげな表情、そして背景に散らばるゴミの山…。まさに「王様気取りの滑稽なピエロ」そのもの。滑稽さと哀愁が同居した、最高の作品が生まれてしまいました。
王様ピエロが奏でる、ヘビメタチンドン屋賛歌
さて、この傑作に合わせる音楽です。普通に考えれば物悲しいサーカス音楽ですが、このキングピエロ、ただ者じゃありません。もっとパンチの効いた、前代未聞のサウンドがふさわしいはず。
またもやGEMINIに、今度は無茶振りをしてみます。
私:
この絵をモチーフにしてSunoで曲を作ります。歌詞とプロンプトを考えてください。
チンドン屋とヘビーメタルが融合したようなスタイルでリフがゴリゴリなんだけど、なぜかそこはかとなく哀愁が漂う、そんな曲がいいです。
歌詞は英語だけど、サビに日本語をいれて耳に残るようにしてください。
この無茶なオーダーに対し、GEMINI先生が叩き出してきた回答が、もはや芸術の域でした。
GEMINI:
歌詞 (Lyrics)
(Verse 1)
Broken streets and shattered dreams, a kingdom made of waste
Cardboard crown, a rusty gleam, in this forsaken place
…
(Chorus)
Oh, the trash heap king, I rule this broken land
“我こそが、この世界の覇者!” (Ware koso ga, kono sekai no hasha!) – with a sweeping hand
…Suno プロンプト (Suno Prompt)
Style of Music:
High-speed Theatrical Heavy Metal with elements of traditional Japanese festival music. Gritty, driving, and relentlessly fast guitar riffs.
Description/Keywords:
Very fast tempo, aggressive guitar riffs, blast beats/double bass drums, distorted bass, dramatic and powerful vocals, melancholic melody lines…
…**「日本の祭りや雅楽のようなスケール」**は、Sunoが直接「雅楽」と認識しなくても、「Japanese traditional music influence (subtle)」とすることで、それっぽいメロディや音使いを試みてくれる可能性があります。
「我は王!」から「我こそが、この世界の覇者!」への進化。チンドン屋が「日本の祭りや雅楽」に、ヘビメタが「High-speed Theatrical Heavy Metal」に。単語一つ一つが、より解像度高く、より過激に、よりドラマチックにアップデートされています。もう、私の想像を遥かに超えてきました。
この神プロンプトを手に、音楽生成AI「Suno」のCustom Modeに歌詞とスタイルを投入します。
出来上がったのが、こちらの曲です。
https://suno.com/s/l6gL0k6rMvRhV7jc
凄まじい速さのドラムとギターリフ。そこに被さる、どこか和のテイストを感じさせる物悲しい旋律。そして、シャウト混じりの英語の歌詞から、サビで高らかに宣言される「我こそが、この世界の覇者!」。もはや笑うしかない。滑稽で、哀しくて、でも最高にかっこいい。キングピエロの生き様そのものが音になったような、とんでもない曲が完成しました。
まとめ:遠回りこそが創作の近道だった
というわけで、3日目の『CROWN』、いかがでしたでしょうか。
一度は違う方向に進みかけたものの、「何か違う」という違和感を信じて、AIと対話を重ねた結果、自分でも予想していなかった「クラウンをかぶったクラウン」という最高のアイデアにたどり着くことができました。創作って、一直線に進むことばかりじゃないんですね。この遠回りこそが、面白い作品を生む近道なのかもしれません。
さて、明日はどんなお題が待ち受けているのか。どんな遠回りをすることになるのか、今から楽しみです。
それでは、また明日!