楽天×日本HP、オフラインでも使える「Rakuten AI」搭載PCを2026年春発売へ

楽天×日本HP、オフラインでも使える「Rakuten AI」搭載PCを2026年春発売へ - innovaTopia - (イノベトピア)

楽天グループ株式会社と株式会社日本HPは、HPが日本全国で販売するPCに先進的エージェント型AIツール「Rakuten AI」のデスクトップ版を導入する協業に合意した。

2026年春から夏にかけて、日本国内におけるHP製の個人向けおよび法人向けデバイスに「Rakuten AI」がプリバンドルされた状態で順次販売される予定である。他社デバイスへの「Rakuten AI」導入、およびオンデバイスAIによりオフラインでもオンラインでも利用できるのは今回が初めてとなる。「Rakuten AI」のローカルモデルをオンデバイスAIとしてデバイス上で実行することで、機密データのプライバシー保護を強化しながら複雑なタスクの実行を可能にする。

同サービスは要約、ライティング、翻訳といった汎用的なエージェント機能に加え、ショッピング、旅行予約、家計管理などをサポートする専門的な取引エージェント機能を提供する。楽天が展開する70以上のサービスとの連携が可能で、日本語および日本文化に最適化されている。

From: 文献リンク楽天と日本HP、HPのPCに「Rakuten AI」を初導入

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イメージ(出所:楽天公式)

【編集部解説】

今回の楽天と日本HPの提携は、日本のAI市場において重要な転換点を示しています。これまでのAIアシスタントの多くはクラウドベースでの動作を前提としていましたが、Rakuten AIは「オンデバイスAI」という新しいアプローチを採用しました。

オンデバイスAIとは、インターネット接続がない状態でもデバイス上で直接AIモデルを実行できる技術です。これにより、飛行機の機内や地下鉄など通信環境が不安定な場所でも、AIアシスタント機能を途切れることなく利用できます。

セキュリティ面でも大きなメリットがあります。機密性の高い業務データをクラウドに送信せず、PC内部で処理を完結できるため、情報漏洩リスクを大幅に低減できます。特に法人ユーザーにとって、GDPRや日本の個人情報保護法といった規制への対応がしやすくなることは見逃せません。

さらに注目すべきは、楽天が展開する70以上のサービスとの連携機能です。例えば「祖父へのお土産を選びたい」とAIに尋ねると、楽天市場を横断的に検索して提案するなど、楽天エコシステム全体を活用した独自の体験が提供されます。

コスト面でも変革が期待できます。クラウドAIは使用量に応じた従量課金が発生しますが、オンデバイスAIではこうしたコストを大幅に削減できます。Rakuten AIは状況に応じてクラウド、エッジ、デバイス上の処理を最適に使い分けるハイブリッド構成を採用しており、パフォーマンスとコストのバランスを実現しています。

2026年春から夏にかけて、HP製の個人向けおよび法人向けPCに本機能が搭載され、順次販売される予定です。日本のPC市場に新たなスタンダードが生まれる可能性があります。

【用語解説】

オンデバイスAI
サーバやクラウドを介さず、PC やスマートフォンなどのデバイス上で直接AI処理を実行する技術である。インターネット接続が不要で、データをローカル環境のみで処理するため、プライバシー保護とリアルタイム応答が可能になる。

ハイブリッドAI
クラウドAI、エッジAI、オンデバイスAIを状況に応じて使い分け、最適な処理環境を選択する方式である。パフォーマンス、コスト、プライバシーのバランスを実現する。

【参考リンク】

日本HP 公式サイト(外部)
ノートパソコン、デスクトップ、ワークステーション、プリンターなどを展開する世界的なテクノロジー企業。AI搭載PCの開発にも注力している。

楽天グループ株式会社(外部)
EC、金融、通信など70以上のサービスを展開し、「楽天エコシステム」を構築する日本の大手IT企業。ポイントプログラムを軸に各サービスを連携させている。

【参考記事】

楽天と日本HPが「Rakuten AI」搭載PCを販売へ。「圏外」でも動く(外部)
ティン・ツァイ氏のインタビューを含む記事。オンデバイスAIの実用性とユーザー体験について具体的に解説している。

【編集部後記】

2026年春にHPのPCを購入すると、すでにRakuten AIが搭載された状態で届くことになります。オフラインでも動くAIアシスタントが標準装備されるというのは、私たちの日常にどんな変化をもたらすでしょうか。

通勤中の地下鉄でも、飛行機の機内でも、途切れることなくAIに質問できる環境。プライバシーを守りながら、楽天の70以上のサービスとシームレスに連携できる体験。みなさんなら、このテクノロジーをどのように活用したいと思いますか。AIが「特別なツール」から「いつもそばにあるパートナー」へと変わりつつある今、一緒に考えていけたら嬉しいです。

投稿者アバター
omote
デザイン、ライティング、Web制作を行っています。AI分野と、ワクワクするような進化を遂げるロボティクス分野について関心を持っています。AIについては私自身子を持つ親として、技術や芸術、または精神面におけるAIと人との共存について、読者の皆さんと共に学び、考えていけたらと思っています。

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