Last Updated on 2024-06-25 05:04 by 門倉 朋宏
Ultraleapは、VRヘッドセット用のイベントカメラを使用したハンドトラッキング技術を展示している。この技術は市場で最高品質を誇り、従来は専用ハードウェアが必要だったが、新しいデバイスではヘッドセットのカメラのみでトラッキングが可能になった。
イベントカメラは、変化のみを検出することでリソース消費を抑え、高フレームレートで動作する。Ultraleapはこのカメラを用いてマイクロジェスチャーのトラッキングを行い、ARグラスへの応用可能性を調査している。
イベントカメラの課題としては、マイクロジェスチャーの検出精度の向上が挙げられる。デッドタイムを導入することで精度を向上させることができるが、手をカメラに見える位置に保持する必要があり、長時間使用には不便がある。
将来的には、イベントカメラを使用したハンドトラッキング技術をLeap Motion Controller 2と同等の品質にすることを目指している。この技術は軽量なARグラスに適しており、低消費電力で高反応性を持つため、バッテリー寿命の延長に貢献する。ただし、イベントカメラはプロトタイプ段階であり、製品化にはさらなる開発が必要である。
【ニュース解説】
Ultraleap社が開発したイベントカメラを使用したハンドトラッキング技術は、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の分野で注目を集めています。この技術は、従来のハードウェアに依存することなく、ヘッドセット内蔵のカメラだけで手の動きを正確に追跡することが可能です。
イベントカメラは、画像の変化のみを検出する特殊なカメラであり、各ピクセルが独立して動作し、明るさの変化を検出します。これにより、従来のカメラに比ぼてリソース消費を大幅に削減し、非常に高いフレームレートで動作することが可能になります。Ultraleapは、このイベントカメラを使用して、マイクロジェスチャーの検出に成功しており、将来的にはフルハンドトラッキングにも応用できる可能性を探っています。
イベントカメラを使用したハンドトラッキング技術の最大の利点は、その軽量性と低消費電力にあります。これにより、バッテリー駆動時間が長い軽量なARグラスに最適であり、ユーザーが一日中快適に使用できる製品の開発が期待されます。
しかし、この技術にはまだ課題があります。特に、マイクロジェスチャーの検出精度をさらに向上させる必要があります。また、手をカメラが捉えられる位置に保持する必要があるため、長時間の使用には不便を感じる可能性があります。
Ultraleapは、イベントカメラを使用したハンドトラッキング技術をLeap Motion Controller 2と同等の品質にすることを目指しています。この技術が製品化されれば、VRやARの体験をより自然で直感的なものに変えることができるでしょう。しかし、現在はまだプロトタイプ段階であり、実用化にはさらなる開発と改良が必要です。
この技術の発展は、VRやARの分野におけるユーザーインターフェースの進化に大きく貢献する可能性を秘めています。しかし、その実現には、精度の向上、ユーザビリティの改善、そしてコストの削減など、多くの課題を克服する必要があります。今後のUltraleapの取り組みと技術の進化に注目が集まります。
from AWE: Ultraleap’s event cameras may be the future of hand tracking.