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Google Veo 3が無料公開開始、音声付きAI動画生成がVertex AIで試用可能に

Google Veo 3が無料公開開始、音声付きAI動画生成がVertex AIで試用可能に - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-06-29 17:10 by TaTsu

GoogleのAI動画生成ソフトウェア「Veo 3」が2025年6月27日、Vertex AIのパブリックプレビューで全Google Cloudユーザーに公開された。

Veo 3は2025年5月20日のGoogle I/O 2025で発表された次世代AI動画生成技術で、前身のVeo 2から大幅に進化している。

主な機能は、テキストプロンプトから動画と音声を同時生成し、対話音声、環境音、効果音、背景音楽を含む豊かなサウンドスケープを一度のパスで作成することである。

現実世界の物理法則をシミュレートし、水の動き、影の表現、人間の自然な動作を再現する。キャラクターの一貫性を保ちながらシーン間での継続性も実現し、高精度なリップシンク機能を備えている。

従来はGoogle AI Ultraサブスクリプション月額249.99ドル、またはAdobe Firefly、Freepik、LTX Studioなどのサードパーティサービス経由でのみ利用可能だった。Vertex AIでの公開により、Google Cloudアカウントがあれば試用できるようになった。

From: 文献リンクHow to try out Google’s stunning Veo 3 AI movie maker for free

【編集部解説】

Veo 3の一般公開は、AI動画生成分野における重要な転換点を示しています。これまで月額249.99ドルという高額な料金体系により、実質的に企業や専門クリエイターに限定されていた最先端技術が、Google Cloudアカウントさえあれば誰でも試せるようになったのです。

この技術の核心は「マルチモーダル生成」にあります。従来のAI動画生成ツールは映像のみを生成し、音声は後付けで追加する必要がありました。しかしVeo 3は、テキストプロンプトから映像と音声を同時に生成し、リップシンクまで自動で調整します。これは技術的に非常に困難な課題でした。

特に注目すべきは物理法則のシミュレーション精度です。水の流れ、影の動き、人間の自然な動作など、現実世界の物理現象を高精度で再現できるため、従来のCGでは膨大な時間とコストが必要だった映像制作が大幅に簡素化されます。

Google I/O 2025での発表以降、Veo 3は段階的に展開されています。まず5月21日にアメリカ限定でGoogle AI UltraとVertex AI Enterpriseユーザー向けに公開され、その後5月25日には日本を含む71カ国で利用可能になりました。今回のVertex AIパブリックプレビューは、さらなる普及を目指した重要なステップです。

一方で、著作権問題という深刻な課題も浮上しています。AI学習データに含まれる著作物の「過学習」を防ぐため、既存作品の権利者であっても、自分の作品を元にした動画生成が制限される可能性があります。これはクリエイターの創作活動に制約をもたらす矛盾を生んでいます。

長期的な影響として、映像制作の民主化が進むことで、個人クリエイターや中小企業でも高品質な動画コンテンツを制作できるようになります。しかし同時に、フェイク動画の生成リスクや、既存の映像制作業界への影響も懸念されます。

規制面では、生成AI技術の急速な発展に対し、各国政府が追いつけない状況が続いています。特に音声付き動画生成は、ディープフェイク技術との境界が曖昧であり、新たな法的枠組みの整備が急務となっています。

【用語解説】

Vertex AI
Googleが提供するクラウドベースの機械学習プラットフォーム。130を超えるAIモデルを利用でき、開発からデプロイまでワンストップで実行可能。

Google I/O
Googleが毎年開催する開発者向けカンファレンス。2025年は5月20日に開催され、最新のAI技術やサービスが発表される。

リップシンク
音声と口の動きを同期させる技術。AI動画生成において、自然な会話シーンを作成するために重要な要素。

マルチモーダル生成
テキスト、画像、音声など複数の形式のデータを同時に生成するAI技術。Veo 3では映像と音声を一度に作成する。

物理法則シミュレーション
現実世界の物理現象をコンピュータで再現する技術。水の流れ、影の動き、重力などを正確に表現する。

パブリックプレビュー
正式リリース前に一般ユーザーが試用できる状態。機能制限や不安定性がある場合もある。

Flow
Veo向けに設計されたGoogleのAI映像制作ツール。動画クリップの連続生成や編集機能を提供。

【参考リンク】

Google Cloud Vertex AI(外部)
Googleの統合機械学習プラットフォーム。Veo 3を含む130以上のAIモデルにアクセス可能

Adobe Firefly(外部)
Adobeが開発したAI画像・動画生成ツール。商用利用可能で著作権問題をクリア

Freepik(外部)
スペイン発の画像・動画素材サイト。AI生成機能も搭載し無料版と有料版を提供

LTX Studio(外部)
AI駆動の包括的映像制作プラットフォーム。ストーリーボード生成から編集まで対応

【参考動画】

【参考記事】

Google’s Veo 3 AI video generator is now available to everyone(外部)
Veo 3の一般公開と技術的特徴、クリエイティブ業界への影響について詳細に報告。企業での活用事例も紹介。

Veo 3 available for everyone in public preview on Vertex AI(外部)
Google Cloud公式ブログによるVeo 3のVertex AI展開発表。技術仕様と3つの主要機能について公式見解を提示。

Google’s Veo 3 AI video generator is unlike anything you’ve seen before(外部)
Veo 3の革新性とAI動画生成技術の進歩について分析。ディープフェイク問題への懸念も言及。

【編集部後記】

Veo 3の登場により、私たちは創作活動の新たな地平に立っています。これまで映像制作に必要だった高額な機材や専門知識の壁が、一気に低くなったのではないでしょうか。

皆さんなら、この技術をどのように活用されますか?個人的なストーリーテリング、ビジネスでのプレゼンテーション、それとも全く新しい表現方法の探求でしょうか。一方で、AI生成コンテンツが溢れる時代において、人間らしい創造性とは何かという根本的な問いも浮かび上がります。技術の進歩と共に歩む私たちの創作活動について、ぜひ皆さんのお考えをお聞かせください。

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TaTsu
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