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Apple折りたたみiPhone「iPhone Flip」2026年発売へ、クオ氏が予測―価格2000ドル超で初期出荷500万台

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-07-17 17:59 by 乗杉 海

Appleが開発中の折りたたみスマートフォン「iPhone Flip」に関する最新情報が明らかになった。

Appleアナリストのミンチー・クオ氏は2025年6月、iPhone Flipの生産が2026年に開始され、同年に発売される可能性があると予測した。市場の噂によるとAppleは2026年以降に販売される1500万から2000万台のiPhoneを発注済みだが、ヒンジなど多くの部品が未確定で、組み立て業者のFoxconnも第3四半期から第4四半期に正式開始予定のため、タイムラインは変更される可能性がある。

クオ氏は2025年3月の報告で、7.8インチのクリースフリー内部ディスプレイと5.5インチの外部ディスプレイを搭載したブック型折りたたみになると予測し、価格は2000ドルから2500ドルで初期出荷予測は300万から500万台とした。
一方で調査会社の報告によると、2024年の折りたたみスマートフォン販売台数はIDCが約2500万台11、TrendForceが約1770万台と予測している。Appleは2024年9月9日にiPhone 16シリーズを発表し、9月20日に発売した。Samsung、Google、Motorolaが既に折りたたみスマートフォンを販売する中、Appleは大手メーカーで唯一この分野に参入していない。

From:
iPhone ‘Flip’: The Apple Foldable Is Still Rumored To Come in 2026

【編集部解説】

Appleの折りたたみスマートフォン参入の意味を理解するには、現在の市場状況を把握することが重要です。Samsung、Google、Motorolaなどが既に5年間このカテゴリーで競合している中、Appleは大手メーカーの中で唯一参入していません。

しかし、この「遅れ」は実は戦略的な判断である可能性があります。Appleは初代iPhoneの発売時にも、すでに存在していたスマートフォン市場に後発で参入し、結果的に市場全体を革新しました。折りたたみスマートフォンでも同様のアプローチを取っていると考えられます。

技術的な課題の克服が鍵となっています。記事で言及されている「クリース」(折り目)の問題は、現在の折りたたみスマートフォンの最大の弱点です。Samsung Galaxy Z Fold 6やZ Flip 6でも改善されてはいますが、完全に解決されていません。Appleが「クリースフリー」のディスプレイを実現できれば、大きな競争優位性を得ることになります。

市場への影響を考えると、2024年の折りたたみスマートフォン市場は1930万台と、全体のスマートフォン市場の約1.5%程度に過ぎません。しかし、Appleの参入により状況は劇的に変化する可能性があります。過去の例から見ると、Apple Watchやワイヤレスイヤホンのように、Appleが参入することで市場全体の認知度と売上が飛躍的に向上することが予想されます。

価格面でのハードルも見逃せません。予想される2000-2500ドルという価格帯は、現在のiPhone Pro Maxの約2倍に相当します。これは初期採用者に限定される価格帯であり、マスマーケットへの普及には時間がかかるでしょう。

技術的な観点では、AppleがCorningと連携して開発している曲がるCeramic Shieldガラスの完成度が重要です。現在のUTG(Ultra Thin Glass)技術では耐久性に限界があり、Appleの品質基準を満たすには新しいアプローチが必要です。

長期的な視点で見ると、折りたたみスマートフォンは単なる画面サイズの拡張以上の意味を持ちます。マルチタスク処理、生産性向上、新しいユーザーインターフェースの可能性など、コンピューティング体験の根本的な変化をもたらす可能性があります。

ただし、リスクも存在します。耐久性の問題、高価格による普及の遅れ、そして消費者の実際のニーズとの乖離などが挙げられます。Apple Intelligence(AI機能)の展開に注力している現在のAppleが、折りたたみスマートフォンにどの程度のリソースを割くかも注目すべき点です。

【用語解説】

クリース:折りたたみスマートフォンのディスプレイを展開した際に画面中央に現れる折り目のこと。現在の技術では完全に除去することが困難で、視認性や操作性に影響を与える主要な技術課題である。

ブック型:本のように横に折りたたむ形式の折りたたみスマートフォン。Galaxy Z Foldシリーズのような横折り型で、展開時にタブレットサイズの画面になる。

UTG(Ultra Thin Glass):超薄型ガラスの略称。厚さ30μm程度の極薄ガラスで、折りたたみディスプレイのカバー材料として使用される。

Apple Intelligence:Appleが開発した生成AI技術スイート。iPhone 16シリーズおよびiPhone 15 Pro以上に搭載され、写真編集、文章生成、要約機能などを提供する。

iOS 18:Appleのモバイルオペレーティングシステムの18番目のメジャーバージョン。2024年9月16日にリリースされ、Apple Intelligence機能を段階的に導入している。

Ceramic Shield:AppleがCorningと共同開発したiPhone用の強化ガラス。従来のガラスより4倍高い耐落下性能を持つ。

ミンチー・クオ(Ming-Chi Kuo):台湾の著名なApple製品アナリスト。サプライチェーン情報に基づいた正確な予測で知られ、Apple製品の動向分析における第一人者である。

【参考リンク】

Apple(外部)
iPhone、iPad、Mac、Apple Watchなどの製品を開発・販売するアメリカの多国籍技術企業
Samsung(外部)
Galaxy Fold、Galaxy Flipシリーズなど折りたたみスマートフォン市場をリードする韓国の電子機器メーカー
Motorola(外部)
Razr Plusシリーズなど折りたたみスマートフォンを展開するアメリカのモバイル機器メーカー
Foxconn(外部)
台湾に本社を置く世界最大の電気機器受託製造企業。AppleのiPhoneをはじめ多くの電子機器を製造
Corning(外部)
アメリカのガラス・セラミックス製造企業。iPhoneのCeramic Shieldガラスを供給

【参考記事】

Apple’s First Foldable iPhone Predictions: Market Positioning(外部)
著名アナリストのミンチー・クオ氏による、Appleの折りたたみiPhoneの技術仕様と価格に関する詳細な予測レポート
Apple’s foldable iPhone moves closer to a 2026 launch(外部)
2026年発売に向けたApple折りたたみiPhoneの生産計画と1500万〜2000万台という野心的な生産目標の報道
Foldable Smartphone Market Stalls in 2024 and 2025(外部)
2024年の折りたたみスマートフォン市場の成長鈍化と2019年から2023年まで続いた40%以上の年間成長率の背景分析
TrendForce: Foldable Phone Shipments Gradually Rise(外部)
2024年の折りたたみスマートフォン出荷台数が1780万台(市場シェア1.5%)になるという市場調査会社の予測
Samsung Galaxy Z Flip 6 First Take(外部)
Galaxy Z Flip 6でのクリース改善とSamsungの折りたたみスマートフォン技術の進歩についてのハンズオンレビュー
Apple patent for ‘Electronic Devices With Durable Folding Displays’(外部)
2024年7月に付与されたAppleの折りたたみディスプレイ特許の技術的詳細と耐久性向上のためのヒンジ機構についての分析

【編集部後記】

ついにAppleが折りたたみスマートフォンに本格参入する可能性が高まってきましたね!これまでSamsungやGoogleの製品を横目で見ながら「iPhoneでも折りたたみが出たらなあ」と思っていた方も多いのではないでしょうか。特に7.8インチの「クリースフリー」ディスプレイという部分には心が躍ります。あの目立つ折り目がついに解決されるかもしれないなんて、さすがAppleですよね。

ただ、気になるのはやはり価格です。2000ドルから2500ドルということは、日本円で約30万円から37万円程度になる可能性があります。現在のiPhone 15 Pro Maxが約20万円程度ですから、その1.5倍以上。これは正直、かなり勇気のいる価格帯ですよね。初期の300万台から500万台という出荷予測も、この価格を考えると納得できる数字かもしれません。

でも、過去のApple製品を振り返ると、初代iPhoneもApple Watchも最初は「高すぎる」と言われていました。それがいつの間にか当たり前の価格になっているのを考えると、折りたたみiPhoneも数年後には「普通」の選択肢になっているかもしれませんね。皆さんはいくらまでなら購入を検討されますか?

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乗杉 海
新しいものが大好きなゲーマー系ライターです!

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