Last Updated on 2024-06-04 21:02 by 荒木 啓介
Mozillaは、Firefoxブラウザの背後にある会社で、2020年にほとんどのWeb中心のXR開発を終了しました。その時、WebベースのソーシャルVRアプリ「Hubs」は終了の対象から外されました。しかし、新たな組織全体の再構築の後、Hubsの全開発は2024年5月に終了することが決定しました。Hubsは2018年に立ち上げられたXRチャットルームで、VRヘッドセットユーザーと標準のモニターやスマートフォンユーザーがブラウザ内で直接接続できる場を提供していました。インストール不要のWebXRソーシャルアプリとしては印象的でしたが、Rec Room、VRChat、MetaのHorizon Worldsのようなよりサポートされたアプリには人気が及ばなかったようです。Hubsの責任チームは最近、ブログ投稿で2024年5月31日をもってMozillaの下でのHubsの運営が終了することを発表しました。これには、Hubsのデモサーバー、管理されたサブスクリプション、コミュニティリソースの終了が含まれます。
新しいサブスクリプションの無効化は3月1日に始まり、5月31日にHubsの全作業が終了するまで、サービスの終了に向けた数ヶ月の移行期間が提供されます。ユーザーデータをダウンロードするためのツールが4月1日にリリースされる予定です。MozillaはHubsのコードベースとコミュニティリソースのアクティブな開発やメンテナンスを終了後も続けることはありませんが、Hubsのコードはオープンソースであるため、誰でも独立した開発を続けることができます。同社は、いわゆる「コミュニティエディション」のHubsがKubernetesをサポートする任意のプラットフォームで実行できることを強調しており、これにはAmazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどの多くのクラウドサービスが含まれます。
【ニュース解説】
Mozilla、Firefoxブラウザの開発元として知られる企業が、WebXRソーシャルアプリ「Hubs」の開発を2024年5月に終了することを発表しました。Hubsは2018年に立ち上げられた、VRヘッドセットユーザーだけでなく、標準のモニターやスマートフォンユーザーもブラウザを通じて接続できるXRチャットルームです。このアプリはインストール不要で利用できる点が特徴でしたが、他のソーシャルVRアプリと比べて大きな人気を獲得するには至りませんでした。
この決定は、Mozillaによる組織全体の再構築の一環として行われました。Hubsのサービス終了に向けて、新しいサブスクリプションの無効化が3月1日から始まり、5月31日には全ての作業が終了します。ユーザーデータをダウンロードするためのツールが4月1日に提供される予定です。
Hubsのコードはオープンソースであるため、Mozillaによる開発終了後も、独立した開発者や組織が引き続き利用や開発を行うことが可能です。特に、Hubsの「コミュニティエディション」は、Kubernetesをサポートする任意のプラットフォームで実行できるため、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどのクラウドサービスでの運用が可能です。
このニュースは、WebXR技術の発展と普及に向けたMozillaの取り組みに一定の終止符を打つものであり、同時にオープンソースコミュニティに新たな可能性を提示しています。Hubsの開発終了は、他のソーシャルVRプラットフォームとの競争が激化する中での戦略的な撤退とも解釈できますが、オープンソースという性質が、今後も技術やコミュニティの発展に貢献する道を残しています。
ポジティブな側面として、Hubsのオープンソース化は、開発者や研究者にとって貴重なリソースとなり、新たなイノベーションを生み出す基盤となる可能性があります。一方で、Mozillaによる公式サポートの終了は、セキュリティや機能更新に関する懸念を引き起こす可能性もあります。長期的には、Hubsの技術やコンセプトが他のプラットフォームやアプリケーションに取り入れられ、WebXR技術の普及と発展に寄与することが期待されます。
from Mozilla is Shutting Down Development on WebXR Social App ‘Hubs’.
“Mozilla、2024年5月に「Hubs」開発終了を発表 – WebXRの未来に新展開” への1件のコメント
MozillaがHubsの開発を終了するというニュースは、確かに複雑な感情を抱かせますね。一方で、技術の進化と市場の需要は常に変化しており、企業がその流れに合わせて戦略を変更するのは理解できます。私が電気店を経営している身としても、時代の変化に合わせて商品ラインナップを調整することの重要性はよく理解しています。
HubsのようなWebXRソーシャルアプリが提供していたブラウザベースでのアクセシビリティは、非常に魅力的な概念でした。特に、VRヘッドセットを持っていない人も参加できる点が素晴らしいと思います。地域の祭りやイベントへの参加が好きな私からすると、仮想空間でのコミュニティの集まりというのは、新しい形の交流の場として非常に魅力を感じます。
しかし、競合する他のソーシャルVRアプリと比べて、Hubsが大きな人気を獲得するには至らなかったというのは残念です。技術の優れているものが必ずしも市場で成功するとは限らない、という現実を改めて感じさせられます。
それでも、MozillaがHubsのコードをオープンソースとして提供し続けるという決定は評価できる点です。これにより、他の開発者や組織がこの技術を継承し、新たな形で