Palo Alto Networks「Prisma AIRS 2.0」Protect AI統合でAIリスク管理を強化

Palo Alto Networks「Prisma AIRS 2.0」Protect AI統合でAIリスク管理を強化 - innovaTopia - (イノベトピア)

Prisma AIRS 2.0はPalo Alto Networksが開発したAIセキュリティプラットフォームである。PwC USのHarshul Joshiは生成AIの普及による新たな脅威についてコメントし、PwCとPalo Alto NetworksがAI展開のセキュリティ強化で提携している。

Prisma AIRSは、Protect AIの統合を完了し、AIエージェントやモデル、レッドチーミングに対応する。AIモデルの保護では、Advanced WildFireやHuntrの脅威インテリジェンスを活用し、数百万のモデルを監視、25以上の脅威パターン・20以上のモデル形式に対応している。

導入はFlexクレジットで可能で、展開はカスタマーサービスポータルから行う。2025年10月28日にはIgnite: What’s Nextで情報が公開された。

From: 文献リンクPrisma AIRS 2.0 Is Powering the Next Wave of Secure AI Innovation

【編集部解説】

Prisma AIRS 2.0はPalo Alto NetworksがAIセキュリティの新基準を目指して開発した統合プラットフォームです。従来の境界型セキュリティでは捉えきれなかったAI特有のリスク、例えば生成AIの導入拡大に伴うプロンプトインジェクションや「シャドーAI」など新たな脅威にも対応しています。この製品は、エージェント単位での権限管理やリアルタイム挙動監視、IDや構成ミスへの対応など、企業がAIを安全に導入・運用するための仕組みを充実させています。​

とくに注目すべきは、Prisma AIRS 2.0がProtect AIの機能統合により、数百万のAIモデルを対象に25以上の脅威パターン検知と20種以上のモデル形式への対応を実現し、全社的なAIモデル管理およびレッドチーム活動まで網羅している点です。こうした広範なカバレッジは、IBMやServiceNow、Gleanといった主要プラットフォームとの連携強化にもつながっており、リアルタイムにAIエージェントやプロンプト入力の悪用を防ぐ仕組みとして作用します。​

AI導入が進む中、企業のAIワークフロー上に見えにくい新規リスクが急速に増えています。Prisma AIRS 2.0では、単なるセキュリティ製品に留まらず、CI/CDやMLOpsとも親和性の高いAPI主体の設計で、AIプロジェクト全体の自動的なセキュリティ統制や迅速な脅威対応を支援します。​

一方で業界全体としては、AI特有の脅威に関する標準化やベンダー間連携・規制対応が今後の課題です。Prisma AIRSがこうした動向をリードすることで、社会全体のAI利用拡大―とくに金融やヘルスケア、政府系システムへの安全なAI導入―の基盤作りを後押しする可能性があります。​

これからAIの現場適用が進むにつれ、運用現場の“見えないリスク”を可視化し、セキュリティ人材不足や複雑化に対する組織的対応力の底上げが求められるでしょう。Prisma AIRS 2.0はこうした要請に応えるための最新解として位置付けられます。​

【用語解説】

AIエージェント
自動で指示を理解し実行する人工知能のプロセス。SaaSやクラウドサービス等に組み込まれることが多い。

ポスチャーセキュリティ
AIやIT資産の初期設定や運用環境がセキュアかを検証・維持する仕組み。

プロンプトインジェクション
AIの事前命令や指示文に悪意ある操作を混入し予期しない動作を誘発する攻撃。

レッドチーミング
第三者が攻撃者視点でシステムの脆弱性を検証する模擬攻撃活動。

MLOps
機械学習プロジェクトのライフサイクル管理自動化運用手法。

【参考リンク】

Palo Alto Networks公式サイト(外部)
サイバーセキュリティ分野のリーディング企業。AI・クラウド・ネットワーク対策製品を展開。

Protect AI公式サイト(外部)
AIセキュリティに特化した企業。Palo Alto Networksへ買収されPrisma AIRS 2.0へ技術が統合。

【参考記事】

Palo Alto Networks Secures the AI Agent Revolution with Prisma AIRS 2.0(外部)
企業導入事例や主要エージェントプラットフォーム連携、運用現場での効果や技術的特徴の解説。

Palo Alto Prisma AIRS 2.0: Securing the Future of AI Agents(外部)
業界トレンドや競合と比較しつつ、現場での実装事例やセキュリティ課題への対応を分析した記事。

【編集部後記】

AIセキュリティは、ますます重要なテーマです。みなさんの仕事や日々の生活の中でAIとどう向き合っていますか。

Prisma AIRS 2.0のような最新技術は「敷居が高い」と感じるかもしれませんが、今後のスタンダードとなる可能性もあります。リスクとチャンスが複雑に絡み合うこの分野を、ともに考えてみませんか。どんな疑問や課題を感じられますでしょうか。

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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