株式会社Mavericksが提供する日本発の動画生成AI「NoLang」は、海外向けPR・マーケティング・カスタマーサポートを支援する英語テンプレートを拡充した。
日本語の製品紹介資料や記事を入力するだけで英語の製品紹介動画を自動生成でき、ECサイトの日本語FAQから英語のFAQ動画も作成可能だ。
製造業の海外売上高比率が2023年に40.0%と過去最高となる中、動画コンテンツはテキスト情報の約9倍記憶に残りやすいとされるが、従来の英語動画制作には専門的な翻訳、英語ナレーターの手配、英語字幕作成といった追加工程が必要で、コストは国内向けの数倍に膨れ上がっていた。
NoLangは日本語の製品カタログからAIが英語ナレーションで解説する製品デモ動画や営業動画を自動生成し、ホワイトペーパーやブログ記事からも紹介動画を作成する。従来数十万から数百万円かかっていた動画制作コストを10分の1以下に削減し、100種類以上のアバターやLive2D、PSDなどの既存デザイン資産も活用できる。
月数万円で複数の訴求パターンの英語動画を無制限に生成でき、迅速なA/Bテストが可能となる。
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日本発の動画生成AI「NoLang」、海外向けPR・マーケティング・CS動画の英語テンプレートを拡充〜アバター活用でブランディング強化と低コストな海外テストマーケティングを実現〜
【編集部解説】
日本企業のグローバル展開が加速する中、動画コンテンツを活用した海外向けマーケティングは企業にとって避けては通れない戦略となっています。NoLangは、こうした課題に対して「日本語資料から英語動画を即座に生成する」という明確な解決策を提示したサービスです。
日本の製造業における海外売上高比率は、2023年度には40.0%という過去最高を記録しています。これは単なる統計上の数字ではなく、日本企業が国内市場の成熟化に直面し、生き残りをかけて海外市場へシフトしている現実を示しています。
このような環境下で、動画コンテンツの重要性が急速に高まっています。視聴者はテキスト情報と比較して動画から得た情報を95%記憶に残すという研究結果があり、テキストの10%という記憶率と比べると圧倒的な差があります。複雑な製品機能やブランドメッセージを直感的に伝える手段として、動画は不可欠な存在となっているのです。
しかし、海外向けの動画制作には大きなハードルが存在していました。国内向け動画の制作に加えて、専門的な翻訳、英語ナレーターの手配、英語字幕の作成といった追加工程が必要となり、コストは国内向けの数倍に膨れ上がります。予算やリソースが限られる中堅・中小企業にとって、この障壁は極めて高いものでした。
NoLangは、AIの力でこの課題を解決します。日本語の製品カタログや紹介資料を入力するだけで、AIが製品の特長を英語ナレーションで解説する動画を自動生成します。ホワイトペーパーからリード獲得用の紹介動画を作成したり、FAQからカスタマーサポート動画を生成したり、既存ブログ記事を要約・解説動画に変換することも可能です。
特筆すべきは、従来数十万から数百万円かかっていた動画制作コストを10分の1以下に削減できる点です。月数万円で複数パターンの英語動画を無制限に生成でき、迅速なA/Bテストが実施できます。これにより、企業は「まず試してみる」というローリスクなアプローチで海外市場にチャレンジできるようになります。
もう一つの強みは、アバター活用によるブランディング強化です。100種類以上のアバターに加え、企業が既に保有するLive2DやPSDなどのデザイン資産を動画の「顔」として活用できます。海外でも人気の高い日本のアニメキャラクター風のアバターを使うことで、独自のブランドイメージを一貫して発信できます。
NoLangのようなサービスが持つ真の価値は、単なるコスト削減だけではありません。新製品のリリースやキャンペーンなど「情報の鮮度」が命の場面で、迅速に動画を発信できる機動力を企業にもたらします。グローバル市場では、タイミングを逃すことがビジネスチャンスの喪失に直結します。
今後、NoLangは英語以外の主要言語への対応も順次拡大する予定です。言語の壁を解消し、日本企業のグローバルマーケティングを支援するインフラとして、その役割はさらに重要性を増していくでしょう。
【用語解説】
NoLang(ノーラン)
株式会社Mavericksが開発した日本発の動画生成AIサービス。テキストやPDF資料から高品質な動画を自動生成する機能を持ち、日本語資料を入力するだけで英語の製品紹介動画やFAQ動画などを即座に作成できる。
Live2D
2Dイラストに立体的な動きを加える技術。平面のイラストをパーツ分けし、それぞれに動きをつけることで、まるで3Dのような自然な動きを表現できる。キャラクターアニメーションやVTuberの分野で広く使用されている。
PSD
Adobe Photoshopの標準ファイル形式。レイヤー構造を保持したまま画像を保存できるため、デザイン資産として企業が保有していることが多い。
A/Bテスト
マーケティング施策において、異なる2つのパターンを用意し、どちらがより効果的かを比較検証する手法。NoLangでは複数の訴求パターンの動画を生成し、迅速にテストできる。
リードナーチャリング
見込み客(リード)を育成し、購買意欲を高めていくマーケティング手法。ホワイトペーパーや動画コンテンツを活用して、段階的に顧客との関係を深めていく。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)
企業ではなくユーザー自身が作成したコンテンツ。SNSの投稿やレビューサイトの口コミなどが該当し、信頼性の高いマーケティング素材として活用される。
【参考リンク】
NoLang for Business 公式サイト(外部)
動画生成AI「NoLang」の法人向けサービス。日本語資料から英語動画を自動生成する機能の詳細や料金プランを確認できる。
株式会社Mavericks 公式サイト(外部)
NoLangを開発する生成AIスタートアップ。リアルタイム動画生成AIや超解像化技術など、先端的な自社プロダクトを多数保有している。
JBIC FY2024 Survey – 日本企業の海外事業展開調査(外部)
国際協力銀行による日本製造業の海外事業に関する年次調査。2023年度の海外売上高比率が40.0%と過去最高を記録。
【参考記事】
FY2024 JBIC Survey (36th) Report on Overseas Business Operations by Japanese Manufacturing Companies(外部)
日本の製造業における2023年度の海外売上高比率が40.0%と過去最高を記録したことを報告する調査レポート。
Report: Marketing in Software, SaaS, & Technology – Insivia(外部)
視聴者は動画コンテンツで95%を記憶に残すのに対し、テキスト情報では10%しか記憶に残さないという研究結果を発表。
国内発動画生成AI「NoLang」開発チーム(株)Mavericksが、法人向けプラン「NoLang for Business」を提供開始(外部)
2025年1月に発表された法人向けプラン。チーム管理機能やオリジナルアバター制作サポートなどの企業向け機能を提供開始。
【編集部後記】
グローバル展開を目指す日本企業にとって、言語の壁は依然として大きな課題です。NoLangのようなAIツールは、その障壁を劇的に下げる可能性を秘めています。
みなさんの会社では、海外向けのマーケティングコンテンツをどのように制作していますか?従来の外注方式で高額なコストと時間をかけているでしょうか。それとも、言語対応の難しさから海外展開自体を躊躇しているでしょうか。
動画生成AIの進化は、中小企業やスタートアップにも、大企業と同じ土俵でグローバル市場に挑戦できる武器を与えてくれます。月数万円で試せる環境が整った今、「まず試してみる」という一歩を踏み出すハードルは確実に下がっています。
みなさんは、このような技術をどう活用していきたいと考えますか?innovaTopia編集部も、日本発のテクノロジーが世界市場でどのような影響を与えていくのか、引き続き注目していきます。

























